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スプレッドシート(4月3日)を公開したにゃ [ひとこと言わねば]

お前らに質問(4月3日)のサンプル計算で使用したスプレッドシートを公開したにゃ。
興味のあるヒトは、見るといいと思うケロ。





パソコンやブラウザーの設定によっては、エクセル、Calc版のリンク先をクリックすると、スプレッドシートがダウンロードされる場合があるので、この点は注意するケロ。

F列に収束速度というものがありますが、これはの比のこと。この数字が小さければ小さいほど、速く収束します。2分法は、大体、1/2、0.5くらい。収束速度という用語が適切かどうかわからないけれど、
――スプレッドシートを作るときに、「何か名前がないと表が寂しい」との理由から、とりあえず、他人に見せる目的ではなく、自分のためにつけた実にいい加減なもの。いま思うと、収束係数とか収束指数といったネーミングにすべきだった。たぶん、これには正式な名称がついているはず。ハッキリ言って、このネーミングはかなりまずいものだ(^_^;)――
この計算の場合、これが約2/3だから、2分法よりも収束が遅いことがわかる。


実は、この数字にはちょっとした秘密が隠されている。

  


のとき、

  

になることが知られている。そして、ニュートン法を用いたこの計算の場合、m=3だから、1−1/3=2/3になる。ちゃんと、この値になっているだろう。さらに、このことから、m=4,5,・・・と、mをどんどん大きくすればするほど、ニュートン法の収束はさらに遅くなることがわかる。また、m=2のとき、ニュートン法はほとんど2分法になってしまうってことも。

なお、本計算の場合、

  

となるので、ニュートン法の漸化式は

  

となる。このスプレッドシートではこれを用いて計算してあるので、表面上、微分は出てこないように見えるけれど、しっかり微分している。だから、スプレッドシートの計算式を見て、「何だ、これは。いったい、この式はどこから出てきた」と悩まないで欲しい。


この記事を読み、連立方程式の反復解法でよく使われるSOR法のように、収束をはやめるために、加速係数ω>1を導入し、

  

で計算しようという、ずる賢い奴も出てくるかもしれない(^^)


加速係数ω=2のとき


随分、速く計算できるようになった(^^ゞ


ただし、くれぐれもスピードの出しすぎには注意しましょう!! ものには限度というものがあるのだから。
しかし、さらにスピードアップさせて、究極の
加速係数ω=3に!!



収束の速さは神の領域へ!!

そして、お決まりのこの曲を♪



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お前らに質問(4月3日)のサンプル計算 [お前らに質問]

お前らに質問(4月3日)のサンプル計算

 

f(x)=(x-3)^3(x+3)-graph.pngサンプル計算でも見せないと、お前らは絶対にやろうとしない。

お前らとの付き合いは長いから、それくらいんことは、わかるにゃ。

 

ということで、

x₀=5を計算開始点とし、ニュートン法で方程式

  

の解x=3を求めた計算結果を示してやるケロ。

 

ニュートン法だと、37回、反復して、ようやく

  

という収束条件を満たす(下の表参照)。

 

2分法だと23回で収束条件を満たすので、この問題の場合、ニュートン法は2分法の約1.6倍も収束が遅い!!

このとき、ニュートン法は、あたかも、ナメクジが這うような、ゆっくりとした速度で収束するのであった。

 



⑨の極みたる⑨³のネムネコと、⑨である


わかるくらいに


(画像元:上のYouTubeの動画)

ニュートン法による計算結果

x₀=−5の場合

x₀=5の場合


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今日のアニソン、「ユリ熊嵐」から『あの森で待ってる』 [今日のアニソン]

今日のアニソンは、アニメ「ユリ熊嵐」から『あの森で待ってる』です。


このアニメのタイトルからして、ネムネコの理解の範囲を超えているケロ。何でも、人喰いクマが主人公のアニメらしいにゃ。


東方には熊がいないから、わからないにゃ。
こんなのが出るケロか?


それとも、こんなのが出るケロか?



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[全射,単射の必要十分条件] [集合論入門]

[全射,単射の必要十分条件]

 

 ブルバキ風です。

 

[定義1

 X,Yを集合として、X,Y上の恒等写像をIdIdで表す。

 

(1)

 写像f:X→Yに対し、

  

となるs:Y→Xを、fの左逆写像と呼ぶ。

 

(2)

 写像f:X→Yに対し、

  

となるr:Y→Xを、fの右逆写像と呼ぶ。

 

 

[定理1

 (1) f:X→Yが単射であるための条件は、左逆写像sが存在する事。

 (2) f:X→Yが全射であるための条件は、右逆写像rが存在する事。

[証明]

(1)

 f:X→Yを単射とする。

 Xのfによる像f()⊂Yへfを縮小した写像を、f0:X→f()で表す。f0は明らかに全射。fは単射だったのでf0も単射。従ってf0は全単射なので、逆写像f0-1f()→Xがある。各x∈Xについてf0-1 (f(x))xが成り立つ。

 写像s:Y→Xを以下のように定める。

  1) f()⊂Y上で、sf0-1

  2) y∈Y-f()なら、s(x)z∈X。zはXから任意に一つ選んだ要素。

 

 f(x)∈f()は自明なのでsの定義より、

  

となり、

  

で、s:Y→Xはfの左逆写像。

 

 逆にfの左逆写像sがあるとする。f(x1)f(x2)∈f()かつf(x1)f(x2)について、

 

 

 

なので、fは単射(sの構成を式にしただけ)。

 

(2)

 f:X→Yを全射とする。

 fは全射なので、各y∈Yのfによる逆像f-1(y)⊂Xは空でない。

 写像r:Y→Xを以下のように定める。

  1) r(y)x∈f-1(y)xf-1(y)から任意に一つ選んだ要素。

  2) x∈f-1(y)に対しyf(x)は自明。

 

 各y∈Yには必ず空でないf-1(y)があるので、rの定義より、

  

となり、

  

で、r:Y→Xはfの右逆写像。

 

 逆にfの右逆写像rがあるとする。任意のy∈Yについて、

  

なので、yf(r(y))となるr(y)∈Xがあり、fは全射(rの構成を式にしただけ)。

[証明終]

 

 ここで左逆写像,右逆写像について反省。

  

 定理1の構成を見れば明らかなように、これらはfが全単射じゃない真の単射,全射でも成り立つ。しかも恒等写像IdXIdYは全単射の代表。このへんで、

 

  ・gfの合成写像が全単射でも、gfが全単射とは限らない

 

と気づけよ!(∨∨;)・・・と反省。

 

[系1

 f:X→Y,g:Y→Zとして、gfの合成写像をhとする。

  

 (1) hが単射なら、fは単射。

 (2) hが全射なら、gは全射。

[証明]

(1)

 hが単射ならhの左逆写像sがある。

  

 従って、

  

fの左逆写像。fは単射。

 

(2)

 hが全射ならhの右逆写像rがある。

  

 従って、

  

gの右逆写像。gは全射。

[証明終]

 

 次の定理は、ほとんど自明です。

[定理2

 f:X→Yとする。

  

[証明]

 yf(x)とする。f(Id(x))f(x)yId(f(x))Id(y)yだから。

[証明終]

 

[定理3

 f:X→Y,g:Y→Zとして、gfの合成写像をhとする。

  

 (1) hが単射でfが全射なら、gは単射。

 (2) hが全射でgが単射なら、fは全射。

[証明]

(1)

 hが単射ならhの左逆写像s:Z→Xがある。

  

 fが全射なら、fの右逆写像r:Y→Xがある。左右逆写像の定義1と定理2より、

  

 さらに、

  

となるので、

  

gの左逆写像。gは単射。

 

(2)

 hが全射ならhの右逆写像r:Z→Xがある。

  

 gが単射なら、gの左逆写像s:Z→Yがある。左右逆写像の定義1と定理2より、

  

 さらに、

  

となるので、

  

fの右逆写像。fは全射。

[証明終]

 

 

[系2

 f:X→Y,g:Y→Zとして、gfの合成写像をhとする。

 (1) hが全単射でfが全射なら、fgは全単射。

 (2) hが全単射でgは単射なら、fgは全単射。

[証明]

 系1より、hが全単射なら、gは全射でfは単射。

 

(1)

 fが全射ならfは全単射。このとき定理3から、gは単射なのでgも全単射。

(2)

 gが単射ならgは全単射。このとき定理3から、fは全射なのでfも全単射。

[証明終]

 

 

[まとめにかえて]

  tanzen-043.png

が全単射であっても、fgは全単射とは限らないし、f-1g-1が存在するとは限らない。この事実は確かに忘れがちですよね。

  tanzen-044.png

と書けるのは、けっこう幸運なのだと。もしくは工夫するか。

 

 系2の状況を少し吟味してみると、(1)が本質的だとわかります。そこでhが全単射でfが全射でなければ、sの時のようにfgからそれらの縮小、f0:X→f()g0f()→Yへ移ってやれば、系2から、

  tanzen-045.png

が存在する事になります。

 そして、

  tanzen-046.png

で定義されるh0には、hの全情報が詰まっている事になります。h0の実質はhと同じです。

(執筆:ddt³さん)


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お前らに質問(4月3日)!! [お前らに質問]

お前らに、問題!!

 

kensaku-box.png問題 次の方程式の解を2分法とニュートン法で求めたい。

  

さて、次の条件で計算したとき、2分法とニュートン法、どちらが速く収束解を得られるでしょうか。

 

2分法 計算開始の区間をI₀=[0,5]とする。

ニュートン法 x₀=5を計算の出発点とする。

収束条件 |x−3<10⁻⁶

 

上の方程式の解がx=3だってことは計算するまでもなくわかる。

2分法とニュートン法のどちらが速く計算できるか、それを答えろってのがこの問題だ。

 

2分法が何かわからないヒトは、次の記事を読むべし。

http://nekodamashi-math.blog.so-net.ne.jp/2015-02-23

 

ニュートン法がわからないヒトは、たとえば、次の記事を読むべし。

http://nekodamashi-math.blog.so-net.ne.jp/2017-03-06-3

C言語のプログラムは、次のところに出ている。

http://nekodamashi-math.blog.so-net.ne.jp/2017-03-07

 

PC版のブログを見ているヒトは、ブログの左脇に出ている検索ボックスにニュートン法と書き、検索をかけると、ニュートン法に関係する、「ねこ騙し数学」の記事が幾つか出てくる(右図参照)。

だから、できねぇとは言わせない。

 

プログラムを作る環境を有していない、表計算ソフトも持っていないヒトは頭で考える。

この問題は、頭で考えることによっても、十分に解くことができる問題なんだから。プログラムを書いたり、スプレッドシートを作ったりせずとも、この問題は解くことができる!!

もっとも、ネムネコの母親のように、「私の頭は飾りとしてついている」というヒトは、話が別だが・・・。



ネムネコの母親と違って、お前らの頭は飾りじゃないだろう?

必要な最低限のツールは、紙と鉛筆、次の常用対数表、そして、何より、考えることのできる頭。


「こんなのはチョロいぜ」というヒトは、

  

 

に対し、計算開始点をx₀=5x₀=−5とした場合のニュートン法による方程式の(収束)解を求め、その際の収束速度の違いについて検討する。

これらの問題にチャレンジし、答に辿りつけたヒトは、一般に数値解析の常識と信じられていることが、実はそれほど当たり前のことでなかったということを知ることができるのであった。




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