どうよ、今日のオレ、格好良くなかった? [ひとこと言わねば]
どうよ、格好良くなかった?
⑨×⑨×⑨=⑨³
の意味じゃないケロよ。これは集合論に出てくる、集合Aのすべての部分集合を要素に持つAの冪(べき)集合 (の濃度)を越える⑨の極み、絶対領域をあらわす記号だケロよ。したがって、本来、記号的にはとすべきなのだろうけれど、これでは画像ファイルする必要があること、さらに、「サンキュー」意味に取られかねないので、⑨³で代用しているにゃ。だから、お前らが何人集まっても⑨の極みというべきネムネコの⑨ぶりには遠く及ばないニャ。比較すること自体、無謀というものだと思うにゃ。
この境地に達して、初めてその裾野にたどつけるという、この頂にたどりまでの道のりは長く険しいものだにゃ(^^)
考えるネムネコ3かな ネムネコ、かく解けり!! [微分積分]
問題:a^2+2x・a+y=0でaが任意の実数を動く時、(x,y)の範囲を図示せよ。
【略解】
a²+2xa+y=0をaの2次方程式と考える。
aは実数でなければならないので、判別式Dより
(略解終)
オレは、こんな解答を思いつかないケロ。
そして、オレは、たぶん、こう解くんじゃ〜ねぇ。
【ネムネコの略解】
(ネムネコの略解終)
ネムネコは、この問題を見て、aの2次方程式の判別式なんて解法は思いつきもしない。
そして、略解を見て、「なるほどね〜。そういう解き方もあるんですね〜」と感心した素振りを見せつつ、内心、『こんな解き方は自然じゃ〜ねぇよ。あなたは、本当に、骨の髄まで受験数学に侵食されていますね』と、鼻でせせら笑う。
こんな問題は実数²≧0であることを知っていればすぐに片が付くと、この問題の略解を一蹴する。判別式など出る幕はまったくない。だって、この変形(平方完成)こそが2次方程式、その判別式などの最も根源的な変形なんだから。
しかも、オレの略解ならば、いまのところ、その数学的な意味は不明ながら、x=−aといったオマケまでついてくるではないか。
あるいは、
【ネムネコの略解1】
aが(x,y)の変化によってどのように変化するか調べるために、まず、a²+2xa+y=0をaについて解く。
aは実数でなければならないから、根号(ルート)の中は
でなければならない。
――この問題は、必要条件を求めよという問なので、ここでやめてよい!!――
な〜んだ、これは、2次方程式の判別式じゃ〜ないか。
そして、心の中で、
「高校生や受験生を惑わす、こんな問題を出すんじゃねぇよ。これで数学嫌いがまた増えたじゃないか。これはお前らのせいだから、しっかり、責任を取れよな!!」
と憤りをあらわにする。
(ネムネコの略解1終)
略解1が一番自然なんじゃ〜ないですかね。
こう解けば、なぜ、2次方程式の判別式が出てくるのか、自然とわかる。
さらに、x²−y≧0だから、
とし、①に代入すると、
曲線
上でxを動かせば、y≦x²のとき、かならず、−∞<a<∞となることがわかり、aが任意の実数という条件を満たしていることが示せます。
【ネムネコの略解2】
出題者は、この曲線群の包絡線を求めよってんだよな(^^)。
②の両辺をaで偏微分すると、
これを②に代入し、aを消去すると
包絡線、きたぁ〜!!
包絡線は高校数学の範囲外だにゃ。
出題者は、どうやら、包絡線が高校数学の範囲外であることを知らないらしい・・・。
だから、こんな問題を出してはダメだにゃ(^^ゞ
「aの2次方程式、a²+2ax+y=0が実根(実数解)をもつ条件を求め、この条件を満たす(x,y)を図示しなさい」
とすべきだ。
そして、
「重根(重解)をもつとき、この条件を満たす(x,y)から与えられる曲線は、aの値にかかわらず、直線y=−2ax-a²に接することを示しなさい」
という問題にすべきだにゃ。
したがって、重根を持つときy=x²。
y=−2ax−a²とy=x²の共有点を求めるために、この2つの式からyを消去すると、
x=−aのとき、
したがって、
aの値にかかわらず、つまり、任意の実数aに対して、
点(−a,a²)はy=−2ax−a²とy=x²上にあり、しかも、共有点は(−a,a²)のみなので、y=−2ax−a²は(−a,a²)におけるy=x²の接線。
よって、証明された。
(略解2終了)
受験数学だから何もかもきっちりやれとは言いませんが、実数条件だけでaが任意の実数を動くという事実は、そんなに当然の事なんだろうか?。当然の事とは思わず「わかりにくいけど、こういう状況なんだよねぇ~」と言う奴が、一人くらいいてもいいんじゃないか?。
この問題の背景には曲線群
とその包絡線が潜んでいますから、そんなに当然のことじゃ〜ないでしょう。
むしろ、直観的にイメージしにくくて当たり前。だって、(1)で与えられた曲線群が通過することのできるすべての領域を、すぐに、イメージできますか。
だから、
問題の略解を読んでわかった気になれる、この解答に一抹の気持ち悪さを感じないとしたら、このことのほうがはるかに空恐ろしいように、私は思いますがね〜。
私なんか、気持ち悪くてしょうがない。
このグラフのうすい水色でしめされているy>x²の部分を曲線群(1)は通れないんですよ。そして、y=x²は曲線群(1)の通過可能な領域の限界、境界になるんですね。
受験のとき、定期テストの時、こんなことはできませんが、a=0、a=±1、a=±2、・・・と変えて、(1)の直線を書いてみる。Basicなどのプログラミングができるヒトは、aの値を変化させて、(1)をコンピュータに描かせてみる。すると、(1)が通過できない境界がある曲線上(y=x²)に存在することがわかる。そして、(1)がその曲線の接線になっていることがわかる。
この曲線をy=g(x)とし、接点のx座標をxとすれば、
(2)から
これを(3)に代入すれば、
すこし、格好が悪いので、
とおくと、(4)
この微分方程式は何だ?
クレーロー形の常微分方程式じゃないですか。
そこで、(5)をxで微分すると、
ここで、p'=0という解を捨てると(^^ゞ、
a=0のとき、直線y=−2ax+a²は原点(0,0)を通るので、このことより、c=0となるであろう。
したがって、この曲線の正体は、
だ!!
つまり、この曲線y=x²((1)の包絡線)はクレーロー形の微分方程式の特異解になるんだということまで気づく高校生がいるかもしれない(^^ゞ
へっ、へっ、へっ、へっ!!
ロピタルの定理の誤用の例 [微分積分]
ロピタルの定理の誤用の例
ddt³さんがロピタルの定理を使わずに極限を求めたところ、先生に「ロピタルの定理を使え!!」と叱られたことがあるそうだ。
私がその先生だったら、「なるほど、こういう求め方もあるんですね」と褒めたあと、「でも、この方法は万人向けではないので、次からはロピタルの定理を使いましょうね」と優しく微笑みかけたに違い(^^)
嘘です。
「俺の目の前でロピタルの定理を使うような太え野郎は、タコ殴りだ」です。ボコボコにしたあと、簀巻きにして川に流しちゃいます。
ということで、何故、タコ殴りにしたあと、簀巻きにして川に流すのか、その理由ついて、これから説明します。
問1 次の極限を求めよ。
【うっかり君の解答(?)】
ロピタルの定理より、
(解答終)
答えは
だから、答えだけは正しいです。
このとき、うっかり君は、この新たな発見により、「な〜んだ、ロピタルの定理は、0/0や∞/∞などの不定形の極限以外でも成り立つんじゃないか」と思うに違いありません。
そして、次の問題も同様に解くことは必定です。。
問2 次の極限を求めよ。
【うっかり君の解答(?)】
ロピタルの定理より、
(解答終)
正解は、
ロピタルの定理
関数f(x)、g(x)は点aを除いた点aの近傍で微分可能、かつ、g'(a)≠0とする。
f(a)=g(b)=0で、
が存在するとき、
である。
うっかり君の解答(?)のどこがいけなかったのかというと、問題1、問題2ともに、ロピタルの定理が成立するためのf(0)=g(0)=0という条件を満たしていないにもかかわらず、この問題にロピタルの定理を用いたことです。
そして、問1は、たまたま、答えが一致しただけのことです。
問3 次の極限を求めよ。
【お叱りを受ける解答】
(1) ロピタルの定理より
(2) ロピタルの定理より
(解答終)
このように解くと、「問3の(1)、(2)の極限は高校で基本公式として出ているので、こんな問題にロピタルの定理を使うな」と、叱る先生がいます。
しかし、このような問題を出す方も出す方だと思ういます。
五十歩百歩、目くそ鼻くそです。
とはいえ、次のような問題ならば、大目に見ることにします。何故ならば、私はとても寛大で優しいからです。
問3 ロピタルの定理を使って求めた極限値が
に一致することを確かめよ。
問4 次の極限値は存在するか。存在するならば、その値を求めよ。
【うっかり君の解答(?)】
sinxとx²は微分可能で、かつ、x=0のとき、sinx=x²=0。
ロピタルの定理より、
さらに、ロピタルの定理より
したがって、
(解答終)
うっかり君も少しは進化しているようですが、
は、x=0のとき、cos2x=1、2x=0なので、ロピタルの定理は使えません。
【おじゃま虫氏の問4の名(迷)解説】
したがって、は存在しない。
よって、ロピタルの定理より、
は存在しない。
(名(迷)解説終)
おじゃま虫氏もどうやらロピタルの定理を誤って理解しているようです。
何故ならば、
ロピタルの定理は、
であると主張しているのであって、
が存在しなければは存在しない、と言っているのではないからです。
P、Qを命題とするとき、「P⇒Q」とその裏「¬P⇒¬Q」の真偽は必ずしも一致しない。
P:直角二等辺三角形である
Q:二等辺三角形である
とする。
「直角二等辺三角形ならば二等辺三角形である」は正しいが、「直角二等辺三角形でないならば二等辺三角形でない」は一般に成立しない。何故ならば、正三角形は直角二等辺三角形でないが、二等辺三角形!!
P⇒Qの逆はQ⇒P。このQ⇒Pの対偶は¬P⇒¬Qなので、Q⇒Pと¬P⇒¬Qの真偽は一致する。そして、「逆は必ずしも真ならず」だから、「裏も必ずしも真ならず」というわけなのさ。
どうやら、おじゃま虫氏は、ロピタルの定理以前に、こういうことも知らなかったようです。
しかし、これはあくまで一般論です。
ひょっとしたら、おじゃま虫氏の主張は正しいかもしれないです。
ですから、
おじゃま虫氏の主張の反例として、
とするとき、
であることを挙げておきましょう。
g(x)=xとすると、f(x)、g(x)は微分可能でかつf(0)=g(0)=0。
x≠0のとき、
であるが、は存在しないので、極限値⑨は存在しない。
おじゃま虫氏の主張が正しければ、は存在しないことになりますが、
ところがどっこい、
x≠0のとき、
と、この極限は存在するのさ。
へっ、へっ、へっ、へっ。
ロピタルの定理についてたいして知りもしない癖に、ロピタルの定理なんて使うから痛い目にあうのです。
生兵法は大怪我のもとです。
ですから、大怪我を負う前に、ロピタルの定理は簀巻きにして川に流しちゃいましょう。