今日のアニソン、「悪魔のリドル」から『創傷イノセンス』 [今日のアニソン]
自分で言うのも何だが、ネムネコ・サイクルのパラドクスは非常によく出来ていると思うにゃ。
だって、ネムネコ・サイクルは、物理学の最も重要な法則であるエネルギー保存則や熱力学の第2法則を破ることができるにゃ。
特に、熱力学の第2法則を破れるってところが特に注目に値するね(笑)
だって、熱力学の第2法則は、「時間は、過去→現在→未来の方向へと、一方方向にしか流れない」ということを表す法則だから。ネムネコ・サイクルは、「時間は、未来→現在→過去へと流れうる」ということを意味し、と同時に、ネムネコ・サイクルはタイムマシーンにもなりうるにゃ(^^ゞ
微分方程式よもやま話7 『謎の答案』の続き [微分方程式の解法]
微分方程式よもやま話7 『謎の答案』の続き
「微分方程式よもやま話6」の中で次の問題に対する「謎の答案」を紹介した。
aを任意の実数とする。(x−a)²+y²=1で与えられる円のすべてに接する(共通)接線の方程式を求めよ。
【謎の答案】
これをaの2次方程式と見て
よって、y=±1である。
【謎の答案終】
(x−a)²+y²=1をaの2次方程式と考え、その判別式Dの値を0、すなわち、aの2次方程式①が重根をもつとき、何故か、同心円群(x−a)²+y²=1の包絡線が求められた。
さすが判別式ですね〜。その応用範囲は極めて広い(^^)
問題2 次の曲線群の包絡線を求めよ。
(1) aの2次方程式と考えと、
その判別式をDとすると、aは実数だから、
でなければならない。
y=−x²/4とy=ax+a²との交点を求めると、
このとき、y=−x²/4とy=ax+a²は点(−2a,−a²)で接し、y=ax+a²はy=−x²/4の接線になる。
よって、包絡線の方程式は
である。
(つまり、aの2次方程式①の判別式D=0とした方程式
が目的の包絡線の方程式になる。
正確にいうと、包絡線の候補で、特異点の軌跡になることもある。)
(2) y=ax+1/aの両辺にaをかけると
これをaの2次方程式と考え、D=0とすると、
よって、包絡線の方程式は
(謎の答案終)
このように、aの2次方程式の判別式、D=0とすることによって、包絡線を見つけることができる。
ちなみに、問題2のaを
とおくと、上で求めた包絡線は、クレーロー形の微分方程式の特異解になる。
問題3 次の曲線群の包絡線を求めよ。
【謎の答案】
(1) a²+2ax−y=0をaの2次方程式とみて、
(2) 両辺にaを掛けると
(謎の答案終わり)
人類の夢「ネムネコ・サイクル」、ここに実現!!(笑) [お前らに質問]
人類の夢「ネムネコ・サイクル」、ここに実現!!
「ねこ騙し数学」は人類を救う(笑)
お前らに、昨夜、出題した「簡単な(じゃないかもしれない)物理の問題」の中に登場するネムネコ・サイクルについて詳しく解説してやるにゃ。
右の図に示す、断面積Aのシリンダー内の空気をl₀からlまで、目にも止まらぬ速度(想定する速度は光速の1/1000)で一気に圧縮。
これは音速をはるかに超えているから、シリンダー内の空気くんの全員は圧縮されたと気づかないにゃ。
だから、l₀の位置からlのところまで圧縮したときにピストンが受ける圧力は、圧縮前にシリンダー内のほとんどP₀に近い値のはずである。
であるから、下の図のよう、状態1から状態2に変化したときに、空気くんがそとから受け取る仕事W、エネルギーは、
である。
下の図のハッチングを施した長方形の面積がこれに相当する。
圧縮終了後、「圧縮された」と気づいた空気くんに押し返されないように、空気くんが平衡状態3に達するまで体積一定の状態を保ち続ける。
平衡後、圧縮された空気くんが状態3から(断熱)曲線にそって状態1に戻る間に外に向かってする仕事は、この曲線の弧3→1とV軸とが囲む面積。
仮定により、シリンダーと外は断熱されているし、シリンダー内の空気が断熱曲線にそって3→1に断熱膨張する過程を除き、残りの変化(過程2→3においてシリンダー内の圧力と温度は上昇するが、これは準静的な変化ではなく、シリンダー内の空気くんたちはまさに「カオス」状態にある)は純粋に力学的なもので、シリンダー内の空気に外から熱は一切加えていない。
したがって、
1→2→3→1で囲まれる三角形のような部分だけ、多く、空気くんは外に向かって仕事をしてくれている。
つ・ま・り、
我々は、1→2→3→1の囲まれる三角形に見える部分のエネルギーをタダで受け取ることができる。
このサイクルは、なんと、
無から有(エネルギー)を作り出すことが可能なんだにゃ。
このサイクルをネムネコ・サイクルと名付けるならば、
ネムネコ・サイクルは人類の夢「無から有を作り出す」ことを実現化するサイクル!!
喩えて言うならば、自動販売機で120円のジュースを買おうと120円投入すると、120円と等価なジュースの他に、なんと、50円のお釣りまでついてくるという、それはそれは「ありがたい」、夢のような自動販売機なんだケロ。
そして、このネムネコ・サイクルが実現したならば、人類はエネルギー問題から永遠に解放される。
賢者の石、そんな、「こども騙し」で、非科学的なものは不要。
等価交換の原則は時代遅れの理論だにゃ。
だまし絵などある永久機関などとは違って、ネムネコ・サイクルは、熱力学と力学の理論に則っている。
ネムネコが考えるに、従来の熱機関はすべて準静的なサイクルに基づくものだったのに対し、
このネムネコ・サイクルは、準静的ではない過程と準静的な過程を融合させることによって、エントロピーや真空のエネルギー(ダークエネルギー)を利用できる機関になっているんだにゃ、きっと(笑)。
ひょっとしたら、シュレ猫で有名な物理学者、シュレディンガーさんのいうネゲントロピック(negentropic)なサイクルになっているのかもしれない(^^ゞ。
ネゲントロピー
もちろん、ネムネコ・サイクルは、一見するところ、物理の大原則である「エネルギー保存則」に反しているように見えるので、何処かがおかしいのかもしれない。
どこかに「ねこ騙し」が入っているに違いない(笑)。
さあ、この「ネムネコ・サイクル」のパラドックスを見事解決してもらおうじゃないか。
騙しを見破ってもらおうじゃないか(^^)
今日のアニソン、「ハヤテのごとく!」から『キミに「好き」と言えたら』 [今日のアニソン]
微分方程式よもやま話6 微分方程式を作る [微分方程式の解法]
微分方程式よもやま話6 微分方程式を作る
§1 微分方程式を作る
「定数aを消去し、微分方程式を作れ」といったような問題や例題が微分方程式の教科書の冒頭によく出ている。
そして、次のような説明がなされるのが通例である。
x²+y²=a²をxで微分すれば、
(1)は定数aを含まないから、どんな定数aについても成り立つ。すなわち、原点を中心とする同心円すべてに共通する性質である。
(1)を
と書きなおせばわかるように、(1)はx²+y²=a²上の点P(x,y)における接線と、Pを通るOの半径OPが直交していることを表す。
この解答にならうと、y=Cx(Cは任意定数)からは次の微分方程式をつくることが可能である。
y=Cxをxで微分すれば、
Cを消去すると、
ねこ騙し数学において、現在、最もホットな微分方程式(2)を得ることができた。
(2)はy=Cxから作られた微分方程式なのだから、計算をするまでもなく、y=Cxは(2)を満たす。したがって、y=Cxが微分方程式(2)の解であることは明らかであろう(^^)
さてさて、数学のテストで高得点をとる、数学が得意な高校生向けの受験参考書の中には、次のテクニックが記されているものがある。
たとえば、方程式の解の個数を求めよといった問題などに使われる、「定数は分離」と同一の受験数学のテクニックがここにも適用される。
【受験数学のテクニック】
y=Cxを次のように変形する。
この両辺をxで微分すると、
この高等テクニック(?)にならうと、y²=4axという放物線の方程式から次のように微分方程式を作ることができる。
y²=4axを次のように変形する。
この両辺をxで微分すると、
さすが、数学を得意とする高校生向けの受験参考書である。微分方程式の作り方まで難しい(^^ゞ
問1 関係式xy=C(Cは定数)からCを消去することによって、微分方程式を作れ。
【解】
xy=Cの両辺をxで微分すると、
問2 微分方程式(4)から、放物線(群)y²=4axのもつ共通の性質を導け。
【解】
放物線y²=4ax上の点P(x,y)からx軸に垂線をおろし、その交点をHとする。また、P(x,y)における放物線の接線とx軸の交点をQとすると、
QH = 2OH
よって、原点OはQHの中点である。
(解答終)
§2 微分方程式にすると、妙なものが混入することがある
問題 x軸に中心を持つ半径1の円(群)の方程式
から(任意)定数aを消去することによって、微分方程式を作れ。
【解】
の両辺をxで微分すると、
①と②からaを消去すると、
(解答終)
微分方程式(6)は、円の方程式①から作られた微分方程式だから、①は(6)の解であり、しかも、任意定数aを1つ含む解だから微分方程式④の一般解である。
しかし、(6)の中には、この一般解の他に、定数関数y=1、y=−1という一般解(6)では表わせない特異解が存在する。図から明らかなように、定数関数y=±1はx軸に中心を持つ半径1の円(群)のすべての接線、すなわち、この円群の包絡線である。
このように、微分方程式にすると、元の方程式とは無縁に思える妙なものが紛れ込むことがある、
【余談】
仮に大学入試で、
「aを任意の実数とする。(x−a)²+y²=1で与えられる円のすべてに接する(共通)接線の方程式を求めよ」
という問題が出題されたら、受験生はこの問題をどうやって解くのだろうか。
受験生には判別式マニアが多いから、次のように解くのであろうか。
【謎の答案】
これをaの2次方程式と見て
よって、y=±1である。
【謎の答案終】
(余談終)
問1 次の微分方程式を解け。
【略解】
(略解終)
問2 関係式y=(x−C)³から任意定数Cを消去することによって、微分方程式を作れ。
【答】
ネムネコからの簡単な(じゃないかもしれない)物理の質問 [お前らに質問]
ネムネコからの簡単な(じゃないかもしれない)物理の問題
数学に関する問題ばかりじゃ〜、飽きてしまうに違いないと考え、物理学の熱力学の素朴な質問をひとつするにゃ。
右の図に示すように、断面積Aで長さ(?)l₀のシリンダーの中に空気が入っているにゃ。
それを一瞬のうちに、目にもともらぬ速度(光速の1/1000のくらい速度くらいかな)でlまで一気に圧縮させるケロ。
この圧縮を受ける前のガスの圧力はP₀としよう。
さて、このとき、シリンダーの中に空気は、外からどれだけの仕事(エネルギー)Wをもらう、あるいは、外からどれだけの仕事をされるでしょう。
(注意:圧縮されるときW>0!!)
一応、断熱、外とシリンダーの中の気体の間に熱の出入りはないとするにゃ。
これとは別に、ナメクジが這う速度よりも遅い、ごくごくゆっくりとした速度でシリンダーをl₀からlの長さまで圧縮させるにゃ。つまり、熱力学などでいう準静的な変化をさせるにゃ。
この時、外からされる仕事の量をW’とすると、目にも止まらぬ速度で圧縮したときの仕事WとW’はどちらが大きいでしょう。
断熱圧縮だから・・・なんて難しいことなんて考える必要はないケロ。
でも、こういう正確な計算をしたいという酔狂なヒトもいるかもしれないので、計算できるようにヒントを与えておくにゃ。
1.4乗は計算しづらいというヒトは、
でいいにゃ。
WとW'の大小関係を示せばいいので、ドッチでもいいにゃ。
高校の物理で習ったであろうPV線図を使って考察してもよし。
ちなみに、どうして、光速の1/1000の速度で圧縮するかというと、特殊相対論をこの問題にもち込ませないためで、また、「あっ、外から押された。負けずに押し返さないと」と、シリンダー内の空気くんに変化を気づく暇を与えず、一気に圧縮するため。
ごく一部の空気くんはこの変化に気づくかもしれないけれど、圧力波(圧力の変動)というのは音速、つまり、大体340m/sくらいの速度で伝わるので、光速の1/1000くらいの速度で圧縮すると、ほとんど全ての空気くんは気づかないと思うにゃ。
そりゃ〜、分子運動論的な観点からすると、これはおかしな仮定だけれど、これは物理的な思考実験ということでそこのところは大目に見るにゃ。
要はこの変化が準静的でなければいいのだけれど、この条件では計算ができなく、定量的な比較ができない。それで物理的には問題があるけれど、計算しやすいように、この大胆な仮定を入れたんだにゃ。
「こんなのチョロい」というヒトは、
シリンダーの中の空気の(内部)エネルギーの変化をΔEとすると、熱力学の第1法則の正しい関係は、(1)、(2)のどちらか?
ここで、等号成立は準静的変化の場合。
熱力学の第1法則を
と丸暗記した奴には絶対に解けない問題だと思うにゃ。
――なぜ、2番目の式の右辺だけ全微分をあらわすdじゃなくて、Δのままなのだろう。不思議だケロね〜(^^)――
だから、自分の頭でよく考えて、(1)、(2)のうちから一つ選ぶにゃ。
[微分方程式の超難問に挑む(^^)] [微分方程式の解法]
[微分方程式の超難問に挑む(^^)]
(1)を求積法で解きます。いいですか、微分方程式は幾何学的条件を与えたに過ぎないのですから、予断を交えず式をそのまま読むのです。特にわからなくなった時、面倒くさくなった時は常に(1)に戻るのです。
①x=0:
(1)を変数分離法で解くためには最初にdy/dx=の式にする必要があるので、まずxで割ります。この場合分けはx=0の例外処理のためです。しかしこの例外の意味を考える必要があります。
x=0のとき(1)はy=0です。他の条件は何もないので、(x,y)=(0,0)は(1)の解です。これは初期条件y(0)=0といういわゆる特殊解の一点なのでしょうか?、それとも初期条件がy(0)=0のy(x)=0という分岐した解の特殊解の一点なのでしょうか?、はたまたx=0だけで定義された初期条件y(0)=0のy=0という一点だけの特殊解なのでしょうか?。
全部の可能性があり、後でいわゆる一般解を決定した時に微分可能に接続できたりして、一般解の一部になる可能性すらあります。
ところで一点だけの特殊解って変じゃねぇ~?って意見もあると思うのですが、(1)にはy(x)の定義域に関する条件すらありません。関数に一点だけで定義されたものが許される以上、一点物も無視できません。
②x≠0:
と出来ます。これの意味は、x≠0で(2)を満たすy(x)を求めよだと思うでしょうが、じつは違います。求積してみたら、
みたいな項が出てきて、-C≦x≦Cでなければならない事が後でわかった、なんて事は良くあります(sin,cosの積分では必ずこうなる)。従って(2)の意味は、x≠0の条件で(2)を満たすy(x)を、可能なすべての定義域上で求めよ、です(^^)。微分方程式は幾何学的条件を与えたに過ぎないからです。
③x≠0かつy=0:
(2)を変数分離法で解くためには次に、右辺のyを左辺に移項して[左辺:dy/dxとyのみ]=[右辺:xのみ]の形にする必要があります。これはそのための例外処理です。この例外処理の意味も、①と同様に検討する必要がありますが、とにかく解と呼べるものは[x≠0でy(x)=dy/dx=0]となるものです。
④x≠0かつy≠0:
x≠0かつy≠0の条件下で、(2)を満たすy(x)を、可能なすべての定義域上で求めよ。
ここにAは、elog|x|+C=eC×elog|x|=eC×(±x)=±eCxにおいてA=±eCと表した任意定数ですので、A≠0です。
さて、微分方程式は幾何学的条件を与えたに過ぎないのでした。そして、微分方程式はいたるところでいくら分岐してもOKでした(^^)。そうでない事を確認する実用的手段が、いわゆる一般解でした。だとすれば最後にやるべき事は、①~④のすべての結果を比較して解をとりまとめる事です。
(3)のy=AxはA≠0でしたので、その可能なすべての定義域は④より、[x≠0となる全ての実数]です。
x→0の時はy→0となりdy/dx=Aなので、y=Axは一階微分可能な形で(1)を満たすようにx=0まで延長できます。従ってこの時点で、いわゆる一般解や分岐した解の一点(x,y)=(0,0)はすべて(3)に吸収されます。
残るのは一点物、および分岐した解の候補:[任意のxでy(x)=0]と[x≠0でy(x)=dy/dx=0]という事になります。まず一点物にdy/dxが存在するのは不合理なので、一点物は解ではないと判断できます。
[x≠0でy(x)=dy/dx=0]とは[x≠0でy(x)=0]です。これは[任意のxでy(x)=0]に含まれます。
こうして残るのは、[A≠0かつy(x)=Ax]と[y(x)=0]になります。
(1)を満たす形でのA=0への接続が、y(x)=Axにあり得るか検討しましょう。A→0の時、明らかにy(x)=Ax → y(x)=0です。一方dy/dx=Aなので最初からA=0として(1)へ代入してもy(x)=0です。
y(x)=Axの(1)を満たす形での、A=0への接続が存在します。
分岐解y(x)=0は、いわゆる一般解(^^;)の任意定数A≠0をA=0まで延長したものとして表せます。
よって(1)の一般解は、y(x)=Ax(Aは任意)です。意に反して今回は、きれいにまとまっちゃったな(^^;)。ネコ先生、うまく選びましたね(^^)。
(執筆:ddt²さん)
今日のアニソン、「サイボーグクロちゃん」から『ポジティブバイブレーション』 [今日のアニソン]
微分方程式よもやま話5 [微分方程式の解法]
微分方程式よもやま話5
次の微分方程式がある。
この微分方程式の一般解は
で、定数関数y=1は特異解である。
さてさて、微分方程式(1)の解はすべて(1)式にしたがう。したがって、微分方程式の解の曲線の停留点、すなわち、y'(x)=0とする点のyの値は、微分方程式を解くことなく、(1)式の左辺をと置くことによって(1)式から直ちに次のように求まる。
yは微分可能な関数なので、もし、yが極値、すなわち、極大値、極小値を持つとすれば、その値は0か1であることがわかる。
また、yが微分可能なので、(1)式の右辺は微分可能であり、dy/dxも微分可能、すなわち、yは2回微分可能。そこで、(1)の両辺をxで微分すると、
になる。
そして、(3)式の左辺のd²y/dx²=0とすることによって、変曲点になる可能性を有する点のyの値を次のように求めることができる。
また、このことから、y<0のときは、この曲線は、上に凸、0<y<1/2では下に凸、1/2<y<1では上に凸、1<yでは下に凸であることがわかる。
(3)をさらに微分すると、
どうやら、yを何回微分しても、どの導関数はyとy−1を因子に持ちそうだ。
そして、この推測が正しいと仮定すると、さらにy=0またはy=1になる点をx₀とすると、
である。
ところで、yを点x₀でテーラー展開すると、
である。
したがって、x₀の近傍では
が成立する。
そして、このことから、y=0またはy=1という値をとることのできる微分方程式(1)の解は定数関数y=0、y=1以外に存在しないことがわかる。
さらに、このことから、この微分方程式(1)の解は、極値を有さないこと、そして、この解が変曲点を有するとすれば、その点のyの値は1/2であることがわかる。
微分方程式(1)を解かなくても、この微分方程式の曲線の性質を調べることができる。
と同時に、変数分離法を使った解法で明らかにならなかった、定数関数y=0、y=1以外に、y=0、y=1をとる解は存在しないことを示すことを示すことができた。
ところで、微分方程式
の(いわゆる)一般解は
である。
(5)をxで微分すると、y≠0のとき
が成立し、さらに、(5)式から
が成り立つ。
変数分離法をもちいた微分方程式(5)の解法で発生したy≠0の時はどうなるのかという「ゼロ割」の悪夢が再び蘇る(^^ゞ
形式的には、
微分方程式(1)では、y≠0、y≠1のとき、
と、
微分方程式(5)では、y≠0のとき
と同であるが、微分方程式(1)と(5)の間には決定的な違いがあるのかもしれない。
だって、微分方程式(5)の解には一般解(6)と特異解である定数関数y=0の他に、次のような解も存在し、しかも、初期値(x₀,y₀)を1つ与えるだけでは、その解を定められないからだにゃ。
微分方程式を
とするとき、
どうやら、(9)の右辺の偏微分
を調べることによって、微分方程式(9)の解が一意であるか、そうでないか、簡易的に判定できる気配が漂っているにゃ。
(1)の場合は、
なので、はR²上で連続な関数。
対して、(2)の場合は、
となり、(x,0)で偏微分不可能で、はR²上で連続な関数ではない。
おそらく、が連続関数であるかどうかというこの簡易判定法で、微分方程式(9)の解が一意であるかどうかのおおよその目安を付けられるに違いない。
きっとそうだにゃ(^^)
お前らに問題(5月28日) 簡単に解ける微分方程式をいかに難しく解くか [お前らに質問]
これは、
1−y²≠0のとき
と、変数分離法を使って解くのが一般的であろう。
ところで、微分方程式(1)は次のように変形することが可能である。
このように変形すると、微分方程式(3)は、
という形の微分方程式、つまり、リッカチ形の微分方程式の一種であることがわかる。
そして、リッカチ形の微分方程式は、一部の例外を除くと、解くことが恐ろしく難しいことで知られている。解けなくて、涙がチョチョギ出るほど難しい。
(1)は、変数分離法でたまたま解けるカタチのリッカチ形の微分方程式だから簡単に解けたのであった。
最近、このブログで何度も登場している
も
と書き直せるので、リッカチ形の微分方程式。
ということで、お前らに問題。
問題 次のリッカチ形の微分方程式を、変数分離法を用いずに、解け。
どちらか一方でいい。変数分離法を使わずに、この微分方程式を解いて欲しい。変数分離法を使わないければ、どんな姑息な手を使っても構わない。
ただし、一般解を(1)、(2)の左辺に代入し計算したら、右辺になるといった解答は解答として認めない。
ちなみに、リッカチ形とベルヌーイ形の微分方程式の一般的な解法については、ねこ騙し数学の次の記事に出ているにゃ。
第5回 ベルヌーイ形、リッカチ形の微分方程式
http://nekodamashi-math.blog.so-net.ne.jp/2017-07-31-5
リッカチ形、微分方程式などで検索をかければ、リッカチの微分方程式の解法について出ているサイトが多数あるはずなので、それを参考にして解いても良いにゃ。
「問題の(1)、(2)の微分方程式の解の1つがわからないから解けないケロ」と言ってはいけない。
(1)の一般解
に、C=0を代入すれば、y=−1という特殊解(?)が出てくるではないか。
また、特異解y=1だってある。
しまった、(2)は確かにリッカチ形ではあるが、ベルヌーイ形ではないか。問題として出してしまった以上、引っ込められないにゃ。さらに、(1)は
と全微分方程式に書き換えられるので、なにかうまい積分因子を見つけられれば、ひょっとしたら、こっちの線で簡単に解けるかもしれない。
あくまで、「かも」だケロ。
そんな都合のいい積分因子はひょっとしたら無いのかもしれない(^^ゞ
よしんば積分因子を見つけられたとしても、その不定積分が初等的な関数で表わせず、最終的にそれは消えてしまうものの、計算過程で死ぬような思いがする計算をしなければならない、なんて事態に遭遇するかもしれない(^^ゞ
ラプラス変換するもよし、フーリエ変換して解こうが、どう解こうが自由だケロ!!
問題の(1)、(2)の微分方程式は、ともに(4)式の形で表されるリッカチ形の微分方程式なのだから、共通の性質を有しているはずである。
そう考えると、問題の(1)、(2)の一般解の曲線が同じような形をしているのも納得できるような気がするような、気がしないような・・・。
(1)の一般解のグラフ
(2)の一般解のグラフ
おそらく、「ただの偶然」の一言で片付けてはいけないのだろう。
ということで、できた奴は、コメント欄にその計算を書き、ネムネコに送信する。
そうしてくれれば、ネムネコがそれを綺麗に清書し、このブログでその解答を紹介するケロ。