ねこさん。《次元》って 何なんですか? [数学基礎]
「ねこさん。《次元》って 何なんですか?」
正確な定義ではないですが、
空間の点を表すのに必要である、最小の、1次独立なベクトルの個数
が、空間の《次元》です。
たとえば、xy平面上の任意の点Pの座標を(x,y)、その位置ベクトルをとします。
基底ベクトルは互いに1次独立であり、xy平面上のすべての点は、
との1次関数(線形写像)で表せるので、xy平面という空間は2次元ということになります。
同様に、3次元空間のすべての点P(x,y,z)は、1次独立なを用いて
と表せるので3次元。
4次元空間のすべての点P(x₁,x₂,x₃,x₄)は、
を用いて、
と表すことができる。
ですから、
空間のすべての点が、互いに1次独立なベクトル
を用いて、
と表すことができるとき、その空間はn次元である
ということができます。
といことで、
空間のすべての点を表すのに必要な、互いに1次独立であるベクトルの最小の個数がその空間の次元です。
うるさいことを言わなければ、
ある空間のすべての点を表すのに必要最小限の座標軸の数といってもいいんでしょう。
ただし、2次元平面上や、3次元空間上にある直線は1次元(の図形)ですよ。
直線上の適当な一点を原点Oに選び、右の図のように大きさ1の基底(基本)ベクトルを定めれば、直線上のすべての点Pは、線分OPの長さx(+、−の符号付きの長さ)と、このを用いて
と表わせますので。
(数学的な)空間には特別な座標軸なんてものはありませんので、どこを原点にとり、どの方向に座標軸を設定するかは決まっていません。まさに、座標系の設定は、任意(そのヒトの意思に任せる)、恣意的なものなんです。
ですから、座標系の設定の仕方によって、空間の次元の数が、2や3といった具合に、1つに定まらないので、この恣意性をなくすために、1次独立、最小の個数という枕詞が必要になります。
ということで、この例のように、数学でいう次元と我々が日常感覚的にとらえる次元とが食い違う場合があります。
この例は直線ですけれど、我々が普通2次元図形と考えている平面上の円も1次元の図形と考えることができます。
だって、円の中心を原点にとれば、半径aの円周上の点はすべて、半径a(定数)と角度θだけで与えられますから。
座標軸は直線でなければならないなんて決まりすら数学にはないんです。例として、極座標などの曲線座標系。
というか、数学の直線は無定義語ですから、直線がウネウネと曲がっていても実は構わないんです(笑)。
どれを直線と呼ぶかは自由。この意味において「数学は自由」です(^^ゞ
まぁ、こっちの方向に進むと非ユークリッド幾何学になり、そして、その先にアインシュタインの一般相対性理論ということになりますが・・・。
特に、こうしたことが問題になるのは物理学の力学でいう運動の自由度でしょう。上で述べた理由から、2次元平面における直線運動や円運動などの自由度は1になります。円運動の場合、半径が一定と運動の条件が制限されているので、運動の自由度は2−1=1になってしまう。
こうした運動の制限を、物理、力学では、束縛条件とか呼ぶんじゃなかったかな。
文学、哲学的にこれを言うと、本来、2次元平面上を自由に運動することができるのに、「お前は直線の上にいろ。円周の上にいろ」という制限、強制が加わり、本来の自由が制限されている状態にある、と表現することもできるのでしょう。
そして、哲学的には、空間の《次元》よりは、こうした(運動の)自由度の方が示唆に富んでいるのではないでしょうか。
物理空間がホニャララ次元であるなんて、認識論の一部を除けば、哲学的には瑣末な話でしょう。自由と制限といった自己と他者との関係の方が重要だと思います。
そして、これらは、《次元》よりも関数や関係を支配する諸《変数》(の個数)といった観点からとらえたほうが筋がよいに違いありません。
――力学でいう運動の自由度、束縛条件などの話は、ddt³さんにお任せします(^^ゞ――
脱線しましたが、
プリミティブな空間の次元の概念自体はそれほど難しいものではないと思います。
難しいのは、空間の次元(の定義)ではなく、3次元を越える4次元、5次元、・・・n次元という空間ならびに3次元以上の図形をアタマなの中にイメージするなのでしょう。
そして、私が考えるに、
地球上に住む生きとし生ける物は、すべて、3次元空間、3次元空間の図形を正確にイメージすることができない!!
左右2つの目それぞれから得られる2つの「2次元の絵」をもとに、脳は擬似的な3次元空間を作ります。脳が作るのは、あくまで擬似的な3次元空間(2次元のモニター画面に描かれる3次元のコンピュータグラフィックスのようなもの、あるいは、ホログラムのようなもの)であって、3次元空間そのものではないですから。
まして、4次元空間、4次元の図形を正確に思い浮かべるなんて絶対にできない。
少なくともヒトは、こうしたことがうまくできないから、上のように、幾何・図形を代数に落とし込み、計算に持ち込みます。こうすれば、誰でも機械的に計算できますから。
座標というアイデアを使って、幾何の問題を代数の問題、計算の問題に変えたのが、デカルトです。
「翔鶴40ノット伝説」は本当か? [ひとこと言わねば]
翔鶴運用長であった福地周夫氏(当時少佐)は「空母翔鶴海戦記」にて30ノットと記載、軍医官・渡辺直寛中尉も最大戦速34.5ノットと記載している。しかし潮機関長は「空母に駆逐艦が置いて行かれてどうする!」という艦長の叱責に対し「釜が爆発寸前の全速(つまり少なくとも38ノット以上を出していた)」と言い返し、さらに炎上する翔鶴が悠々追い抜いて行ったと証言している。
https://goo.gl/nx8Usr
このとき、本当に40ノット出ていたかはともかく、その彼女・翔鶴が、艦載機をほとんど積んでいない、火災や誘爆のおそれのある、燃えやすい航空燃料、爆弾や魚雷を投棄した身軽なボディーで、「沈められるよりはマシ」とばかりに――非常事態であり、エンジンの一つ、二つくらいぶっ壊れても構わない。もう既にいろいろなところが傷んでいる。後先のことを考えない過負荷全速力ならば設計速度より2〜3ノットの速度の上積みが望め、37ノットくらいは出せたはず(^^ゞ――懸命に逃げるのだから、フル武装した、ヘビーな状態の駆逐艦「潮」がなかなか追いつけなかったという「潮」機関長の証言をあながち嘘とは言えない。武装したトップヘビーな状態であまり無茶すると復原力の弱い駆逐艦は転覆のおそれもあるし、駆逐艦のエンジンと空母などの大型艦に搭載されているエンジンとではモノが違う――空母、戦艦などの大型艦のエンジンは壊れたからすぐに取り替えるということができないので、無茶をしても少々のことでは壊れないように設計されている(はず)。特に、正規空母の長期修理は戦局をのものを大きく左右する――のだから。
「けものフレンズ」でトップスピード最速はチーターだけれど、チーターは最高速(約120km/h)を長時間維持できない。このため、トップスピードではチーターに劣るけれれど、トムソンガゼル(約90km/h)さんはチーターさんよりも、長時間、最高速度での走行が可能なので、チーターさんから逃げ切ることができるにゃ。つまり、トップスピードだけじゃなく、(エンジンの)耐久性、持続力なども考えないとダメってこと。
「日本の護衛艦だって(最高速度)35ノットくらい出るだろう」と、ネムネコが言い返したところ、「そんな速度で(長時間)走り続けたら、エンジンがすぐにぶっ壊れてしまう。護衛艦では(速度で)米空母に勝てないよ」と一笑に付されてしまった。
ラゲールの微分方程式と多項式 [微分方程式の解法]
ラゲールの微分方程式と多項式
yについての2階線形微分方程式
をラゲール(Laguerre)の微分方程式という。
ラゲールの微分方程式
の1つの解は、次のn次多項式
である。これをラゲールの多項式という。
問題 次のことを示せ。
(1) はn次の多項式である。
(2) はラゲールの微分方程式
の解である。
【証明】
(1) ライプニッツの公式より
(2) とおくと、
この両辺をn+1回微分すると、
また、だから
これを代入すると、
(証明終)
ラゲールの多項式については、次の関係が成り立つ。
【証明】
(1)
また、
これを代入すると、
(2)
にライプニッツの公式を用いると、
これを代入すると、
(3) を微分すると、
n/xをかけると
(証明終)
ライプニッツの公式
関数f、gがn回微分可能ならば
【考えるネムネコ】 一航戦、ニ航戦って本当に凄かったケロか [ひとこと言わねば]
翔鶴(五航戦)の艦爆隊と飛龍・蒼龍(二航戦)を比較した場合、翔鶴13/18≒0.72に対し二航戦の飛龍・蒼龍は24/36≒0.67で五航戦の翔鶴の方が二航戦の蒼龍艦爆隊よりも命中率はすこし高い。
赤城と飛龍・蒼龍と翔鶴・瑞鶴の鶴姉妹を比較した場合、40/53≒0.75に対し26/32≒0.81で、翔鶴・瑞鶴の鶴姉妹の方が命中率が少し高い。だから、ゲーム「艦これ」ファンや一部のミリオタが言うほど、鶴姉妹の五航戦のパイロットの技量は一航戦や二航戦のパイロットの技量より劣っていなかったんじゃないか。
ただし、これはこの数字が正しければの話だにゃ。ネムネコは、この命中数がかなり水増しされているように思えてならないにゃ。
この海戦で沈んだイギリスの空母ハーミーズは、たかだか、1万トンクラスの小型空母。この小型空母を沈めるのに要した250kg爆弾の数は何と37発。ネムネコは、軍事の専門家・研究者でもなければ、戦史研究者でもないのでわからないけれど、1万トンクラスの空母を沈めるのに、37発もの250kg爆弾が必要だったのだろうか。命中弾37発という数は大幅に水増しされているんじゃ〜ないだろうか。
翔鶴、瑞鶴の2隻から、九九式艦上爆撃機27機、零式艦上戦闘機10機の攻撃隊が米艦隊に接近していた。
(中略)
17時12分から、第16任務群は対空射撃を開始。17時14分に第3エレベーター右舷側前方に250キロ爆弾を被弾。これは徹甲弾でエレベーターの縦穴を12メートル通り抜けた後、兵員居住区まで貫通して炸裂。右舷後部喫水船下に破孔ができ、浸水が発生した。数秒後に1発目の後方5メートル以内に2発目を被弾。これは触発信管で飛行甲板上で炸裂。右舷後部(第3グループ)ガンギャラリーを爆発が襲い、多数の兵員が殺傷し備砲の4分の1が壊滅。飛行甲板にも大きな損傷が発生した。15分に第2エレベーター右舷側後方に3発目を被弾した。これも触発信管であったが、幸運にも不良爆弾だったようで、爆発の威力は低く弾殻はいくつかの大きな破片に別れた。それでも飛行甲板には3メートルの穴が空いた。更に左舷艦尾に至近弾を被弾した。至近弾の衝撃で後部にいたものは60cm~90cm体が持ち上げられた。船殻がへこみ、左舷後部の飛行甲板が一部盛り上がった。17分に攻撃は終了。74名が戦死した。エンタープライズは、大火災発生、第2、第3エレベーター損傷、飛行甲板損傷、右舷水線に2メートルの破孔、右舷へ3度傾斜、という甚大な被害を受けた。引き換えに日本軍は艦爆17機、艦戦3機が撃墜され、艦爆1機不時着という大損害を受けた。エンタープライズではダメージコントロールにより火災が消火され、甲板も修復、左舷への注水で傾斜も回復し、1時間以内に艦載機の発着艦が可能となった。18時50分までに25機が着艦したが、舵が故障し、操舵不能に陥った。駆逐艦バルチと衝突しそうになったが、バルチが前進一杯、エンタープライズが後進一杯を行い、辛うじて回避した。両舷の機関出力調整でも艦をコントロールすることが出来ず、やむ無くエンタープライズは停止した。操舵区画内は約80度の高温であったが懸命の修理により、19時28分に修理が完了した。この修理中の動けない間に日本軍の第2次攻撃隊が接近し、レーダーが「方位270度、距離80km」という至近距離で敵をとらえたが、幸運にも日本軍機はエンタープライズを発見できなかった。
https://goo.gl/zxatFt
この一発で沈みはしなかったけれど、ミッドウェー海戦においては、4万トンの空母・赤城はアメリカの250kg爆弾一発でゲームセット。この250kg爆弾一発を受け、赤城は、艦内の爆弾や魚雷、航空機用燃料などが次々と誘爆し、艦内はすべて焼きつくされたそうだ。
――この珊瑚海海戦の際に翔鶴も中破し、ダメージコントロールの重要性、必要性が唱えられたらしいが、五航戦と一航戦の確執のためか、この意見は無視され、ミッドウェーでの大敗の一因となる。
そして、中破した翔鶴は40ノットで戦場を離脱したという「翔鶴40ノット伝説」を後に生むことになる。中破し、戦場から離脱する翔鶴に置いていかれないように、護衛の駆逐艦が必至についていったという話は、どうやら、事実のようだね。鶴姉妹は、実は、「艦これ」などで最速艦とされる駆逐艦「島風」よりも速い「艦娘」だったのかもしれない(^^ゞ――
艦(大和)の被害報告を受けていた能村副長(艦橋司令塔・防御指揮所)は魚雷命中12本と回想。中尾(中尉、高射長付。艦橋最上部・防空指揮所)は魚雷14本。戦闘詳報では、魚雷10本・爆弾7発。アメリカ軍戦略調査団は、日本側資料を参考に魚雷10本、爆弾5発。アメリカ軍飛行隊の戦闘報告では、367機出撃中最低117機(戦闘機ヘルキャット15機、戦闘機コルセア5機、急降下爆撃機ヘルダイバー37機、雷撃機アベンジャー60機)が大和を攻撃し、魚雷30-35本、爆弾38発が命中したと主張。第58任務部隊は魚雷13-14本確実、爆弾5発確実と結論づけている。
https://goo.gl/13jbGq
https://goo.gl/bB8JtX
2航戦の蒼龍も九九艦爆を9機発進させ、こちらは2発命中させたので命中率は2/9≒22%。加賀、蒼龍合せると命中率は3/18≒17%。この数字が現実に近い数字だと思うよ。
今日のアニソン、東方から『にとりとみっく』 [今日のアニソン]
第18回 整列集合 [集合論入門]
第18回 整列集合
(半)順序集合(A,≦)は、Aの部分集合がかならず最小元(最初の元)をもつとき、整列集合という。また、整列集合は全順序集合である。
整列集合の部分集合および整列集合と順序同型な順序集合は整列集合である。
例1 自然数全体の集合をNとするとき、
は整列集合である。
例2 有限順序集合は整列集合である。
例3 通常の順序(大小関係)において、整数全体の集合Z、有理数全体の集合Q、実数全体の集合Rは、最小元(最初の元)を持たないので、整列集合ではない。
例4 は整列集合である。
問1 整列集合は全順序集合であることを示せ。
【証明】
(A,≦)を整列集合とし、x、y∈Aとする。X={x,y}はAの空でない部分集合だから、Xは最小元min Xをもつ。
min X=xならばx≦yであり、min X=yならばy≦x。
したがって、任意のx、y∈Aに対して、x≦yまたはy≦xが成り立つ。よって、整列集合は全順序集合である。
(証明終)
定理1
(A,≦)が整列集合であり、が順序単射であれば、すべてのx∈Aに対して、
である。
【証明】
が空(集合)でないと仮定する。
Xの最小元をx₀とすると、f(x₀)<x₀であり、fは順序を保つ単射だから
したがって、f(x₀)∈Xであって、f(x₀)はXの最小元x₀よりも小さいので、矛盾が生じる。
したがって、Xは空集合∅である。
(証明終)
整列集合(A,≦)の元aに対して、集合{x∈A|x<a}をAの元aによる切片といい、記号A〈a〉などであらわす。
例5 とするとき、
問2 (A,≦)を整列集合とする。Aの2つの元a、bについてb<aならば、
(A〈a〉)〈b〉=A〈b〉
であることを示せ。
【解】
(A〈a〉)〈b〉={x∈A|x<aかつx<b}
問題の条件よりb<aだから、
(A〈a〉)〈b〉={x∈A|x<aかつx<b}={x∈A|x<b}=A〈b〉
(解答終)
問3 Aでa∈Aならば、AからA〈a〉への順序単射は存在しないことを示せ。
【証明】
を順序単射とすると、fはAからAへの順序単射だからa≦f(a)でなければならない。
一方、f(a)∈A〈a〉だからf(a)<aとなり矛盾する。
したがって、AからA〈a〉への順序単射は存在しない。
(証明終)
問4 次のことを示せ。
(1) 整列集合Aから自分自身への順序同型写像はに限る。
(2) 整列集合Aから順序集合Bへの順序同型写像が存在すれば1つに限る。
(3) Aが整列集合であって、a、b∈Aであるとき、ならばa=bである。
【証明】
(1) を順序同型写像とすると、fはAからAへの順序単射だから、x≦f(x)。また、f⁻¹も順序単射だから、x≦f⁻¹(x)となり、f(x)≦x。したがって、f(x)=x。
(2) f、gがともにAからBへの順序同型写像ならばはAからAへの順序同型写像。(1)よりとなり、g=fである。
(3) a<bと仮定する。
B=A〈b〉とすれば、問2よりB〈a〉=A〈a〉。したがって、ならば、整列集合Bからその切片B〈a〉への順序単射が存在することになるが、問3よりBからB〈a〉への順序単射への順序単射は存在しないので矛盾する。
よって、ならばa=bである。
(証明終)
定理2 A、Bを整列集合とすれば、次の3つの場合の1つ、しかも1つだけが成立する。
(1) AとBは同型
(2) AはBのある切片と同型
(3) BはAのある切片と同型
【証明】
A、Bの部分集合A₁、B₁をそれぞれ
によって定義する。
各元a∈A₁に対して、となるb∈Bはただ1つ存在し、b∈Y₁。
この元をb=φ(a)とおくと、写像φ:A₁→B₁が定まる。φは順序同型写像であり、となる。よって、A₁はAと一致するか、またはXのある切片と一致し、同様にB₁はBと一致するか、またはBのある切片と一致する。
もし、A₁=A〈a〉かつB₁=B〈b〉とすれば
となり、a∈A₁となる。これはa∉A₁に矛盾する。したがって、この定理が主張する(1)、(2)、(3)のいずれかが必ず成り立つことがわかった。
次に、(1)、(2)、(3)のなかの2つの場合が同時に成立しないことを示す。
(2)と(3)が同時に成り立つと仮定し、順序同型が成り立つと仮定すると、合成写像
は順序を保つ写像であり、φ(a)<aである。これは定理1に矛盾する。したがって、(2)と(3)は同時に成り立つことはない。他の場合についても、同様である。
(証明終)
定理3 (超限帰納法)
Aを整列集合とし、P(x)をAの元に関する命題とする。
このとき、
が成り立てば、すべてのx∈Aに関してP(x)が成り立つ。
【証明】
P(x)が満たさないx∈Aがあったとして矛盾を導く。
とすれば、XはAの空でない部分集合となる。Aは整列集合であるから、Xは最小元を持つ。それをaとすると、aより小さい元はXに属さないから
が成り立つ。したがって、仮定よりP(a)となる。すなわち、a∉Xとなる。これはa∈Xであることに矛盾する。
(証明終)
自然数全体の集合Nに通常の大小関係を与えた整列集合を(N,≦)とする。よく知られた数学的帰納法は、整列集合(N,≦)に関する超限帰納法にほかならない。
艦娘、凄いケロ(笑) [ひとこと言わねば]
当たりどころが悪ければ豆鉄砲のような駆逐艦の主砲で重巡や正規空母を撃沈することもできるかもしれないけれど、駆逐艦の主砲で重巡や正規空母を沈めるなんてことはできるはずがないんだから、艦娘は物理などの諸法則を越える超自然の力を持っているにゃ。
このころアメリカ軍はホーネットの放棄を決定し、駆逐艦マスティン(英語版)(USS Mustin, DD-413)およびアンダーソン(英語版)(USS Anderson, DD-411)に処分を命じた。マスティンが魚雷8本を打ち込んで6本を命中させ、続いてアンダーソンも8本の魚雷を発射し6本を命中させるもホーネットは沈まず、2隻はさらに5インチ砲弾430発を打ち込んだ。そうこうしている内に、日本艦隊が迫ってきたのでマスティンとアンダーソンは避退していった。
(中略)
日本側は連合艦隊司令部からの命令に従ってホーネットの拿捕曳航を行おうとしたが排水量に差がありすぎ、さらには火災が広範囲に広がっていたことから最終的に断念している。秋雲は12.7センチ砲24発をホーネットに撃ち込んだがホーネットは微動だにせず、爆雷での処分も検討されたが、爆雷の射程が短く断念された。結局、魚雷で処分することとなり、秋雲と巻雲からそれぞれ2本ずつ発射され、3本が命中した。
https://goo.gl/ku8GbN
艦の左右に20門、計40門の魚雷を持っていても、魚雷そのものがなかなか当たらない上に、日本の魚雷は不発や早爆などもよく起きたから、実は張り子の虎だった。おまけに14cm砲4門というしょぼい火力だから、魚雷の有効射程距離に入る前に、敵艦、敵駆逐艦などから一方的にタコ殴りされるのが落ちだと思うにゃ。
今日のアニソン、猫じゃないにゃな軽巡が「Lap Tap Love」 [今日のアニソン]
[2階常微分方程式(線形系)] [数値解析]
[2階常微分方程式(線形系)]
保存系と並んでなんとかなるのが、線形系です。線形系なら非保存であってもなんとかなります。いっぽう保存系なら、非線形であってもなんとかなります。悩ましいなぁ~(^^;)。
この前は線形系かつ定数係数という場合をネコ先生にアップして頂きましたが、線形系なら非定数係数であってもなんとかなるはずです。やる事は定数係数の時と、基本的に同じだからです。
ただし自分はシンプレクティック法大好きなので、ここではシンプレクティック法の精神に則った準シンプレクティック法を使います。参考URLを最後にあげます。
ネコ先生も書いておられるように、この問題(1)は、1階の連立微分方程式にひき直せます。y'=dy/dt=pとして、
です。
ここでシンプレクティック法の精神を発揮して、等速運動させてから等加速度運動させる、に注意しながら(3)を前進差分に持ち込むと以下になります。τはtのステップ幅です。
です。
なので(5)は、
となります。
(6)最右辺の係数行列を、とすれば、
になります。特にj=0とすれば、
ここでy(0)=y0,p(0)=p0とすれば、yn=y(nτ),pn=p(nτ)です。よってt=0からnτ後のyn,pnを知りたいのであれば、(9)のA1A2・・・Anを計算すれば良い事になります。各Ajは(7)です。そんな事、数値的にはなんぼでもできます。以下はExcelの画面のコピーです。意味は余りにも明らかだと思うので、特に説明しません(^^)。
Excelで計算した結果、n=20,τ=0.05,nτ=1の時、
・・・に、なりました。従って(9)より、
なので、境界条件(2)を代入すると、
です。整理すると、
となります。これより、p0=1.391881057となりました。
y(0)=y0=1,p(0)=p0=1.391881057と初期値が決まったので、(4)を使って「準シンプレクティック、行きまぁ~す!」(^^)。
まず(4)の下段をpj+1について解き、(4)上段と連立させます。
これで準備完了です。y0=0,p0=1.391881057として(10)を使い、(y0,p0)→(y1,p1)→・・・→(y20,p20)と追跡して行けば、Excelにより(^^)図-1です。
図-1
理論解は、もちろんネコ先生のを使わせてもらいました。理論解は、どうやって出したんですか?(^^;)。この質問をしたくて、この記事を書いたようなもんです(※)。
ちなみに準シンプレクティック法は正式な用語でもなんでもなく、また確立された方法でもありません。でも、けっこういける気がしてます(^^)。
[参考URL]
http://www.sunagonet.co.jp/wp/wp-content/uploads/2018/01/c774c6cbdbfc66af0583295744d978fa.pdf
(執筆:ddt¹さん)
(※) 第15回 2階線形非同次微分方程式の解法2
http://nekodamashi-math.blog.so-net.ne.jp/2017-08-24
の問題3の(1)に出ております(^^)
2階線形(非同次)微分方程式の標準化(問題2)という計算のテクニックを使って求めています。まぁ、定数変化法の一種ですね。
第17回 順序集合 [集合論入門]
第17回 順序集合
§1 順序集合と順序同型
集合X上の関係≦が任意のx、y∈Xに対して、次の条件を満たすとき、この関係を順序、または、半順序という。
≦がX上の順序であるとき、(X,≦)を(半)順序集合という。
x≦yかつx≠yであるとき、x<yと書く。
(X,≦)、(X',≦')を2つの順序集合とし、fをXからX'への写像とする。任意のx、x'∈Xに対して
が成り立つとき、順序を保つ写像という。
さらに、単射が存在して、fおよびf⁻¹がともに順序を保つ写像であるとき、(X,≦)と(X',≦')とは順序同型であるといい、
で表し、fを順序同型写像という。。
順序同型については、次のことが成り立つ。
(ⅰ)は、恒等写像が順序同型写像であることから明らか。
(ⅱ)は、が順序同型写像ならば、が順序同型写像であることによる。
(ⅲ)は、が順序同型写像ならば、が順序同型写像であることにことによる。
集合X上の関係≦が(1)〜(3)、さらに次の条件を満たすとき、この順序を全順序という。
(4)任意のx、y∈Xに対して、x<y、x=y、x>yのいずれか1つが成り立つ
≦がA上の全順序であるとき、順序集合(A,≦)を全順序集合という。
自然数全体の集合N、整数全体の集合Z、有理数全体の集合Q、実数全体の集合Rは全順序集合である。
また、全部分集合の部分集合は全部分集合であり、全部分集合と順序同型である順序集合は全部分集合である。
自然数全体の集合Nの冪集合において、その元の間にA⊂Bが成立するとき、A≦Bとすれば、
が成立するので、これは上の(半)順序である。
しかし、A={1}、B={2}とすると、A⊂B、A=B、A⊃Bのいずれも成立しないので、これは全順序ではない。
§2 部分順序集合
(A,≦)を順序集合、BをAの部分集合とする。このとき。Bの元はすべてAの元であるから、Bの元b、b'がAの元としてb≦b'であるとき、b≦'b'とすれば、≦'はBの上の順序になる。
一般に、Aの部分集合Bと、上のように得られる順序≦'とを組み合わせて得られる順序集合(B,≦')を(A,≦)の部分順序集合という。(B,≦')が(A,≦)の部分順序集合であることを
と書く。
(B,≦')⊂(A,≦)である必要十分条件は
(1) B⊂A
(2) Bの元b、b'に対してb≦'b'ならばb≦b'
§2 最大元、最小元、極大元、極小元
(A,≦)を順序集合とし、aをAの元とするとするとき、Aの最大元、最小元、極大元、極小元を次のように定義する。
Aの最大元、最小元をそれぞれmax A、min Aなどであらわす。最大元、最小元が存在すれば、それらは一意的に定まる。
また、最大元は極大元であるが、この逆は成立しない。最小元、極小元についても同様である。
(X,≦)を順序集合、AをXの部分集合とする。
であるとき、Aは上に有界といい、aをAの上界という。Aの上界の最小のものが存在するとき、それをAの上限といい、記号
a=sup A
などであらわす。
同様に、
であるとき、Aは下に有界といい、aをAの下界という。Aの下界の最大のものが存在するとき、それをAの下限といい、記号
a=inf A
などであらわす。
また、Aが上に下に有界であるとき、Aを有界であるという。
問 次のことを示せ。
(1) 自然数全体の集合Nと整数全体の集合Zは順序同型でない
(2) 整数全体の集合Zと有理数の全体の集合Qは順序同型でない
(3) 有理数全体の集合Qと実数全体の集合Rは順序同型でない
【解】
(1) Nは最小元1をもつが、Zは最小限をもたないから
(2) Qは稠密であるが、Zは稠密でないから。
QからZへの順序同型写像φがあるとし、1と2の原像をそれぞれa、b∈Qとすると、
よって、
であるが1と2の間に存在することになるが、整数全体の集合Zにそのような元は存在しない。
これは矛盾。したがって、ZとQは順序同型でない。
(3) Qは可算集合、Rは非可算集合だから
(解答終)