お前らに質問(6月14日 ロピタルの定理)の解答 [お前らに質問]
お前らに質問(6月14日 ロピタルの定理)の解答
「大学入試でロピタルの定理を使うと減点される」など、様々な都市伝説が存在するロピタルの定理。
ロピタルの定理というのは、
aを実数または±∞とする。
または
ならば、
といったような感じの定理で、0/0や∞/∞の不定形の極限計算に使われる、それはそれはありがたい定理だ。
では、
お前らに質問。
次の答案は正しいか。
問題1 次の極限が存在すれば、その値を求めよ。
【答案】
x→0のとき、sinx→0、x²→0なので、これは0/0の不定形の極限。
よって、ロピタルの定理より
であるが、
よって、
は存在しない。
したがって、
は存在しない。
(答案終)
のグラフは右の図のようになるから、たしかに、なる極限は存在しない。
しかし、
ロピタルの定理とは、
aを実数または±∞とする。
または
で、かつ、極限
が存在するならば、極限も存在して
になるといったもの。
命題p,qを
とすると、
で、上の答案の主張は
ここで、記号¬は命題の否定を表す。
(2)と(3)は同値じゃないから、
という主張は成り立たない。
(2)と(3)が同値でないのは、
たとえば、
p:日本人である
q:日本語を話す
とすると、
日本人ならば日本語を話すだろうから、p⇒qという命題は(おそらく)正しい。
しかし、日本人以外でも、日本語を話すヒトがいるので、
「日本人でないならば、日本語を話さない」
つまり、¬p⇒¬qは成立しないことからわかる。
現に、ネムネコがその証拠だにゃ。ネムネコはヒトならぬネコマタ、つまり、ネコのバケモノなのに、日本語の読み書きができるではないか!!
まっ、ネムネコはヒトじゃないけれど・・・。
ということで、
問題1の答案は、まったく、ナンセンス、的外れなものだから、この答案に点数をつけるとすれば0点だね。
いくら心優しいネムネコであっても、この答案は部分点をつけてあげれるところがないので、0点以外の点数をつけることができないにゃ。
続いて、次の答案は正しいケロか。
問題2 次の極限が存在すれば、その値を求めよ。
【答案】
x→∞のとき、x+sinx→∞、x→∞。したがって、これは∞/∞の不定形の極限なので、ロピタルの定理より
となる。
ここで、
とおくと、n→∞のときx→∞
一方、
とおくと、n→∞のときx→∞
したがって、
極限
は存在しない。
ゆえに、極限
は存在しない。
(答案終)
x≠0のとき、
だから、
なんですね。
つまり、
が存在しなくてもという極限が存在することがある。
問題1の答案は、
は存在しないという結論があっていたのに0点だったのだから、問題2の答案は結論も間違っており当然0点。
問題2の答案は−20点くらいつけてあげてもいいね(^^)。
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