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どうでもいい話 [テンソル入門]

どうでもいい話

 

ddt³さんから突っ込みが来たので、どうでもいい話でもしますか。

 

直線y=xで折り返すと、xy平面上の点(x,y)(y,x)に移されるよね。

この1次変換を表す行列T

  

だにゃ。点(x,y)Tによって移される点を(x',y')で表すことにすると、

  

になるにゃ。

さてさて、基本ベクトルをとすると、(本当は、これをeeと太字の斜体字で表したいんだけれど・・・)

  

とし、Tによって基本ベクトルが移されたものをとすると、

  

となりまして、をこの順番で新しい座標系の基底ベクトルに選ぶと、座標系が右手系から左手系に変わってしまうんだケロ。

 

直線y=xだと、基底ベクトルが重なってわかりにくいので、原点を通る直線で折り返すことにすにゃ。

すると、

  

となるケロ。

で、Tによってが移されるベクトルをで表すと、

  

になる。

ちなみに、この2つのベクトルは、この内積を計算すると、

  

となるので直交しているし、ベクトルの大きさはともに1だにゃ。

つまり、をもとに新たな直交座標系O-uvというものを構成することができる。

なのですが、この新しい座標系O-uvは通常の座標系O-xyとは異なり、左手系の座標系(これは、例えるならば、鏡の中の世界だね〜)になってしまう。(下図参照)

 

 

 

 

鏡といえば、鏡の国のアリス。そして、アリスといえば、これだケロ!!

 

 

 

 

話を元に戻そう。

ではあるのですが、の順番であらたな直交座標系O-vuを作れば、これは右手系の座標系になる。上の図を見ればこのことはすぐにわかるだろう。

そこで、

  

という1次変換Sを設けると、これは

  

という変換だから、

  

ここで、θ=φ−π/2 とすると、

  

となるので、

  

となり、この変換は原点まわりの回転ということになるにゃ。

 

どうでもいい話でした。

 




しかし、ここで終わってはつまらない。

 

O-xy座標系からO-uv座標系への座標変換の式を求めてみよう。

PO-xy座標系での座標を(x,y)O-uv座標系での座標を<u,v>としよう。

すると、

  

となる。

  

だから、これを代入すると、

  

したがって、

  

行列で書くと、

  gyouchu-01.png

したがって、

  gyochu-2.png

この(1)と(2)が、それぞれ、O-uv座標系からO-xy座標系、そして、O-xy座標系からO-uv座標系への変換式ってわけ。

(1)、(2)式ともに

  gyouchu-03.png  

になるんだケロ。

 

たぶん、間違えていないと思うが(^^ゞ

 

ここに書いているのは、直交座標系間の座標変換に基本中の基本だから、このやり方は知っておいたほうがいいケロよ〜。

 




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曲線座標におけるテンソル [テンソル入門]

曲線座標におけるテンソル

 

曲線座標を曲線座標に変換式を

  

とする。

これを

  

であらわし、その逆変換を

  

であらわすことにする。

 

をスカラーtの関数とすれば、もスカラーの関数である。

すると合成関数の微分法より

  ten24-01.png

となる。

ここで、

  

とおけば、3個の関数の組が、座標変換によって

  ten24-02.png

と変換されたことになる。このような関数の組反変ベクトルという。

 

のスカラー関数をとし、それに対応する座標における関数をとすると、

  

である。

したがって、

  ten24-03.png

ここで、

  

とおけば、3個の関数の組が、座標変換によって

 

と変換されたことになる。このような変換を受ける関数の組共変ベクトルという。

 

ベクトルと同様に、2次のテンソルも次の3つに分類される。

9個のの関数の組が、座標変換

  

のように変換されるとき、反変テンソルという。

9個のの関数の組が、座標変換

  

のように変換されるとき、共変テンソルという。

9個のの関数の組が、座標変換

  

のように変換されるとき、混合テンソルという。

 

ところで、

  

である。

ここで、

  

である。

したがって、

  ten24-06.png

である。

 

問 次のことを示せ。

を反変ベクトル、を共変ベクトルとすれば、

  

はスカラーである。これを内積という。

【解】

は反変ベクトルだから、

  

は共変ベクトルだから

  

したがって、

  

よって、

  

はスカラーである。

(解答終)

 

とすると、

  

と内積を定義することができる。


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第22回 曲線座標 [テンソル入門]

第22回 曲線座標

 

直交座標xyzの関数

があるとする。

このとき、ヤコビアンが

であるならば、(1)はx,y,zについて解くことができて、

が得られる。

そして、xyzの数の一組にはの数の一組に1対1対応し、の組を座標と考えることができ、これを曲線座標という。

 

さて、直交座標系において

である3つのベクトルを考える。ここで、Pは領域Dの点Pにおける偏微分係数をあらわす。これによって、D内にベクトル場eeeが得られる。このとき、eeeの組を曲線座標(u¹,u²,u³)基本ベクトルまたは基底という。

 

領域D内の1つのベクトル場Aが与えられたとする。このとき、A

とあらわすことができる。この3つの関数の列

をベクトル場Aの曲線座標(u¹,u²,u³)反変成分という。

また、

をつくり、これを横に並べた行(A₁,A₂,A₃)をベクトル場Aの曲線座標の共変成分という。

 

さらに、9個の関数

を作り、これを成分に持つ対称行列を曲線座標(u¹,u²,u³)計量行列という。

このとき、反変成分と共変成分の関係を与える

が成立する。

ここで、行列は行列の逆行列、すなわち、

である。

 

テンソル場Tを考える。

とおけば、9個の関数が得られる。これらを成分に持つ行列をテンソル場Tの曲線座標(u¹,u²,u³)に関する混合成分という。

また、

とすれば、9個の関数が得られ、これを成分に持つ行列をテンソル場Tの曲線座標(u¹,u²,u³)に関する共変成分という。

 

 


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第21回 基底の変換とテンソル [テンソル入門]

第21回 基底の変換とテンソル

 

{ee₂,e₃}{e'₁e'₂,e'₃}を空間中の2つの基底とするとき、

  

という関係がある。

また、{ee₂,e₃}{e'₁e'₂,e'₃}は1次独立だから、(1)式の右辺の係数を成分とする行列の行列式は

  

したがって、行列は逆行列を持つ。その逆行列を

  

とおくことにする。

 

ベクトルxの基底{ee₂,e₃}{e'₁e'₂,e'₃}に関する反変成分をそれぞれをとするとき、

  

したがって、

  

である。

この両辺にをかけ、jに関して和をとると

  ten21-01.png

したがって、

  

これが、基底の変換にともなうベクトルの反変成分の変換式である。

 

次に、ベクトルxの基底{ee₂,e₃}{e'₁e'₂,e'₃}に関する共変成分をそれぞれを(x₁,x₂,x₃)(x'₁,x'₂,x'₃)とするとき、

したがって、

  ten21-02.png

したがって、

  

となる。

これがベクトルの共変成分の変換式である。

 

(1)と(3)式を比較すると、共変成分の変換式と基底の変換式は形式上同じである。これが共変成分の名の由来である。

対して、(1)と(2)は、反変成分式と基底の変換式とが異なっている。これが反変成分の名の由来である。

 

斜交座標とテンソル

 

e₁,e₂,e}を1つの基底、Tをテンソルとする。

ここで、

  

とおけば、この係数がつくる行列を得ることができる。この行列を基底{e₁,e₂,e}に関する混合成分という。

  

とし、y=T(x)とする。

  

とおけば、

  ten21-03.png

となる。

したがって、

  ten21-04.png

すなわち、

  

となる、

行列を用いて表現すると、

  

となる。

ここで、

  

と定義すると、

  

となる。

この行列をテンソルTの{e₁,e₂,e}に関する共変成分という。

  ten21-05.png

したがって、

  

これがテンソルの共変成分と混合成分との関係を与える。

両辺にをかけて、iについての和をとれば、

  ten21-06.png

したがって、これもテンソルの兇変成分と混合成分の関係を与える。

 

 


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第20回  斜交座標とベクトル [テンソル入門]

20回 斜交座標とベクトル

 

空間に1次独立の3つのベクトルeeeがあるとする。ただし、このいずれも零ベクトルでないとする。このとき、順序付けた基底という。また、空間中の任意のベクトルA

  

eeeの1次結合であらわすことができる。この係数を縦に並べたをベクトルAの基底に関する反変ベクトルという。

 

の9個の内積

  

を成分とする行列計量行列という。

  

が成り立つので、計量行列は対称行列である。

また、

  

だから、のなす角度をとすれば、

  ten20-01.png

である。

 

2つのベクトルをとると、

  ten20-02.png

計量行列は対称行列なので、ベクトルAとベクトルBの内積は

  ten20-03.png

となる。

 

行列の逆行列、すなわち、

  

とすれば、が対称行列なのでであるである。

また、

  

であるから、

  

ここで、記号はクロネッカーのデルタ

  

である。

 

ベクトルAの次の3つの内積

  

を作り、これを横に並べた

  

をベクトルAの基底に関する共役成分という。

 

2つのベクトルの共役成分をそれぞれ(A₁,A₂,A₃)(B₁,B₂,B₃)とすれば、

  ten20-04.png

同様に、

  

内積は交換法則AB=BAが成立するので、

  ten20-05.png

と、内積ABは反変成分と共変成分であらわすことができる。

 

ベクトルの共役成分は

  

で与えられるので、同様に

  

が得られる。

これは反変成分と共役成分との関係を与える。

の両辺にをかけて、jについて和をとれば、

  ten20-07.png

したがって、

  

も共役成分と反変成分の関係を与える。

 


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第19回 ひずみテンソルと応力テンソルの関係 [テンソル入門]

第19回 ひずみテンソルと応力テンソルの関係

 

§1 ひずみテンソルと応力テンソルの関係

 

弾性体が変形し、その相対的な変位がvであるとする。このとき、ひずみテンソルΦの成分は

  ten19-001.png

となる。

等方的な弾性体では、応力テンソルΨとひずみテンソルΦの主軸は同じと考えられるので、ΦΨの共通な主軸の方向の長さ1のベクトルをabcとする。ひずみテンソルの主値と応力テンソルの主値をそれぞれε₁ε₂ε₃σ₁σ₂σ₃としたとき、

  

という関係が成り立つものとする。

等方的なので、

  

と考えられので、(1)式を

  

と変形することができる。

ここで、

  

とすれば、(2)式は

  

また、

  

は不変量で、体積膨張率である。

したがって、

  

である。

同様に、

  

つまり、

  

である。

このλμLamé(ラメ)の定数と呼ぶ。

また、応力テンソルΨ

  

これに(3)式を代入すると、

  

単位テンソルをIとすると、

  

また、

  

だから、

  

ひずみテンソルの成分を、応力テンソルの成分をとすると

  

となる。

 

テンソル積と単位テンソルを行列で表すと、

   ten19-002.png

だから、

  

また、

  ten19-003.png

 

 

§2 弾性体の釣り合い

 

弾性体内の各点の密度ρに比例した力ρKが単位体積あたりに働いているとする。さらに、弾性体の変形にともなう応力テンソルをΨとする。

弾性体内の任意の領域をVとし、その表面をSSの外法線ベクトルをnとする。

このとき、力の釣り合いは

  ten19-004.png

(テンソルの)ガウスの発散定理から

  ten19-005.png

Vは任意に選べるので、

  

となる。

これが弾性体の釣り合いの方程式である。

Kの成分をΨの成分をとすると、

  

 

特に、K=0のとき、

  

つまり、

  ten19-006.png

である。

弾性体が等方的であるとき、

  

となるので、よって、(6)式は

  

となる。


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材料力学のお話2 [テンソル入門]

材料力学のお話2

 

zai2-fig-001.pngΔx₁Δx₂の微小要素を考える。

このとき、直交座標系O-x₁x₂に関する応力テンソルTの成分

  

となる。

直交座標系O-x₁x₂を原点Oを中心に反時計回りにθ回転させた直交座標をO-x'₁x'₂をとすると、x'₁軸、x'₂軸の方向余弦は

  

だから、

  

とおくと、座標系の変換によって応力テンソルの変換式は

  zai2-001.png

となる。

したがって、

  

になる。

 

問1 直交座標系O-x₁x₂に関する応力テンソルが

  

であるとする。

原点を中心に座標軸を反時計回りにθ回転させたたとき、応力テンソルの成分はどのようになるか。

【解】

  

(解答終)

 

問2 直交座標系O-x₁x₂に関する応力テンソルが

  

であるとする。

原点を中心に座標軸を反時計回りに45°回転させたたとき、応力テンソルの成分はどのようになるか。

【解】

  

(解答終)

 

問2のように、単純せん断応力の場合、軸を45°回転すると、応力テンソルからせん断応力を消すことができる。

 

のとき、応力テンソルの成分は

  

したがって、となるように、

  

θをとれば、は応力テンソルの主応力(主値)になる。

また、主応力は、次のように、行列(テンソル)の固有方程式を解くことによて求めることができる。

  

よって、主応力をσ₁σ₂とすると、

  

となる。

 

せん断応力の絶対値が最大になるとき、その最大せん断応力主せん断応力)といい、主応力σ₁σ₂を用いると、

  

で与えられる。

 

問3 σ₁₁=2+√2σ₂₂=2−√2σ₁₂=√2のとき、主応力とその方向を求めよ。また、最大せん断応力を求めよ。

【解】

(6)より、

  

また、主応力は(7)より

  

よって、(8)より最大せん断応力は

  

である。

(解答終)

O-x₁x₂に対し角度θだけ傾いている(仮想的な)断面に作用する垂直応力σ'とせん断応力τ'は、この断面の垂直なベクトル、すなわち、法線ベクトル(直交座標系O-x'₁x'₂での成分であることに注意!!)

  

に、(3)〜(5)で与えられる成分をもつ応力テンソルを作用させることにより、次のように求めることができる。

  

このθを消去すると、

  

これをモールの応力円という。

 

Mohr-stress-circle.png問3の場合、モールの応力円は

  

となり、これを用いて、主応力、最大せん断応力を求めることもできる。

 


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材料力学のお話 [テンソル入門]

材料力学のお話

 

ひずみと応力についての理解を深めるために、材料力学の話をすこしだけすることにする。

 

zai-001.png右図のように長さl₀、断面積Aの棒を力Fで引っ張ったところ、長さがlになったとする。

このとき、

  

垂直ひずみといい、

  

引張応力という。

力の向きが図とは逆の場合は、圧縮。

この棒が弾性体の場合、応力が弾性範囲内にあるとき、「応力はひずみに比例する」というフックの法則が成り立つので、

  

という関係が成立し、この比例定数を縦弾性係数という。

 

zai-fig-003.pngまた、右図のように、面DC(紙面に垂直な方向の厚さを1とする)に力Fがかかり、ABCDABC'D'に変形したとする。

このとき、

  

せん断歪ひずみ(工学ひずみ)という。

θ(単位はラディアン)が微小なとき、

  

と近似できるので、せん断ひずみγ

  

また、面DCの面積をAとするとき、

  

をせん断応力といい、弾性範囲内ならば

  

が成立する。この比例定数G横弾性係数(せん断弾性係数、ずれ弾性係数)という。

 

 

zai-fig02.pngさて、右図のように、上の棒の横断面BB'に対しθの角度をなす断面BCでの力の釣り合いを考える。

BCに垂直な方向の力をNCBに平衡な力をTとすると、

  

という関係がある。

また、断面BB'の断面積はAだから、断面BCの断面積A'

  

しがたって、断面BCに垂直な応力をσBCに平行なな応力をτとすると、

  

ここで、

  

とおくと、

  

ということで、せん断応力τが最大になるθは、2θ=90°のときだから、

  

そして、一般に金属などの材料は、引張や圧縮には強いけれど、横方向の力(せん断力)には弱いものらしい。

したがって、上の棒のように引っ張っていても、斜め45°ちかくの方向にまず亀裂が発生し、そこから亀裂が走り、破壊するものらしい。

 

画像元:http://ms-laboratory.jp/strength/4_1/4_1.htm

 

それはそれとして、(8)、(9)式より、

  

sin²2θ+cos²2θ=1という関係があるから、

  

が成立する。

 

 


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第18回 応力テンソル [テンソル入門]

第18回 応力テンソル

 

ten18-fig01.png固体が外力を受け変形すると、固体の内部に外力に応じた力が発生する。この(単位面積)あたりの力を応力という。

固体内に一つの断面を考えるとき、圧力とは異なり、応力は断面の垂直方向に働くとは限らないので、断面の単位法線ベクトルnを定め、nの向かっている側から、単位面積当たりに作用する力をもって応力を定義する。

応力をTとすれば、固体内の点Pにおける微小面積ΔSにはTdSの力が作用する。しかし、ΔSの向きが変わると、一般的に、Tの向きも大きさも変わる。

図のように、点Pを原点とする直交座標をとり、nに垂直な3つの面によって囲まれる微小な四面体PABCの力の釣り合いを考える。

ABCの単位法線ベクトルをnとし、△ABCの面積をS、それに作用する力をTΔSとする。

PBCの面積をΔS₁とし、その法線ベクトルをeとしたとき、△PBCに作用する応力をT₁ΔS₁とすれば、eは四面体外部から内部に向かっているので、四面体の外部から作用する力は−T₁ΔS₁である。

同様に、△PCA、△PABの面積をそれぞれΔS₂ΔS₃と、その法線ベクトルをeeとしたときすれば、外部からこれらの面に作用する力は−TΔS₂、−TΔS₃となる。

ABCが平行移動して点Pに近づく極限を考えると、TPにおいてnに垂直な面に作用する応力とみなせる。同様に、TTTは、それぞれnnnに垂直な面に作用しているとみなすことができる。

よって、力の釣り合いは、

ΔS₁ΔS₂ΔS₃は、ΔSの各座標平面上の正射影であるから、nの成分をとすると、

したがって、

Tの成分をの成分をとすると、

すなわち、

nは点Pの任意の方向にとれるので、はテンソルの成分である。これを応力テンソルという。

 

ten18-fig02.png図のような微小な直方体を考える。その辺の長さをΔx¹Δx²Δx³とする。

軸まわりのモーメントを考えると、軸に垂直な2面に作用する力はそれぞれ

となり、釣り合っている。よって、まわりのモーメントを考えるとき、面に作用する力だけを考えればよい。したがって、まわりのモーメントの和は

同様に

が成立する。

よって、応力テンソルは対称テンソルである。

 

応力テンソルは対称テンソルだから、そのテンソル2次曲面を考えることができる。これを応力2次曲面といい、応力2次曲面の主軸を応力の主軸という。3つの主軸のそれぞれに垂直な面を主要面、3つの主軸の応力を主応力という。

nが応力テンソルの主方向に向かっているとき、(1)は

したがって、主軸に垂直な面には、応力は垂直に作用する。

 

 


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第17回 ひずみテンソル [テンソル入門]

第17回 ひずみテンソル

 

ten17-fig-001.png固体内の1点Pが外力を受けてP'に移動したとする。

とおき、点Pの座標をとすると、vの関数になる。

また、点Pの近くの点Qの座標をとし、外力を受けて点QQ'に移動したとする。

  

とすれば、

  

だから、点Pに対する点Qの相対的な変位は

  

となる。

vの成分をとし、2次の項を無視すると、

  

はテンソルの成分だから、とおくと、(1)式は

  

テンソル

  

と対称テンソル、交代テンソルを用いて

  

とすると、相対的変位は

  

となる。

は交代テンソルだから

  

とおくと、はベクトルの成分となり、これを成分とするベクトルをwとすれば、

  

よって、(2)式の右辺第1項は変位に伴う純粋な歪をあらわし、第2項はのまわりを回転する起きる変位と考えることができる。したがって、歪は対称テンソルで表されると考えられる。

これを行列で表わせば、

  ten17-001.png

である。

 

は対称テンソル。その主方向を歪の主方向といい、その成分を係数とするテンソル2次曲面

  

をひずみの2次曲面という。ひずみテンソルの主値をとし、座標軸の方向を主方向にとるとき、ひずみテンソルの成分は

  

になる。

 

また、ひずみを表すテンソルが対称テンソルであるとき、

  

であるから、このとき、

  

となるポテンシャルφが存在する。

このとき、ひずみテンソルの成分は、

  

となり、このφひずみポテンシャルという。

 

問 直交座標系O-xyzにおいて、ひずみポテンシャルφ

  

であるとき、O-xyzに関するひずみテンソルを求めよ。

【解】

  

したがって、ひずみテンソルは

  


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