数学は、かくも無力か!! [ひとこと言わねば]
何故に、ナンパのブログが学問ブログにという詮索は抜きにして、ブログテーマ学問の上位にランキングするブログのほとんどが歴史関係のブログ。たま〜に、大学入試対策の化学のブログや「海の研究者」さんのブログがTOP8入りすることがあるんだけれど、理系のブログでTOP8に入り続けているブログは、「ねこ騙し数学」だけ。どうしても、理系ネタでは、歴史関係のブログに勝てないんだケロ。
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お前らに質問(3月31日)の答らしきもの(^^ゞ [広義積分]
お前らに質問(3月31日)の答らしきもの(^^ゞ
問題 次の広義積分を求めよ。
この問題の正解は、広義積分は存在しないです。
というのは、
は
の簡略表現で、右辺第1項、右辺第2項が
となって、広義積分を定義することはできないから。
ε>0とすると、
となるので、
としたくなりますが、
(1)は
だから、(2)のように計算をしてはいけないんだね〜。
これは、一般項が
である数列があるとすると、
だから、
となって、は存在しないけれど、
と計算するのと同じ過ちを犯しているというわけ。
なお、
【解答1】の
などは、公式、
の過大適用で論外!!
【解答らしきもの】
ε>0、ε'>0とするとき、
ε→0、ε'→0のとき、(3)が極限値を持てばは存在するが
として、自然数nをどんどん大きくして、ε→0、ε'→0に近づけるとき、(3)の極限値はlog1=0となり、
――先に求めたのは、この場合!!――
また、
として、ε→0、ε'→0に近づけるとき、(3)の極限値はlog2になる。
つまり、εとε’の0への近づけ方によって、(3)の値は変化して、1つの値に定まらない。
したがって、は存在しない。
(解答らしきもの終)
宿題 次の広義積分が存在することを示せ。
【解答らしきもの】
[0,1]では積分可能。
任意のa>1に対して、[1,a]
はaに対して単調増加で
だから、は上に有界。
したがって、は存在する。
よって、
となり、この広義積分は存在する。
(解答らしきもの終)
「今日のアニソン」で紹介した曲、動画が次々と・・・ [ひとこと言わねば]
赤枠で囲んだ「Lamb.」は動画は削除されていないけれど、著作権侵害で日本ではブロックされ、この動画は視聴できない状態になっている(>_<)
今日のアニソン、アリスが踊る『うそつき』 [今日のアニソン]
そして、嘘つきといえば・・・
アルキメデスの公理と単調数列の収束定理 [集合論入門]
アルキメデスの公理と単調数列の収束定理
上限の存在を用いて、次のアルキメデスの公理を証明することにする。
アルキメデスの公理
任意の正数a、b∈Rに対して、適当なn∈Rをとると、
とすることができる。
【証明】
すべてのn∈Nに対して
と仮定すると、すべてのnに対して、
となり、自然数全体の集合Nは上に有界となる。
そこで、
とすると、α−1<αだから、
となるn∈Nが存在する。
よって、
となり、自然数Nに上限αがあることに反する。
したがって、
である。
(証明終)
また、
アルキメデスの公理は、hが正のならば、任意のK>0に対して
となるn∈Nが存在する、
すなわち、
の形であらわすことができる。
問1 aを非負の実数とする。任意の自然数nに対して、
が成立するならば、a=0であることを示せ。
【解】
a≠0とすると、a>0。
すると、任意の自然数nに対して
となり、自然数全体の集合Nは有界となる。(以下、アルキメデスの公理の証明と同様なので、省略)。
したがって、a=0である。
(解答終)
問1の証明で、
よって、ハサミ打ちの定理より、a=0、など答えてはいけない。
いま、やっていることは、数列の極限や数列の極限に関する一連の諸定理の前提となる基礎理論だから、ハサミ打ちの定理を使うと、循環論法になってしまう。
問2 a、b∈R、かつ、a<bならば、a<r<bとなるr∈Qが存在することを示せ。ここで、Qは有理数全体の集合である。
【解】
a<0<bならば、r=0をとればよい。したがって、0≦a<b、a<b≦0の場合を考えればよい。
0≦a<bの場合
b−a>0だから、アルキメデスの公理より
となるn∈Nが存在する。
また、このnに対して
を満たすm∈Nが存在する。
このmのうちの最小のものをとると、
したがって、
このm/nをrに取ればよい。
(解答終)
数列の極限
数列に対し次の条件を満たすα∈Rが存在するとき、はαに収束するという。
任意の正数ε>0に対し、m∈Nが存在し、
このときαをの極限値といい、
などであらわす。
収束しない数列を発散数列という。特に、次の条件を満たすとき、数列は∞に発散するといい、であらわす。
任意のK>0に対して、m∈Nが存在し、
である。
収束する数列については次のことが成り立つ。
定理1 数列の極限はただ1つである。
定理2 とすると、
定理3 (単調数列の収束)
(1) 上に有界な増加数列は収束する。
(2) 下に有界な現象数列は収束する。
【証明】
(1) は上に有界な増加数列なので、
とすると、集合Aは上に有界。
したがって、
が存在し、上限の定義より
である。
は増加数列だから、任意のε>0に対して
となる
ゆえに、n>mである全てのnに対して
したがって、上に有界な増加数列は収束する。
(2) とすると、数列は上に単調な増加数列となり、収束する。
したがって、下に有界な減少数列も収束する。
(証明終)
問3 上の定理を用いて、アルキメデスの公理を証明せよ。
【証明】
h>0、とすると、数列は増加数列。
そこで、
とおく。
Aが上に有界とすると、集合Aには上限αが存在し、
となるが、
となり、h>0に反する。
よって、集合Aは上に有界ではないことになり、アルキメデスの公理は成り立つ。
(証明終)
そして、有界な単調数列の収束の定理とアルキメデスの公理を用いて、次の区間縮小法の原理を証明でき、さらに、区間縮小法の原理とアルキメデスの公理を用いて、デデキントの実数連続性の公理を証明することができる。
定理4 (区間縮小法の原理)