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今日のクラシック、ヨーゼフ・ラインベルガー作曲 交響曲第2番ヘ長調『Florentine』 [今日のクラシック]

今日のクラシックは、ヨーゼフ・ラインベルガー作曲 交響曲第2番ヘ長調『Florentine』(フィレンツェ交響曲)です。


以前、このブログで紹介したドホナーニの交響曲のあとに、YouTubeでこの曲が自動再生され、この曲、作曲家の存在を初めて知った。ヨーゼフ・ラインベルガー(1839〜1901年)なので、時代的には後期ロマン派に属することになるのだけれど、この曲は、ハイドン・モーツァルト・ベートヴェンなどの古典楽派的な明快性――単純という意味ではない――をもった曲で、「メロディーも美しいし、なかなかいい感じの曲じゃないか」と、結構、感心した曲であった。そこはかとなく、メンデルスゾーンの交響曲を彷彿させる曲だ。

後期ロマン派の交響曲の代表的な作曲家の一人であるブルックナーが1824〜1896年だから、この曲がいかにオールド・ファッションの曲か理解してもらえるのではないか。
ブルックナーとラインベルガーは、大学の音楽教師であり、オルガニストでもあったなど、経歴の共通性はあるのだが・・・。


ブラームスが1833〜1897年で、俗に、新古典主義と呼ばれる、ブラームスの交響曲と比較しても、やはり時代遅れの感が拭えない。


ということで、フィレンツェ交響曲は、耳ざわりはいいんだけれど、曲が淡々と流れるように進むので、楽章を重ねるに連れ、次第に飽きだし、3楽章が終わった頃には、すっかり飽きてしまった。プロの作曲家ならではの工夫は見られると思うんだけれど――ラインベルガーは対位法の先生であり、対位法の大家であったはず(^^ゞ――、すべて常識の範囲に収まっていて、曲の進行があらかじめ読めてしまい、意外性、変化を感じられないんだもの。しかも1時間近い大曲だからね〜、これが30分くらいでコンパクトにまとまっていたら、違った印象になったのかもしれないけれど(^^ゞ
ただ、心に何も残らないから、注意が曲に向かないから、そのため、曲を流していても作業の邪魔にまったくならないので、作業用のBGMには最適な曲かもしれない。

この作曲家が生きている時は、かなり高く評価された作曲家だったようですが――ひたすら曲が肥大化し、複雑化していった同時代の曲へのアンチテーゼ的な、反動的な人気(・・?――、時代とともに人々の記憶から忘れされるのは当然の運命であったのかもしれない。

なのですが、この作曲家のお弟子さん(孫弟子らしい)の一人が、20世紀を代表する指揮者の一人であるフルトヴェングラー!!
そして、フルトヴェングラーも長大な交響曲を幾つか作曲しているのであった。


フルトヴェングラーの交響曲第2番の方が後期ロマン派的な響きはしますが、後期ロマン派ならではの緊密で濃密な書法には程遠く、作曲家としてのフルトヴェングラーの限界を感じてしまう曲のようです。
目新しければいい、斬新であればいいというものではないけれど、ラインベルガーもフルトヴェングラーの交響曲も「この作曲家ならでは」という個性が乏しいんだケロよ!!そして、何より、人の心を打つ、人の心に直接話しかけてくる、直接、訴えかけてくる部分が欠落しているんだにゃ。もっとも、そのような箇所がまったくないわけではない。ところどころ、そういう箇所があるのは事実だ。しかし、曲の冗漫さの中でその印象は希薄化し、埋没してしまう。そして、心に残るのは、ただ、長くて冗漫な曲だったという印象だけだ。
フルトヴェングラーは、指揮者としてではなく、作曲家として成功し、作曲家として後世に名を残したかったようですが・・・。そして、お師匠さんのラインベルガーは、作曲家としてではなく、偉大な音楽教師として後世に名を残すことになったのであった。

ヨーゼフ・ラインベルガー
https://goo.gl/DL3CTY

お弟子さんの一人:フンパーティンク作曲 歌劇『ヘンゼルとグレーテル』序曲


お弟子さんの一人:ヴォルフ・フェラーリ作曲 歌劇『マドンナの宝石』間奏曲



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そんなことも知らなかったネムネコ!! [ひとこと言わねば]

ねこ騙し数学の数学の記事のほとんど全ては、マイクロソフトの犬を自任しているddt³さんとは異なり、OracleのLibreOfficeのWriterというワープロソフトで作成されている。
そして、記事中の数式は、LibreOfficeのMathという数式エディターを使って作っている。

毎日、Mathなる数式エディターを使っているにも関わらず、ネムネコは、どのようにしたら、Mathでギリシア文字を表示できるのかを知らなかった。
Tex(てふ)だと、ギリシア文字のαを表示させたいとき、$alphaと入力するので、Mathも同じだろうと思い$alphaとしてもギリシア文字は表示されなかったので、Mathではギリシア文字は表示する独自コマンドはないものと思い、日本語入力ソフトを使ってギリシア文字を表示させていた。
――ギリシア文字を入力するたびに、日本語変換ソフトを起動させ、入力が終わったら、それを終了させるという作業はなんとも煩わしく、気の短いネムネコは、すぐに「うっぜぇ〜」と爆発してしまう!! だから、式中で、ギリシア文字の使用をできるだけ控え続けてきた。――
とはいえ、さすがに、これに耐えかね、「方法がないはずがない」と思い、1週間ほど前、ネットで調べてみたら その方法が出ていた。$alphaじゃなくて、%alphaとすると、αが出てくるんだケロ。
――ddt³さんも、ネムネコと同じく、ギリシア文字は日本語変換ソフトを使って表示させているようだが・・・――



Mathでは、



といった感じでギリシア文字が出てくる。

大文字は



と入力すればいいんだケロ。

このブログを始めて3年が経過するので、3年間、Mathという数式エディターを使っていながら、こんな初歩的なことも知らなかった。恥ずかしい限りである。


しかし、これは、ネムネコが不勉強で知らなかったというよりは、数式エディターの使い方にギリシア文字の表示法の説明がなかったことに起因しているケロ。だから、ネムネコが悪いわけじゃないにゃ。悪いのは、これを開発したSunMicroであり、SunMicroを買収したOracleと言わざるを得ない。
――SunMicroがOracleに買収されたって話を聞いたときは目が点になった。だって、SunMicroってコンピュータ言語のJavaを作った会社で、SunMicroはJavaで左うちわの暮らしをしていると思っていたからね〜。身売りをするほど経営状態が悪かったなんて、誰が予想できようか!!――

ところで、マイクロソフトの表計算ソフト「エクセル」が出現する以前、表計算ソフトの定番ソフトで、一世風靡した「Lotus-1-2-3」を知っている、あるいは、過去に使った経験があるヒトは、このブログの訪問者の中に、いるだろうか。
https://ja.wikipedia.org/wiki/Lotus_1-2-3
そう言えば、そんなソフトがかつてあったな。いま、どうなっているんだろうと、1ヶ月ほど前に思い出した。
ネムネコが初めて買ったWindowsPCに、何故か、マイクロソフトのオフィースとロータスのオフィースが同封されていた。
好奇心から、PCにインストールして使ってみたことがあるが、あまりの使いにくさに、すぐにアンインストールした(^^ゞ


Lotus-1-2-3の開発元であるロータスもIBMに買収され、その後、この表計算ソフトともども消滅してしまった。
コンピュータ、コンピュータソフト(の会社)の栄枯盛衰は本当に激しいケロね〜。
と思うのと同時に、かつてワープロ定番ソフトであった「一太郎」――ネムネコが学生の頃、ネコも杓子も一太郎という状況で、大学院生のネムネコがいた研究室では違法コピーの一太郎が堂々と使われていた!!――ならびにその開発元である「ジャストシステム」が未だに生き残れていることに驚くネムネコであった。



こんなCMじゃ〜、マイクロソフトのワードに勝てないにゃ。


ネムネコは使ったことがないけれど、「松」というワープロソフトもかつて存在していたな〜。テキストエディターのMIFESは未だに生き残っているようだが・・・。
ネムネコは、Windowsユーザーではなく、ペンギンOSを使っているから、プログラムを作るときは、Geanyというエディターソフトを使っているんだけどね〜。



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今日のアニソン、「キルミーベイベー」から『ふたりのきもちのほんとのひみつ』 [今日のアニソン]

今日のアニソンは、アニメ「キルミーベイベー」から『ふたりのきもちのほんとのひみつ』です。


野暮用があり、ブログを一週間ほどおやすみすることになったにゃ(^^ゞ
たまには、こんなこともあるにゃ。


そして、この曲で(寝)逃げするネムネコであった♪


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[線形代数ってなにさ?_7] [線形代数の基礎]

[線形代数ってなにさ?_7

 

7.固有ベクトル基底

 基底変換するのは、最も便利な座標系に移りたいからでした。その中でもとりわけ汎用性があり、実用的にも最も有用なのが、固有ベクトル基底への変換です。

 

[定義-15

 Aをn次元ベクトル空間V上の線形変換として、Axλxを満たすスカラーλ0でないx∈Vを、線形変換Aの固有値、および固有値λに属する固有ベクトルと言う。

 

 最初に線形変換Aを数ベクトルに作用する行列として状況説明します。行列式も行列演算も連立一次方程式の整備も全部すっ飛ばしてやってるので申し訳ないですが、固有値と固有ベクトルの計算は以下のようになります。Axλxを移項するとEを単位行列として、

  

になりますが、上記がx0以外の解を持つ条件は、

  

です。行列式の計算法を読むとAがn×n行列の場合、det(A-λ)λn次多項式になるのがわかります。

  

 上式の右辺を行列Aの特性多項式といい、φ(λ)で表す事が多いです。従って固有値λn次方程式、

  

を解く事で得られます。一般にはλは複素数です。固有ベクトルは得られたλ(1)に代入して、実際に(1)を解けば得られます。原理的にはですが(非常に悪効率)。実用的には(数値計算では)効率を重視して反復解法を用います。

 

 次の事実はけっこう簡単に証明できます。

 

  ・異なる固有値に属する固有ベクトルは独立である。

 

 λn次方程式(2)の解です。よってλにはn個の値λλ1λ2,・・・,λnがある事になり、λ1λnが全部異なれば、互いに独立な固有ベクトル{x1x2,・・・,xn}を得ます。Vの次元はnだったので、これは基底です。

 線形変換の定義に戻って、固有ベクトル基底{x1x2,・・・,xn}に関する線形変換の挙動を調べてみます。行列Aに対応する線形変換をfとします。という事は{x1x2,・・・,xn}は数ベクトルとは限りません。

  

ですよね?。diagは対角行列です。だって(1)に対応したf(x)λxが成り立つ{x1x2,・・・,xn}なんですから!。

 

  ・固有ベクトル基底に移ると表現行列は対角行列です(^^)

 

 そうすると線形変換fによる任意のベクトルxの変換は、

で済んじゃいますから、ほとんど計算する必要も考える必要もなくなります。これが固有ベクトル基底が好まれる理由です。

 

 具体的に固有ベクトル基底に移る手順は以下です。前回の基底変換の表現ベクトルの変換を思い出します。

  

 Sは基底変換行列。j)fの行列表現が(対角でない)Aとなる現在の基底(vj)での表現ベクトル,変換後の基底(xj)での表現ベクトルがj)です。いま(5)は、どれかの固有ベクトルxjの表現ベクトルだとします。(5)の右辺は基底(xj)での表現ベクトルなので、xjの表現は当然、

  

 

と第j成分だけが1の自然基底の単位ベクトルになります。左辺の添え字jは、j番目の固有ベクトルの表現という意味です。左辺はどのように決まるでしょう?。

  

から、

  

なので、移項して転置して(vj)の独立性を使えばいつものように、

  

が得られます。λjrjij)は、普通に数ベクトル空間に作用する行列Aの固有値と固有ベクトルである事がわかります。j1nrjejを全部集めて、(6)を横に並べた姿を想像すると、

ですよね?(^^)。つまり固有ベクトル基底への基底変換行列Sは、普通に計算した固有ベクトルを縦ベクトルとして横に並べて作った行列なのです。Sをそうやって作った基底変換行列だとすると、前回の相似変換により、

  

と変換できます!。

 基底の選択により姿は変われども、表現行列を与えればとにかく線形変換は決まるので、けっきょくは表現行列が線形変換の全ての情報を握っていたという、考えてみれば当然の話でした(^^;)

 

 固有ベクトル基底に関する概念上の含みはこうです。前回とある基底に関する線形変換fの表現行列をAとした時、fの実体とは、Sを任意の正則行列としてS-1AS全体であると言いました。今回Aとして対角行列Dを選択するのが可能なのがわかりました。Dで表現されたfの作用は自明です。またDをfの特徴付けに選ぶ事も可能です。S-1DSとDは、任意の正則行列Sによって互いに移るからです。従ってDさえわかれば、線形変換fの全てを、原理上は知ったと言える事になります。

 

 さぁ~もうやる事は決まりました!。

 

 ネコ先生の記事を読んで(^^)

 

任意の行列Aの固有値と固有ベクトルをバリバリ計算し、どんなAだってカッチョ良く扱うだけです!(^^)

 

 ところがその前に、しなければならない事があります。以上の話は全て、固有値λλ1λ2,・・・,λnが全部異なれば、という制約付きでした(^^;)。特性多項式(2)は一般に、

と因数分解されるので、重根を持ちます。k1k2+・・・+kmnですが、重根があった場合もはたして独立なn本の固有ベクトルは存在するのか?、という問題があります。結論から言うと、固有ベクトル基底が存在しないケースもありますが、ほぼ望み通りのものが手に入ります(^^)

 

(執筆:ddt³さん)

 


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