曲率、曲率半径、曲率円の話を少し・・・ [微分積分]
曲率、曲率半径、曲率円の話を少し・・・
y軸上の点(0,a)を中心にする半径rの円がある。すると、この円の方程式は次のようになる。
①の両辺をxで微分すると、
これを①に代入し、bを消去すると、
放物線y=x²が(x,x²)で円①と接するとすると、(x,x²)における円①の接線の傾きは
と等しくなければならない。
これを③式に代入すると
円の中心のy座標aは②式から
放物線上の点(1,1)で接するとすると、
④式にy=1を代入すると、
したがって、y軸上に中心があって放物線y=x²に接する円の方程式は
である。
嘘じゃないにゃ。
円⑤は、点(1,1)で本当にy=x²と接しているにゃ。
証拠の図だにゃ。
ただ、この問題の場合、
点P(1,1)におけるy=x²の接線の方程式は
求める円の中心をO'とすると、④はy=x²と円O'の共通接線なので、O'Pと接線④は直交する(円と接線の関係)。したがって、点(1,1)における法線の方程式は
円の中心はy軸上にあると仮定しているので、x=0を⑦に代入して得られるyの値3/2は円O'の中心のO'のy座標になる。
よって、O'の座標は(0,3/2)。
点O’(0,3/2)と点P(1,1)の距離rは
ゆえに、y=x²と点(1,1)で接する円の方程式は
である、
と解いたほうが楽かもしれない。
ネムネコは疑い深いので、y=x²に(2,4)で接する場合も計算してみるケロ。
③式にx=2を代入すると
④式にy=4を代入すると
したがって、
さらに念には念を入れて、
点(2,4)におけるy=x²の接線は
したがって、法線の方程式は
これにx=0を代入すると、
よって、y=x²に(2,4)で接する円の中心O'の座標は(0,9/2)。
したがって、半径rは
ゆえに、円の方程式は
となり一致する。
問題1 (x−a)²+(y−b)²=r²であるとき、
が成り立つことを示せ。
【解】
の両辺をxで微分すると、
②をさらにxで微分すると、
②と③から
これを①に代入すると
(解答終)
(1)を使えば、y=f(x)に接する円(この円を曲率円という)の(曲率)半径rを
と求めることができる。
普通、この曲率半径rの逆数(曲率κ)をとった形、すなわち、
で表すケロ。
となるので、
x=1のとき
x=1のとき、
だから、④式にこの値とx=1を代入すると、
⑤式に、y=1を代入すると
よって、曲率円の方程式は
となるにゃ。
念のために言って置くけれど、
点P(1,1)におけるy=x²の法線x+2y=3上の点を中心C(Pは除く)とし、CPを半径とする円ならば、すべてy=x²に点(1,1)で接するケロよ。無数にあるにゃ。
そして、接線はy=2x−1はCを無限の彼方にとったときに得られる、つまり、半径CP→∞の円(の極限)に違いないケロ。
ならば、直線の曲率は
のはずだ!!
曲線y=x²上の相異なる2点P、Qでそれぞれ点P、Qでの接線に垂直に引いた2直線の交点Rとする。点Qが点Pに限りなく近づくとき、点Rの近づく点Cの座標を求めよ。ただし、点Pのx座標pは0でないとする。
【解】
点P(p,p²)、点Q(q,q²)とすると、点P、Qにおけるy=x²の法線はそれぞれ次のようになる。
①−②
q→pのとき、
したがって、
よって、Qか限りなくPに近づくとき、①と②の交点RはC
に限りなく近づく。
(解答終)
p=1のとき、点Cは(−4,7/2)でy=x²の曲率円の中心になっており、点P(1,1)との距離rは
したがって、点P(1,1)におけるy=x²の曲率円は
この問題のように、曲率円の方程式を求めることができる。
交点Rを中心にする半径RPの円(点Pと点Pと異なる点Qにおけるy=x²の法線の交点Rを中心とする円で曲率円でないことに注意)を紫色で示している。この図を見ると、放物線の弧PQをよく近似できていることがわかるだろう。
(拡大図 )
なお、dy/dxが1に比べて十分に小さい時、曲率半径と曲率は次のように近似できる。
材料力学(?)や構造力学で梁(はり)のたわみの計算で使われる式だにゃ。
よく知らないけれど、
とかいう式だったような記憶が・・・。
Mは曲げモーモン、Eはヤング率(?)、Iは何とかモーメントだったような気が・・・。
この手の話は、ddt³さんが詳しい(構造計算のプロだから)ので、きっとこれに関する記事を投稿したくださるにゃ。
オイラー大先生の座屈の話をしてくださったので、たぶん、してくれるケロ。
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