お前らに質問(6月14日 ロピタルの定理)の解答 [お前らに質問]
お前らに質問(6月14日 ロピタルの定理)の解答
「大学入試でロピタルの定理を使うと減点される」など、様々な都市伝説が存在するロピタルの定理。
ロピタルの定理というのは、
aを実数または±∞とする。
または
ならば、
といったような感じの定理で、0/0や∞/∞の不定形の極限計算に使われる、それはそれはありがたい定理だ。
では、
お前らに質問。
次の答案は正しいか。
問題1 次の極限が存在すれば、その値を求めよ。
【答案】
x→0のとき、sinx→0、x²→0なので、これは0/0の不定形の極限。
よって、ロピタルの定理より
であるが、
よって、
は存在しない。
したがって、
は存在しない。
(答案終)
のグラフは右の図のようになるから、たしかに、なる極限は存在しない。
しかし、
ロピタルの定理とは、
aを実数または±∞とする。
または
で、かつ、極限
が存在するならば、極限も存在して
になるといったもの。
命題p,qを
とすると、
で、上の答案の主張は
ここで、記号¬は命題の否定を表す。
(2)と(3)は同値じゃないから、
という主張は成り立たない。
(2)と(3)が同値でないのは、
たとえば、
p:日本人である
q:日本語を話す
とすると、
日本人ならば日本語を話すだろうから、p⇒qという命題は(おそらく)正しい。
しかし、日本人以外でも、日本語を話すヒトがいるので、
「日本人でないならば、日本語を話さない」
つまり、¬p⇒¬qは成立しないことからわかる。
現に、ネムネコがその証拠だにゃ。ネムネコはヒトならぬネコマタ、つまり、ネコのバケモノなのに、日本語の読み書きができるではないか!!
まっ、ネムネコはヒトじゃないけれど・・・。
ということで、
問題1の答案は、まったく、ナンセンス、的外れなものだから、この答案に点数をつけるとすれば0点だね。
いくら心優しいネムネコであっても、この答案は部分点をつけてあげれるところがないので、0点以外の点数をつけることができないにゃ。
続いて、次の答案は正しいケロか。
問題2 次の極限が存在すれば、その値を求めよ。
【答案】
x→∞のとき、x+sinx→∞、x→∞。したがって、これは∞/∞の不定形の極限なので、ロピタルの定理より
となる。
ここで、
とおくと、n→∞のときx→∞
一方、
とおくと、n→∞のときx→∞
したがって、
極限
は存在しない。
ゆえに、極限
は存在しない。
(答案終)
x≠0のとき、
だから、
なんですね。
つまり、
が存在しなくてもという極限が存在することがある。
問題1の答案は、
は存在しないという結論があっていたのに0点だったのだから、問題2の答案は結論も間違っており当然0点。
問題2の答案は−20点くらいつけてあげてもいいね(^^)。
ブラゲロ・マムシのブログで、あの有名人「人の道」の投稿が・・・ [ひとこと言わねば]
まぁ、こういった内容の質問。
「人の道」は、イエスが嫌いで、ペテン師、詐欺師、手品師扱いをしているから(^^)。
ブラゲロ・マムシも意地が悪いね。
こういう神学もあるのだよと、「人の道」に教えてあげればいいのにね。
仮現説(かげんせつ、ギリシア語: Δοκητισμός, Dokētismos、ラテン語: Docetismus、英語: Docetism)、またはキリスト仮現説とは、キリスト教の神学、キリスト論において、「イエスの身体性を否定する教説」を言う。つまり、「イエスの人としての誕生・行動や死はみな、人間の目にそのように見えただけであった」という見解である。当時の主流派(正統派)教会からは、異端であるとして排除された。語源は、ギリシア語の δοκεῖν(dokeīn、~であるように見える)という語である。・・・
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%AE%E7%8F%BE%E8%AA%AC
何しろ、真の姿はこうだから↓。
正統的なキリスト教はこの立場を取らないけれど、キリスト教(?)が誕生した直後からあるイエス観なんだね。こういう立場で書かれている聖書(福音書)もかつては存在した。しかし、ローマ教会によって、これらの聖書はすべて焼却処分にされ、断片的にしか今日に伝わっていない。
お前らに質問 (6月16日 関数の最大・最小) [お前らに質問]
お前らに質問 (6月16日 関数の最大・最小)
今日は、簡単な問題。
問題 次の関数の最小値を求めよ。
できるだけこの問題を簡単な方法で解いて欲しい。
気づけば、微分を使うことなく、この問題を解くことができる。
答えがないと不安かもしれないので、
ちなみに、これは、大昔、大学入試で実際に出題された問題だにゃ。
第19回 関数の最大・最小 [微分積分]
第19回 関数の最大・最小
極大値、極小値は、それぞれ、局所的な最大値、最小値であるが、必ずしも関数の極大値、極小値は関数の最大、最小値でない。
したがって、関数の最大・最小問題を解くとき、この点に注意する必要がある。
問1 次の関数の最大値と最小値を求めよ。
【解】
(1)
とおき、関数f(x)の増減を調べるために微分すると、
したがって、増減表は次のようになる。
これより、
最大値はf(√2)=6(3−√2)
最小値はf(3)=9/10
(2) 根号の内部2x−x²≧0でなければならないので、0≦x≦2でなければならない。
とおき、微分すると、
よって、増減表は次のようになる。
したがって、
x=3/2のとき、最大値3√3/4
x=0、2のとき、最小値0
(解答終)
問題によっては、次の問のように変数を置き換えたほうが計算が楽になる場合がある。
問2 次の関数の最大、最小値を求めよ。
【解】
(1) cosx=tとおくと、−1≦t≦1。
とおくと、
増減表を書くと、
したがって、
t=1、すなわち、x=2nπ(nは整数)のとき最大値2
t=0、すなわち、x=π/2+2nπのとき最小値−1
(2) sinx=tとおくと、−1≦t≦1。
f(t)をtで微分すると、
したがって、増減表は
よって、
t=1、x=π/2+2nπのとき、最大値4/3
sinx=t=√2−2のとき、最小値4√2−6
(3) sinx+cosx=tとおくと、
より、1≦t≦√2。
また、t=sinx+cosxだから
よって、
したがって、
f(t)をtで微分すると、
よって、f(t)は単調増加。
したがって、
t=1、x=π/4のとき最大値2√2
t=√2、x=0,π/2のとき最小値1
(解答終)
問3 実数x、yはx²−2x+4y²=0を満たしている。
(1) x+2yの最大値と最小値を求めよ。
(2) x、yはいずれも正の数とするとき、xyの最小値を求めよ。
【解】
なので、
とおく。
(1)
だから、
θ=π/4のとき最大値√2+1
θ=5π/4のとき最小値−√2+1
(2) x>0、y>0だから
である。
とおき、f(θ)をθで微分すると、
したがって、増減表は
よって、θ=π/3のとき最大値である。
(解答終)
問4 関数の区間0≦x≦1における最大値2となるように、aの値を定めよ。
【解】
(ⅰ)a≧eのとき
0<x<1でf'(x)<e−a≦0よりf(x)は減少で、f(0)=1。
よって、|f(x)|が0≦x≦1で最大値2をとるためには、
(ⅱ)a≦1のとき
0<x<1でf'(x)>1−a≧0よりf(x)は増加で、f(0)=1。
よって、|f(x)|が0≦x≦1で最大値2をとるためには、
(ⅲ)1<a<eのとき
を満たすxが0<x<1に1つ存在する。
これをx₀とすると、x=x₀のとき極小かつ最小。
f(0)=1、f(1)=e−a<e−1<2だから、|f(x)|の最大値は2となりえない。
ゆえに、
a=e±2
(解答終)
第18回 関数の増減と極大・極小 [微分積分]
第18回 関数の増減と極大・極小
関数の極値について述べる前に、(平均値の定理の)復習をかねて次の定理を再掲。
定理1 (関数の増減)
関数f(x)は閉区間[a,b]で連続、開区間で微分可能であるとする。開区間(a,b)において
(1) 常にf'(x)>0ならば、f(x)は[a,b]で狭義単調増加
(2) 常にf'(x)<0ならば、f(x)は[a,b]で狭義単調減少
である。
[証明]
a≦x₁<x₂≦bとすると、仮定より、f(x)は閉区間[x₁,x₂]で連続、開区間(x₁,x₂)で微分可能である。したがって、平均値の定理より
となるcが少なくとも1つ存在する。
f'(c)>0のとき、
同様に、f'(c)<0のとき、f(x₂)<f(x₁)。
(証明終)
関数f(x)は点aの近傍で定義されているとする。
ある正の数δが存在し、
であるとき、f(x)は点aで極大であるといい、f(a)を極大値という。
また、ある正の数δが存在し、
であるとき、f(x)は点aで極小であるといい、f(a)を極小値という。
極大値、極小値をまとめて極値という。
例1
は、x=0で極小で、極小値はf(0)=0。
また、x=±1でf(x)は最大、最大値はf(±1)=1であるが、f(x)はx=±1で極大でないので注意。
何故だろうか。
定理2 (極値の必要条件)
関数f(x)は点aで極値をとり、かつ、点aで微分可能ならば、f’(a)=0である。
【証明】
f(x)は点aで極大であるとする。
点aで極大なので、適当なδ>0をとると、
である。
x<aのとき
f(x)は点aで微分可能だから、点aにおける左側微分係数が存在し
x>aのとき、
f(x)は点aで微分可能だから、点aにおける右側微分係数が存在し、
点aで微分可能だからでなければならない。
よって、
極小の場合も同様。
(解答終)
(注意)
f(x)=x³は、f'(x)=3x²なので、点x=0でf'(0)=0になるが、f(x)=x³は点x=0で極大でも、極小でもない。したがって、定理2の逆は成立しない。
定理1と定理2から、次の定理は明らかだろう。
定理3
関数f(x)は(a−h、a+h)で微分可能、かつ、f'(a)=0であるとする。
(ⅰ) a−h<x<aでf'(x)>0、a<x<a+hでf'(x)<0ならば、f(x)は点aで極大
(ⅱ) a−h<x<aでf'(x)<0、a<x<a+hでf'(x)>0ならば、f(x)は点aで極小
【注】
f(x)=|x|は、点x=0で微分可能でないが、x<0でf'(x)<0、x>0でf'(x)>0と、点x=0の前後でf'(x)の符号が変わっており、f(x)はx=0で極小である。
だ・か・ら、
関数f(x)が|x−a|<hで連続、0<|x−a|<hで微分可能ならば、
(ⅰ) a−h<x<aでf'(x)>0、a<x<a+hでf'(x)<0ならば、f(x)は点aで極大
(ⅱ) a−h<x<aでf'(x)<0、a<x<a+hでf'(x)>0ならば、f(x)は点aで極小
が成り立つ。
なぜならば、
a−h<x₁<aの点x₁をとると、[x₁,a]でf(x)は連続、(x₁,a)でf'(x)>0なので、f(x)は[x₁,a]で狭義の単調増加だから、x₁≦x<aの任意のxに対して、f(x)<f(a)。
また、a<x₂<a+hの点x₂をとると、f(x)は[a,x₂]で連続、かつ、(a,x₂)でf'(x)<0なので、[a,x₂]で狭義の単勝減少となり、a≦x<x₂の任意の点xに対して、f(x)<f(a)。
ゆえに、f(x)は点aで極大。
極小の場合も同様にして証明できる。
問1 f(x)が点aで極小である場合の証明をし、定理2の証明を完成させよ。
定理4 (2次導関数を用いた極値の判定)
関数f(x)が2回微分可能でf’(a)=0のとき、
(ⅰ) f’’(a)>0ならば点aで極小
(ⅱ) f’’(a)<0ならば点aで極大
である。
【証明】
f’’(a)>0だからf'(x)は点aで増加の状態にあり、f’(a)=0だから、点aの前後でf’(x)の符号が負から正に変わる。よって、f(x)は点aで極小である。
f’’(a)<0だからf'(x)は点aで減少の状態にあり、f’(a)=0だから、点aの前後でf’(x)の符号が正から負に変わる。よって、f(x)は点aで極大である。
(証明終)
2次導関数の符号を用いて関数f(x)の極値の判定を行うことができるが、 一般に1次導関数より2次導関数の方が複雑になることが多いので、問2のように極値の判定は増減表を用いた方がよい。
問2 次の関数の増減を調べ、極値を求めよ。
【解】
f(x)は微分可能なので、極値をとる点ではf'(x)=0でなければならないので、f'(x)=0となる点を求めると、
増減表を書くと、
したがって、
x=−1のとき極大で極大値はf(−1)=1、 x=1のとき極小で極小値はf(1)=−3。
(2) 増減を調べるために、f(x)を微分すると、
f(x)は微分可能で、極値をとる点ではf'(x)=0でなければならないので、f'(x)=0となる点を求めると、x=−1,1。
増減表を書くと、
したがって、f(x)は
x=−1のとき極大で、極大値はf(−1)=3
x=1のとき極小で、極小値はf(1)=1/3
(3)
よって、f'(x)=0となるxの値は
よって、
(解答終)
問題2の(2)、(3)の関数の場合、極大値が最大値、極小値が最小値になっている。
た、(1)のy=x³−3x−1は三次関数なので、曲線y=x³−3x−1は変曲点(0,1)に関して対称であり、したがって、極大になる点(−1,1)と極小になる点(1,−3)も変曲点(0,1)に関して対称になる。
問3 次の関数の増減を調べ、極値を求めよ。
【解】
f(x)をxで微分すると、
よって、f'(x)=0になる点はx=0、n。
nが奇数のとき
nが偶数のとき
よって、
x=0のとき極小で、0が極小値。
(解答終)
問4 関数はx=3で極値−1をとるという。aとbの値を求めよ。
x=3で極値−1をとるので、y'=0、y=−1とおくと、
このa,bに対しては
よって、増減表は
確かに条件を満たしているので、これが求める値である。
(解答終)
(1) aの値を求めよ。
(2) x>0におけるf(x)のすべての極大値の和を求めよ。
【解】
f(x)はx=π/4で極大値を取るので、
(2) f(x)はx=π/4+2nπ (n=0,1,2,・・・)で極大で、
したがって、すべての極大値の和Sは
(解答終)
問6 次の問に答えなさい。
【解】
(1)
とし、これを微分すると、
ここで、g(x)=xcosx−sinxとおくと、
したがって、g(x)は0<x≦π/2で単調減少、
よって、0<x≦π/2でf'(x)<0となり、f(x)は単調減少で、ゆえに、0<α<β≦π/2のとき、
とし、これを微分すると、
よって、f'(x)=0となるのはx=eのとき。
増減表を書くと、
したがって、x>eにおいてf(x)は単調減少で、e<α<βのとき、
また、0<x<eにおいてf(x)は単調増加で、
だから、
よって、e<α<βのとき、
(解答終)
だから、f(0)=1とすると、f(x)は[0,π/2]で狭義単調減少なので、
となり、これから
よって、次の不等式を得る。
お前らに質問 (6月14日 ロピタルの定理) [お前らに質問]
お前らに質問 (6月14日 ロピタルの定理)
「大学入試でロピタルの定理を使うと減点される」など、様々な都市伝説が存在するロピタルの定理。
ロピタルの定理というのは、
aを実数または±∞とする。
または
のとき、
といったような感じの定理で――多くのヒトがこういう定理だと認識しているから、あえて正確に書かない!!――、0/0や∞/∞の不定形の極限計算に使われる、それはそれはありがたい定理だ。
では、お前らに質問。
次の答案は正しいか。
問題1 次の極限が存在すれば、その値を求めよ。
【答案】
x→0のとき、sinx→0、x²→0なので、これは0/0の不定形の極限。
よって、ロピタルの定理より
よって、
は存在しない。
したがって、
は存在しない。
(答案終)
のグラフは右の図のようになるから、
たしかに、なる極限は存在しない。
続いて、次の答案は正しいケロか。
問題2 次の極限が存在すれば、その値を求めよ。
【答案】
x→∞のとき、x+sinx→∞、x→∞。したがって、これは∞/∞の不定形の極限なので、ロピタルの定理より
となる。
とおくと、n→∞のときx→∞
一方、
とおくと、n→∞のときx→∞
したがって、
極限
は存在しない。
ゆえに、極限
は存在しない。
(答案終)
そうですか、
なる極限は存在しないのですか(^^)。
さぁ、この問題1、問題2の答案が正しいかどうか、お前らに答えてもらいましょうか。
念のために言っておくけれど、
というのは、という極限が存在すれば、上のようになるという意味だにゃ。
ここがヤバい箇所ってわけじゃないケロよ。
こういうところに茶々を入れだしたら、極限計算、特にロピタルの定理を使った解答は不正解、不正解じゃないまでも大量減点で点数がつかなくなってしまうにゃ。
ところで、
お前らが採点者ならば、問題1、問題2(ともに、満点20点)の答案に何点つける?
不幸にしてこの記事を読んでしまった奴は、おそらく、恐ろしくてロピタルの定理なんて二度と使う気にならないに違いない!!
第17回 コーシーの平均値の定理とロピタルの定理 [微分積分]
第17回 コーシーの平均値の定理とロピタルの定理
定理1 コーシーの平均値の定理
f(x)、g(x)が閉区間[a,b]で連続、開区間(a,b)で微分可能、さらにg'(x)≠0ならば
であるcが存在する。
【証明】
とおき、
とする。
h(x)は、[a,b]で連続、(a,b)で微分可能、かつ、h(a)=h(b)=0。
ロールの定理より
となるcが存在する。
g'(x)はa<x<bでg'(x)≠0だから、g'(c)≠0。
よって、
である。
(証明終わり)
このコーシーの平均値の定理を用いると、やの不定形の極限を求める時に用いられるロピタルの定理を証明することができる。
定理2 L'Hospital(ロピタル)の定理
関数f(x)、g(x)は、点aを除く点aの近傍で微分可能で、かつ、g’(x)≠0であるとする。
このとき、
で、さらにが存在すれば、
である。
【証明】
だから、と考えてよい。
x>aのとき、閉区間[a,x]とすればg'(x)≠0だからコーシーの平均値の定理の条件を満たすので、
となるa<c<xが存在する。
x→a+0のときc→a+0なので、
x<aのとき、閉区間[x,a]とすればg'(x)≠0だからコーシーの平均値の定理の条件を満たすので、
となるx<c<aが存在する。
x→a−0のときc→a−0なので、
よって、
(証明終)
の場合、x=1/tとおくと、t→0+0に対して、
となるので、aが±∞の場合についても定理2を用いることができる。
また、の場合の証明の概要は次のとおり。
ある値x≠aを決めたとき、yをさらにaに近くとれば、g(y)は非常に大きくなるから、
とすることができる。
コーシーの平均値の定理から、このxとyに関して、
となるcがxとyの間に存在する。
よって、
ここで、x→aの場合を考えると、y→a、c→aだから
したがって、のとき、
が存在すれば、
(注意)
正しくは、
や
問1 ロピタルの定理を用いて、次の極限を求めよ。
【解答(?)】
(1) 0/0の形の不定形の極限なので、ロピタルの定理より
(2) 0/0の形の不定形の極限なので、ロピタルの定理より
(3) 0/0の形の不定形の極限なので、、ロピタルの定理より
(4) 0/0の形の不定形の極限なので、ロピタルの定理より
(5)
と考えると、この極限は∞/∞の不定形の極限になり、ロピタルの定理を使うことができる。
(解答終)
問2 次の極限値を求めよ。
【解】
(1) 0/0の形なので、ロピタルの定理より
(2) ∞/∞の極限なので、ロピタルの定理より
(解答終)
問題 f''(x)が連続、f''(a)≠0のとき、平均値の定理より
となるθは、であることを示せ。
【解】
平均値の定理より
よって、
また、
これを①に代入すると、
さて、
f''(x)は連続だから、
よって、
(解答終)
曲率と曲率半径 [微分積分]
曲率と曲率半径
曲線y=f(x)上の点P(x,y)における接線PTがx軸となす角度をθ、曲線上のPに近い点Qにおける接線PT’がx軸となす角度をθ+Δθ、弧PQの長さをΔsとするとき、
を2点P、Q間の平均曲率といい、
を点Pにおける曲線y=f(x)の曲率、そして、この逆数を曲率半径という。
弧PQが点Cを中心とする半径Rの円弧ならば、
Δθ=∠PCQ
となるので、
したがって、
なぜ、(1)の逆数が曲率半径になるのか、これから、わかってもらえるのではないか。
さて、
という関係があるので、この両辺をxで微分すると、
一方、
という関係があるので、
曲率半径をrで表すと、
これは、前回、
からa、bを消去した微分方程式
から導いた式
と同じものである。
(3)の導出の過程で
という式が出てきたので、曲率円の中心(a,b)は
を使って求めることができる。
曲線y=x²の場合、
だから、
曲率半径rは、(2)から
曲率円の中心(a,b)は(4)、(5)から
と求められる。
問 曲線上の点における曲率、曲率半径、そして、曲率円の中心を求めよ。
は次のように求めることもできる。
右の図のような位置関係にあるので、曲率円の中心C(a,b)のx座標とy座標は
三角関数の関係より
ここで、誰にも気づかれないようにコッソリ、プラスだけをとって
とし
曲率半径rは
だから、これらを(6)に代入すると、
を得ることができる。
ですが、前回のように、円の微分方程式からこれらの関係式を導いたほうが簡単でしょっ。
お前らに質問(6月12日 数列の収束) [お前らに質問]
お前らに質問(6月12日 数列の収束)
お前らにつかぬことをお尋ねしますが、次の問題の解答は正しいですか。
問題 一般項が次のように与えられる数列がある。
この数列が1に収束することを示せ。
【解答(?)】
k=1,2,3,・・・とすると、
である。
したがって、nが偶数であっても、奇数であっても、1に収束する。
よって、
(解答終)
この解答は正しいかい。
正しければ、その理由を、
間違っていると思ったら、過ちを指摘し、正しい解答を
この記事のコメント欄に書いて、ネムネコのもとに送信するにゃ。
曲率、曲率半径、曲率円の話を少し・・・ [微分積分]
曲率、曲率半径、曲率円の話を少し・・・
y軸上の点(0,a)を中心にする半径rの円がある。すると、この円の方程式は次のようになる。
①の両辺をxで微分すると、
これを①に代入し、bを消去すると、
放物線y=x²が(x,x²)で円①と接するとすると、(x,x²)における円①の接線の傾きは
と等しくなければならない。
これを③式に代入すると
円の中心のy座標aは②式から
放物線上の点(1,1)で接するとすると、
④式にy=1を代入すると、
したがって、y軸上に中心があって放物線y=x²に接する円の方程式は
である。
嘘じゃないにゃ。
円⑤は、点(1,1)で本当にy=x²と接しているにゃ。
証拠の図だにゃ。
ただ、この問題の場合、
点P(1,1)におけるy=x²の接線の方程式は
求める円の中心をO'とすると、④はy=x²と円O'の共通接線なので、O'Pと接線④は直交する(円と接線の関係)。したがって、点(1,1)における法線の方程式は
円の中心はy軸上にあると仮定しているので、x=0を⑦に代入して得られるyの値3/2は円O'の中心のO'のy座標になる。
よって、O'の座標は(0,3/2)。
点O’(0,3/2)と点P(1,1)の距離rは
ゆえに、y=x²と点(1,1)で接する円の方程式は
である、
と解いたほうが楽かもしれない。
ネムネコは疑い深いので、y=x²に(2,4)で接する場合も計算してみるケロ。
③式にx=2を代入すると
④式にy=4を代入すると
したがって、
さらに念には念を入れて、
点(2,4)におけるy=x²の接線は
したがって、法線の方程式は
これにx=0を代入すると、
よって、y=x²に(2,4)で接する円の中心O'の座標は(0,9/2)。
したがって、半径rは
ゆえに、円の方程式は
となり一致する。
問題1 (x−a)²+(y−b)²=r²であるとき、
が成り立つことを示せ。
【解】
の両辺をxで微分すると、
②をさらにxで微分すると、
②と③から
これを①に代入すると
(解答終)
(1)を使えば、y=f(x)に接する円(この円を曲率円という)の(曲率)半径rを
と求めることができる。
普通、この曲率半径rの逆数(曲率κ)をとった形、すなわち、
で表すケロ。
となるので、
x=1のとき
x=1のとき、
だから、④式にこの値とx=1を代入すると、
⑤式に、y=1を代入すると
よって、曲率円の方程式は
となるにゃ。
念のために言って置くけれど、
点P(1,1)におけるy=x²の法線x+2y=3上の点を中心C(Pは除く)とし、CPを半径とする円ならば、すべてy=x²に点(1,1)で接するケロよ。無数にあるにゃ。
そして、接線はy=2x−1はCを無限の彼方にとったときに得られる、つまり、半径CP→∞の円(の極限)に違いないケロ。
ならば、直線の曲率は
のはずだ!!
曲線y=x²上の相異なる2点P、Qでそれぞれ点P、Qでの接線に垂直に引いた2直線の交点Rとする。点Qが点Pに限りなく近づくとき、点Rの近づく点Cの座標を求めよ。ただし、点Pのx座標pは0でないとする。
【解】
点P(p,p²)、点Q(q,q²)とすると、点P、Qにおけるy=x²の法線はそれぞれ次のようになる。
①−②
q→pのとき、
したがって、
よって、Qか限りなくPに近づくとき、①と②の交点RはC
に限りなく近づく。
(解答終)
p=1のとき、点Cは(−4,7/2)でy=x²の曲率円の中心になっており、点P(1,1)との距離rは
したがって、点P(1,1)におけるy=x²の曲率円は
この問題のように、曲率円の方程式を求めることができる。
交点Rを中心にする半径RPの円(点Pと点Pと異なる点Qにおけるy=x²の法線の交点Rを中心とする円で曲率円でないことに注意)を紫色で示している。この図を見ると、放物線の弧PQをよく近似できていることがわかるだろう。
(拡大図 )
なお、dy/dxが1に比べて十分に小さい時、曲率半径と曲率は次のように近似できる。
材料力学(?)や構造力学で梁(はり)のたわみの計算で使われる式だにゃ。
よく知らないけれど、
とかいう式だったような記憶が・・・。
Mは曲げモーモン、Eはヤング率(?)、Iは何とかモーメントだったような気が・・・。
この手の話は、ddt³さんが詳しい(構造計算のプロだから)ので、きっとこれに関する記事を投稿したくださるにゃ。
オイラー大先生の座屈の話をしてくださったので、たぶん、してくれるケロ。