お前らに質問(6月26日) 算数(?)かも [お前らに質問]
お前らに質問(6月26日) 算数(?)かも
x¹⁰を
という形にしたいにゃ。
さてさて、お前らならば、これをどうやって求めるにゃ、
正攻法は、
右辺を展開、整理し、の係数を右辺と左辺で比較し、係数を定めるという方法なのでしょうが、
この方法だと展開・整理するのが大変だし、おまけに11元の連立1次方程式を解くという、何とも辛く、気が遠くなるような作業が待ちかねているにゃ。
展開するのが嫌なヒトは、x=0、±1、±2、・・・といった値を入れて、11元の連立方程式を解く。
まぁ、a₀=a₁₀=1というのは、すぐに出るから、実際は、9元連立1次方程式だね。
なお、答は、こうなるらしい。
さっ、頑張って、この問題を解いてもらいましょうか。
連立方程式を解かずに、紙と鉛筆を使ってシステマティックに解く方法があることはあるらしいけれど・・・。
数値計算の本なんかには、この方法が書いてあるかもしれないにゃ。
ところで、YouTubeには、オリジナルがないので、
最悪の音質で良ければ、
これに関連する数学の記事は、「第15回 高次導関数」の問3と例1などですが・・・。
そして、明日の「第23回 テーラー展開」。
お前らに質問(6月25日の答) [お前らに質問]
お前らに質問(6月25日の答)
問題 f(x)=x³のx=a(a≧0)における微分係数f'(a)を次の(1)〜(4)で近似した場合の誤差を調べよ。
ただし、h>0とする。
【解答(?)】
また、f'(a)=3a²だから、
(1)式を使って計算した誤差は
(2)式を使って計算した誤差は
(3)、(4)式を使って計算した誤差は
よって、(2)式を使ってf'(a)を計算したものが誤差が最も小さく、(2)式の方が(3)と(4)式よりも2倍精度がいいにゃ。
(解答終)
というわけで、3次関数の場合、(3)または(4)式を使ってf'(a)=3a²を近似したときの誤差が、(2)式の誤差の2倍になるというのは偶然でないってわけ。
また、(2)式は(1)式よりも誤差が小さいけれど、
a>0、h>0とすると、
(1)式の誤差は2ah+h²、(3)と(4)式の誤差は2h²だから、
0<h<3aのときのみ、誤差が小さくなる。
たとえば、
a=0.01、h=0.1とすると、
だから、
(1)式の場合
(3)式の場合
と、(3)式を使ったものの方が誤差が大きくなっている。
(3)を使ってf'(a)の近似値を求めるとき、一般に、(3)の方が(1)よりも精度よく計算できますが、aやh、さらに、関数f(x)の形によっては、(1)式の方が精度が良い場合があるので注意。
(3)、(4)式が使われるのは、差分法を用いた微分方程式の数値解法などの分野で使われるので、普通、この近似式を目にすることはないと思いますが、ただ、物理や工学の実験データなどの解析で、壁面などでのデータの勾配が欲しいときに使わわれることがあるかもしれない(右図参照)。
右の図のような場合、点Aにおける勾配を求めるには、(4)式を使うしかないにゃ。(AとBを直線で結び、その勾配を求めると、実際の勾配よりも大きすぎる!!)
まぁ、最小2乗法などを使って、多項式の近似曲線を求め、それから、点Aにおける勾配を求めるという方法も考えられるけれど、右の図の場合、3点しかないから、多項式による近似式の次数は最大で2次式にしかならないケロよ。
しかも、(4)式は、2次関数の接線の傾き、勾配は正確に求められる。
だとしたら、(4)式を使うべきなんじゃないかい(^^)。
数学の場合と違って、物理や工学の実験の場合、数式は与えられていない、しかも、観測できる点の数は限られており、観測されたデータには必ず測定に伴う誤差が含まれている。
a≧0という制限を取りはらい、さらに、h≠0とすると、
(1)式で近似した場合の誤差は、
(2)式の場合の誤差は
となるので、
すわわち、
のとき、(1)式で近似したf'(a)の誤差は(2)式のそれより小さくなる。
試しに、a=−0.01、h=0.1とすると
f'(0.01)=3×0.01²=0.0003であるが、
となり、(1)式で近似した方が精度よく計算できるにゃ。
どちらの近似値も論外で信用に足りないけれど、こういう逆転現象が起きることもある。