第21回 漸近線 [微分積分]
第21回 漸近線
曲線上の点が原点から限りなく遠ざかっていくとき、その点からの距離が限りなく0に近づく直線を漸近線という。
例
グラフから明らかなように、この曲線は、x→1+0のときy=+∞、y→1−0のときにy=−∞だから、この曲線上の点(x,f(x))は、xが1に近くづけば近づくほど原点からの距離が限りなく大きくなって、かつ、直線x=1に近づくので、x=1はこの曲線の漸近線である。
また、同様に、x→±∞のときだから、この曲線は直線y=xに限りなく近づいていくから、y=xも漸近線である。
曲線y=f(x)の漸近線がy軸な漸近線y=aについては、が成立するかどうかを調べればよい。
次に、曲線y=f(x)の漸近線がy軸に平行でなく、直線y=mx+nに近づく場合について考える。
曲線y=f(x)上の点P(x,y)から直線y=mx+nにおろした垂線の足をQとする。
x→±∞のとき、PQ→0だから
よって、
したがって、
である。
特に、m=0のとき、より、が漸近線となる。
問1 次の漸近線を求めよ。
【解】
(1)
したがって、
よって、y=xは漸近線。
また、
だから、x=0も漸近線。
したがって、漸近線はy=x、x=0。
(2)
よって、y=x+3が漸近線。
x=0も漸近線。
したがって、漸近線はy=x、x=0である。
(解答終)
だが、必ずしも、このように解く必要はなく、
(1)だと、
x→±∞のとき、1/x→0になるので、y=x+1/xがy=xに限りなく近づいてゆくことから、y=xが漸近線であることが分かる。
同様に、(2)の場合、
x→±∞のとき、カッコの中が限りなく0に近づくので、y=x+3が漸近線になっていることがわかる。
問2 関数
のグラフが条件(1)、(2)を満足する。
(1) グラフは原点を通る。
(2) 漸近線はx=1とy=x+1である。
a、b、cの値を求めよ。
とおく。
条件(1)より
条件(2)より、x=1が漸近線だから、a=−1でなければならない。
また、
であり、y=x+1が漸近線であるから、b=1。
よって、
これは,
をxの正の方向に1、yの正の方向に2移動させたものだから、グラフは以下のとおり。
(解答終わり)
なお、微分法を使うと、
となり、x=0で極大、x=2で極小であることがわかる。
極大値 0 (x=0)
極小値 4 (x=2)