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お前らに質問(6月25日の答) [お前らに質問]

お前らに質問(6月25日の答)

 

問題 f(x)=x³x=aa≧0)における微分係数f'(a)を次の(1)〜(4)で近似した場合の誤差を調べよ。

  

ただし、h>0とする。

【解答(?)】

  

また、f'(a)=3a²だから、

(1)式を使って計算した誤差は

  

 

(2)式を使って計算した誤差は

  

(3)、(4)式を使って計算した誤差は

  

よって、(2)式を使ってf'(a)を計算したものが誤差が最も小さく、(2)式の方が(3)と(4)式よりも2倍精度がいいにゃ。

(解答終)

 

というわけで、3次関数の場合、(3)または(4)式を使ってf'(a)=3a²を近似したときの誤差が、(2)式の誤差の2倍になるというのは偶然でないってわけ。

また、(2)式は(1)式よりも誤差が小さいけれど、

a>0h>0とすると、

(1)式の誤差は2ah+h²、(3)と(4)式の誤差は2h²だから、

  

0<h<3aのときのみ、誤差が小さくなる。

 

たとえば、

a=0.01h=0.1とすると、

  

だから、

(1)式の場合

  

(3)式の場合

  

と、(3)式を使ったものの方が誤差が大きくなっている。

 

(3)を使ってf'(a)の近似値を求めるとき、一般に、(3)の方が(1)よりも精度よく計算できますが、ah、さらに、関数f(x)の形によっては、(1)式の方が精度が良い場合があるので注意。

 

nanka-no-zu.png(3)、(4)式が使われるのは、差分法を用いた微分方程式の数値解法などの分野で使われるので、普通、この近似式を目にすることはないと思いますが、ただ、物理や工学の実験データなどの解析で、壁面などでのデータの勾配が欲しいときに使わわれることがあるかもしれない(右図参照)。

右の図のような場合、点Aにおける勾配を求めるには、(4)式を使うしかないにゃ。(ABを直線で結び、その勾配を求めると、実際の勾配よりも大きすぎる!!)

まぁ、最小2乗法などを使って、多項式の近似曲線を求め、それから、点Aにおける勾配を求めるという方法も考えられるけれど、右の図の場合、3点しかないから、多項式による近似式の次数は最大で2次式にしかならないケロよ。

しかも、(4)式は、2次関数の接線の傾き、勾配は正確に求められる。

だとしたら、(4)式を使うべきなんじゃないかい(^^)

数学の場合と違って、物理や工学の実験の場合、数式は与えられていない、しかも、観測できる点の数は限られており、観測されたデータには必ず測定に伴う誤差が含まれている

というわけで、(3)、(4)式には使い道があるんだケロよ。

 

a≧0という制限を取りはらい、さらに、h≠0とすると、

(1)式で近似した場合の誤差は、

  

(2)式の場合の誤差は

  

となるので、

  

すわわち、

  

のとき、(1)式で近似したf'(a)の誤差は(2)式のそれより小さくなる。

 

試しに、a=−0.01h=0.1とすると

f'(0.01)=3×0.01²=0.0003であるが、

  

となり、(1)式で近似した方が精度よく計算できるにゃ。

どちらの近似値も論外で信用に足りないけれど、こういう逆転現象が起きることもある。

 

 


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