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お前らに質問(10月27日 定積分)の解答例 [お前らに質問]

お前らに質問(10月27日 定積分)の解答例

 

 

問題1

について、を求めよ。また、これを利用して、nが正の整数のときのの値を求めよ。

【解答例】

  

したがって、

nが奇数のとき、

  

nが偶数のとき、

  

(解答終)

 

 

問題2

n0または正の整数とし、

  

y=tanx_graph.pngとおくとき、次の関係を証明せよ。

oma27-002.png

 

【解答例】

(1) 0<x<π/4y=tan xが(下に)凸だから、

  

(右図参照)

 

(2) n≧1のとき、

  

したがって、

  ome27-003.png

 

(3)

  

ここで、とおき、置換積分すると、

  

 

(4) n=2kk=1,2,・・・)と考えると、

    

また、(2)より

  

で、

  

だから、ハサミ打ちの定理より

  

よって、

  

(解答終)

 

 

問題2の(4)の無限級数

  oma27-006.png

は、ライプニッツの級数と呼ばれるもので、問題2はその値がπ/4であることを示している。

 

少しインチキですが、

  

とマクローリン展開でき、これを(項別)積分すると、

  

 

x=1としたとき、右辺の交代級数

  

は、が単調減少で、かつ、であるので、収束し、また、

  

となるので、

  

と求めることもできる。

 

ちょっとインチキだけれど、

要するに、

  

というわけ。

 

 

問題3

1≦x≦1において、であるとするとき、次のことを示せ。

  

【解答】


1≦x≦1において、

  

で、かつ、f'(x)≧0だから、

  

したがって、

  

(解答終)

 

 


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お前らに質問 (10月27日 定積分と漸化式、級数) [お前らに質問]

お前らに質問 (10月27日 定積分と漸化式、級数)

 

 

お前らに次の問題を解いてもらおうか。

 

 

問題1

について、を求めよ。また、これを利用して、nが正の整数のときのの値を求めよ。

 

【ヒント】

  

したがって、

  

 

 

問題2

n0または正の整数とし、

  

とおくとき、次の関係を証明せよ。

y=tanx_graph.png

 

ノーヒントで、お前らが、この問題を解けるなんて、髪の毛一筋ほどにも思っていないので、ヒントを出してやるにゃ。

 

(1) とおき、これを微分して増減を調べる。

あるいは、0<x<π/4y=tan xが(下に)凸であることを利用する(右図参照)

 

(2) n≧1のとき、

  

したがって、

  

 

(3)

 

ここで、とおき、置換積分せよ。

 

(4) n=2kk=1,2,・・・)と考えると、

  

 

 

問題3

1≦x≦1において、であるとするとき、次のことを示せ。

  

 

最後の問題くらいノーヒントといきたいが、ヒントを出さないとお前らは絶対にこの問題を解こうとしないにゃ。

付き合いが長いから、お前らのことは、よくわかっているケロ。

 

【ヒント】

  

と考え、部分積分せよ。

 




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お前らに質問(10月26日) [お前らに質問]

お前らに質問(10月26日)

 

 

即位礼正殿の儀、日韓問題、米中経済紛争、ブレグジット、シリア・クルド問題、世界各地で頻発する大規模デモ、台風・大雨などなど、ニュースが多すぎて、数学の記事をブログにアップする時間・空間的な余地がないにゃ。

 

と言い訳をしてから、

お前らに定積分と級数に関する追加問題を出すにゃ。

 

追加問題1 次の問に答えよ。

(1) nを自然数とするとき、次の不等式が成立することを示せ。

  

(2) 次の極限値を求めよ。

  

 

 

 

(2)は

  

と解くことができるんですが・・・。

 

(1)の不等式を定積分を使って証明すると、循環論法になるのだけれど、

(2)は、さらに、x>0とするとき、

  

であることの〈証明もどき〉になっているにゃ。

 

 

追加問題2 nを自然数として、次の不等式を証明せよ。

(3) n≧2のとき、

  

 

(3)はノーヒントだと辛いかもしれないので、ヒントを出すにゃ。

  

x=kπ+tとおくと、

  

 

そして、(3)を証明できると、

  

となるので、広義積分が発散することを証明できるのであった。

 

値はともかく、広義積分は収束するんですが・・・。

 

 


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無限級数の収束判定への積分の応用 [微分積分]

無限級数の収束判定への積分の応用

 

 

問題 n≧2の自然数とするとき、定積分を利用して、次の不等式が成立することを示せ。

mshan-001.png 

【解】

2≦k≦nとする。

 

(1) k−1≦x≦kとすると、

  

だから、

  

したがって、

  mshan-002.png

よって、

  

 

(2) k−1≦x≦kとすると、

  

だから、

  mshan-003.png

したがって、

  mshan-004.png

①の左辺と中辺より

  

したがって、

  

また、①の中辺と右辺より

  

以上のことより

  

(解答終)

 

 

さて、

  

とすると、

  

となり、は単調増加数列。

また、問題の(1)より、

  

なので、は上に有界。

上に有界な単調増加数列は収束するので、

  mshan-006.png

は収束する。

 

また、

  mshan-007.png

とし、数列を定めると、問題の②より、

  

が成立し、

  

と発散するので、

  mshan-008.png

も+∞に発散する。

 

このように定積分を用いて無限級数の収束判定を行うことができる場合がある。

 

定理 (無限級数の収束判定)

無限級数

  

は、0≦α≦1のとき発散し、α>1のとき収束する。

【証明】

後半のみ証明する。

2≦k≦nとする。

α>1のとき、に対して

  

したがって、

  

は上に有界で単調増加なので、無限級数は収束する。

(証明終)

 

問 0≦α≦1の場合について証明し、上の定理の証明を完成せよ。

 

さて、次に

  

としたとき、の収束について考えてみる。

  

したがっては下に有界。

また、

  mshan-010.png  

となり、は単調減少数列(級数)。

下に有界な単調減少数列は収束するので、は収束する。

そこで、

  mshan-011.png

とおき、これをオイラーの定数という。

 

 


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お前らに質問(10月20日 微分積分)の解答例 [お前らに質問]

お前らに質問(10月20日 微分積分)の解答例

 

 

問題 次の問に答えよ。

(1) 次の関数f(x)が減少関数であることを示せ。

  

 

(2) 次の不等式を示せ。

  

【解】

(1)

  

0<x<π/2x<tan xだから、'(x)<-0

よって、f(x)は減少関数。

 

(2) (1)より、0<x<π/2とすると、f(0)>f(x)>f(π/2)

したがって、

  

は減少関数でだから、

    

(解答終)

 

追加問題

  

としたとき、f(x)x=0で微分可能か?

 

せっかく、積分と不等式をやっているので、積分を使って解きますか。

 

【解答例】

0<x0<sin x < xだから、

  

したがって、

  

f(x)x>0で減少関数だから、

h>0とすると、①より、

  10-20-002.png

したがって、ハサミ打ちの定理より、h→0+0のとき、

  

f(x)x=0に関して対称なので、

  

よって、

  

となり、f(x)x=0で微分可能である。

(解答終)

 

f(x)x=0で対称だから」以降が厳密でないという人には・・・。

 

t<0とすると、①より

  

また、f(x)x<0で増加関数だから、h<0とすると、

  10-20-003.png

したがって、ハサミ打ちの定理より、

  

ゆえに、

  

となり、f(x)x=0で微分可能である。

 

 

また、次のような別解を作ることも可能であろう。

 

【別解】

h≠0とする。

x=0のまわりでsin h を3次の項までテーラー展開(マクローリン展開)すると、

  

よって、

  

(別解終)

 

記事の内容に全く関係ないけれど、

 

 

 


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お前らに質問 (10月20日 微分積分) [お前らに質問]

お前らに質問 (10月20日 微分積分)

 

問題 次の問に答えよ。

(1) 次の関数f(x)が減少関数であることを示せ。

  

 

y=sin(x).png(2) 次の不等式を示せ。

  

 

 

ヒントなしに(2)の不等式を導けと言われると、すこし、大変かもしれないけれど、ヒント(1)付きだから、それほど、難しい問題じゃないでしょう。

 

(1)で欲しいのは、

  

という不等式だにゃ。

 



 

ところで、

  

としたとき、f(x)x=0で微分可能ケロか?

のグラフを見ると、f(x)x=0で微分可能で、f'(0)=0になりそうですが・・・。

ano-graph.png

 

 

さっ、微分可能かどうか、証明してもらいましょうか。

なお、ロピタルの定理を使ったら、ぶっ殺すので、この点は注意すること。

 




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第40回 積分と不等式 その1 [微分積分]

第40回 積分と不等式 その1

 

 

定理 f(x)g(x)は有界閉区間[a,b]において連続、かつ、f(x)≦g(x)ならば、

  

である。

さらに、f(ξ)<g(ξ)であるξ∈[a,b]が存在すれば、

  

 

この定理から、

a<x<bf(x)<g(x)ならば、次のことが成立する。

  

 

 

問題1 次の不等式を証明せよ。

bs40-001.png

【解】

(1) 0<x<1/2

  

したがって、

  bs40-002.png

 

(2) 0<x<π/40<sin x < xだから、

  

よって、

  

 

(3) 0<x<π/2だから、

  

したがって、

  

ところで、

  

(解答終)

 

問題2

(1) すべての正の数xに対して

であることを示せ。

(2) 閉区間[0,1]で正の値をとる連続関数f(x)が条件をみたすとき、不等式

  

であることを示せ。

【解】

(1) とおくと、

  

増減表を書くと

 

x

0

・・・

1

・・・

f'(x)

 

0

+

f(x)

 

減少

極小

増加

 

したがって、

  

 

(2) [0,1]f(x)>0だから、(1)より

  

よって、

  bs40-004.png

(解答終)

 

問題3 積分を使って次の不等式を示せ。

bs40-005.png

【解】

(1) 0<t<xとすると、

  

よって

  bs40-006.png

したがって、

  bs40-007.png

 

(2) x>1とすると、任意のt∈(1,x)に対して

  

したがって

  bs40-008.png

0<x<1のとき、1/x>1だから、


x=1のとき、等号が成立するので、

  

(解答終)

 

問題4 積分を用いて、次の不等式が成り立つことを示せ。

  

【解】

x>0とする。

n=1のとき、

だから、

  

n=kのとき

  

が成り立つと仮定すると、

n=k+1のとき

  

したがって、数学的帰納法より

  

(解答終)

 

 


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お前らに質問(10月16日 定積分)の解答例 [お前らに質問]

お前らに質問(10月16日 定積分)の解答例

 

 

問題 次の定積分の値を求めよ。

  

【解】

x=sin²tとおくとで、x=0にはt=0x=1にはt=π/2を対応させると、

  

(解答終)

 

【別解】

  

だから、

  

とおくと、で、x=0にはt=−π/2x=1にはt=π/2が対応するので、

  

(別解終)

 

 

追加問題 α<Βとするとき、次の定積分の値を求めよ。

  

【解】

とおくと、

  

(解答終)

 

【別解】

は、中心、半径の円の半円の面積(下図参照)だから、

  

graph-are.png

(別解終)



このブログは、ネムネコがやっているので、さらに、この曲を♪



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お前らに質問 (10月16日 定積分) [お前らに質問]

お前らに質問 (10月16日 定積分)

 

 

お前らに次の定積分の値を求めてもらおうか。

 

y=sqrt{x(1-x)}.png問題 次の定積分の値を求めよ。

  

 

とおくと、

  

となるので、は中心(1/2,0)で半径1/2の半円の面積と等しい(右図参照)。

したがって、

  

と、積分をすることなく、定積分の値を求めることができる。

 

ではあるが、お前らには、これと違った方法で、問題の定積分の値を求めてもらおうじゃないか。

 



 

ついでだから、

 

追加問題 α<βとするとき、次の定積分の値を求めよ。

  

 




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第39回 積分の平均値の定理とテーラー展開 [微分積分]

第39回 積分の平均値の定理とテーラー展開

 

 

定理1 積分の平均値の定理

f(x)[a,b]で連続であるとき、

  

を満たすξが存在する。

【証明】

f(x)[a,b]で連続なので、f(x)[a,b]で最小値m、最大値Mをもつ。

m=Mのとき、すなわち、f(x)が定数のとき、(1)が成り立つのは明らか。

そこで、m<Mとすると、

  bs39-001.png

b−a>0で割ると、

  

したがって、中間値の定理より

  

を満たすξa<ξ<bに存在する。

よって、

  

(証明終)

 

この定理はさらに次のように拡張することが出来る。

 

 

定理2 (積分の第一平均値の定理)

f(x)[a,b]で連続、g(x)[a,b]で非負連続のとき、次の関係を満たすξが存在する。

  bs39-002.png

【証明】

g(x)[a,b]で恒等的に0のとき、(2)が成り立つのは明らか。

そこで、g(x)[a,b]で恒等的でない、すなわち、とする。

f(x)[a,b]で連続なので、[a,b]で最小値m≦最大値Mをもつ。

m=Mのとき、すなわち、f(x)[a,b]で定数のとき、(2)が成り立つのは明らかなので、m<Mとすると、

[a,b]において

  

よって、

  

で割ると、

  bs39-003.png

中間値の定理より

  bs39-004.png

よって、定理は証明された。

(証明終)

 

 

問1 f(x)[a,b]級であるとき、

  

であることを示せ。

【証明】

  

積分の平均値の定理より

  

よって、

  

(証明終)

 

問2 f(x)[a,b]級であるとき、

  

が成り立つことを示せ。

また、これを利用し、

  

が成り立つことを示せ。

【証明】

  

右辺を次のように部分積分すると、

  bs39-006.png

b−x[a,b]で非負連続なので、積分の平均値の定理より

  

を満たすξが存在する。

また、

  

ゆえに、

  

(証明終)

 

さらに、

  bs39-007.png

同様に部分積分を繰り返すと、

  

を得る。

積分の第一平均値の定理より

  

となるので、

  

とテーラーの定理を得ることができる。

 

定理3 (積分形のTaylor展開)

f(x)[a,b]級ならば、任意のx∈[a,b]に対して

  bs39-012.png

 


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