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ddt³さんへ:だって、式が読めないんだもん [ひとこと言わねば]

「擬ベクトルの記事を送ったはずですが・・・」
というddt³さんからのコメントをもらった。

確かに記事はいただいたんですが、式がいくつか読み取れないので、どうしたものか、と判断に困っているんだもん。




式を丁寧に追いかけて、さらにこのアブラカタブラ(M社の数式記述用言語。似ているけれど、ネムネコが使っているものと仕様が微妙に違っていて、それ故に、理解に苦しむところがある)を読み解けば、これが何かわかるんだろうけれど、その時間的余裕と精神的余裕が、いま、ちょっとないんだにゃ。

 ――たぶん、数式(作成用のコマンド)が間違っている。赤枠で囲んだところは、"times"で終わっていて、オペランドが足りない。このため、ネムネコが使っている数式術用言語ではエラー扱いになり、表示が大きく乱れる。――

ネムネコが使っている、Oracleに吸収合併されたSun Microsystems(プログラミング言語のJAVAを作った会社として有名)の数式術用ソフトMathの方が、M社のそれより機能面、記述の簡潔性など点から数段優れていると思う。M社のソフトなんて、全部、ダメダメだにゃ。
くたばれ、マイクロソフト!!


あと、(10)式の表示もおかしいんだケロ。



数式作成言語のプログラム(?)、数式が閉じていない(・・?

見たところ、「×(ベクトル積)」で終わっているのは、左辺の行列自体が演算子っぽいものらしくて、これはこれで、記号的にはありなのかもしれないけれど・・・。


それから、たぶん、(10)式は等号が落ちているんじゃないかな。

  

こうじゃないと、零行列を掛けることになりそうですから。
わかりやすくするために、ベクトルを表す→をつけたケロ。

蛇足ながら、ベクトル3重積には次のような関係が成立するにゃ。

  

だから、一般に、

  

は成立しないので、

  

といった表記は許されない。かならず、計算順序を表す()をつけないといけない。つけないと、(a)、(b)のドッチの意味かわからないから。

なお、ここで、記号はベクトルとベクトルの内積を表すにゃ。

【おまけ】

(a)式から(b)式の証明

  

(a)式のを入れ替えると、

  

Q.E.D.

なお、上記の計算では、外積と内積の交換法則

  

を使っていることに注意。
(a)式も証明しろって?
ひたすら成分計算の(a)式の証明なんて、誰がしたいもんか。
ベクトル解析の教科書だって、x成分の計算をしたのち、「同様に」で逃げているくらいだにゃ。

(おまけ終)

 

この他に、次に示す、スカラー3重積というものがある。

  

そして、このスカラー3重積を

  

と表す。

この括弧[]グラスマンの記号という。

スカラー3重積の幾何学的な意味は、3つのベクトルが作る六面体の体積(±の符号付き体積)だにゃ。

 

ddt³さんの「擬ベクトル軸性ベクトルとも呼ぶ)」の記事中に、グラスマン記号が登場するので合せて紹介したにゃ。

 

ベクトルとベクトルの外積に、
既に擬ベクトル(軸性ベクトル)が潜んでいるとか、いないとか(^^

  

また、この関係式を形式的に用いると、

  

と、スカラー3重積の公式(?)を直ちに導くことができる。


ddt³さんの数式記述言語だとエラーにならず正常に表示されるのかもしれないけれど、ネムネコの数式記述用言語ではエラーになり、表示が乱れるて何が何だかわからなくなるんだにゃ。この判読は困難を極めるんだケロ。


ベクトル積を表す「×」で終わっていいのならば、「""」をつけてもらって、式を閉じさせてもらわないと・・・。
それに、少しでも読むヒトにわかりやすいものにするために、スカラーとベクトルの文字を明確に使い分けたいという思い(たとえば、xという文字は座標を表す場合と、位置ベクトルを表す場合があって、慣れていないヒトがこれを読むと、混乱しやすい)があって、こうした編集作業の時間を考えると、これを今すぐ、全て記事にあげることに二の足を踏んでしまうんだケロ。
それで、「どうしようか、どうしようか」と悩んでいて、記事にするのが遅れているんだにゃ。



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今日のアニソン、「ワンピース」から『Family』 [今日のアニソン]

今日のアニソンは、アニメ「ワンピース」から『Family』です。


ブログに上げる数学の記事に事欠いております。
このネムネコの窮状を救ってくれるFamilyを募集しています。
誰でもいいから、数学関連の記事をくれ〜。



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「お前ら、関数列の収束に関する、この問題を解けるか?」の解答例 [数列と級数]

お前ら、関数列の収束に関する、この問題を解けるか?

 

mondai-graph-00001.png問題

  ome-mon-0001.png

とすると、各点x≧0は極限をもつことを示せ。

また、この収束は一様収束か。

【解答例】

a∈[0,∞]の任意の実数とする。

a=0のとき、nの値にかかわらず、

  

だから、

  

である。

a>0とする。a>1/n、すなわち、n>1/aとなるようにnをとると、

  

よって、

  

したがって、a∈[0,∞)の任意のaについて0に収束し、極限関数f(x)

  

である。

  ome-mon-0002.png

したがって、f(x)=0に一様収束しない。

(解答例終)

 

になるのは、x=1/nのときね。

 

みんな大好き「ε‐δ論法」を使うならば、例えば、次のようになるのでしょう。

 

ε‐δ論法を用いた解答例】

a∈[0,∞)の任意の実数とする。

ε>0を任意の正数とする。

a=0のとき、自然数Nの値にかかわらず、

  

が成立し、0に収束する。

a>0のとき、

  

である自然数Nをとれば、

  ome-mon-0003.png

よって、a>0のときも、nadakkene.png0に収束する。

したがって、x∈[0,∞)の各点で0に収束する。

(以下略)

(解答終)

 

mondai-graph-00002.png少しだけ説明すると、

n>1/aのとき(右図参照)、、

任意のε>0に対して、

   

にすればいいわけだにゃ。

この不等式をと解くと、

  

になる。

だから、1/aεよりも大きな自然数Nを選べば、

  

になる。

なのですが、このN

  

という2つの条件を同時に満たさなければならないので、この条件を同時に満足するように、

  

とする。

 

で、n>1/aN>1/aとするというのは、右の図のように

  

となるのを避けるため。

n>1/a、または、N>1/aにとれば、

  

となり、nNではは減少列になる。

関数列、数列だから、自然数nは、εaにあわせて、いくらでも大きく取れるからね〜。

 

mondai-graph-00001.png解答のaは、xにしても良かったんだけれど、理解を容易にするために、あえてaにしたにゃ。

xだと変数というイメージがどうしてもつきまとうし、aを取り出した時点で、aは一つの値、点として固定されるので、このことを強調するためにaとしました。

 

言い忘れたけれど、

一様収束の判定のところで、

x=1/nのとき、いかなるε>0をとっても、

  

となるので、関数列は一様収束でない

という解答もありです。

 

何故、こうなるかというと、一様収束の定義

  ome-mon-0004.png

を否定すると、

  ome-mon-0005.png

となり、これが一様収束でないことの定義になるから。

これを人間語に訳すと、

「ある正数ε>0があって、全ての自然数Nに対して、

  

とすることができる、自然数nと定義域Dに属する点xが存在する」

とかになりますかね。

そして、これが、関数列は一様収束でないことの定義になる。

x=1/nε=1のとき、この条件を満たしているから、は一様収束でないと結論できる。

 

これを使うと、次の関数列が一様収束するかどうかの判定を簡単に行うことができる。

 

問題

  

は、x≧0に属する全ての点xf(x)=xに収束することを示せ。

また、これは一様に収束するか答えよ。

【略解】

  ome-mon-0006.png

よって、x∈[0,∞)の全ての点xf(x)=xに収束する。

x=1/√nのとき、

  ome-mon-007.png

となるので、この関数列は、一様に収束せず、各点収束である。

(解答終)

 

もちろん、

  ome-mon-0008.png

よって、一様収束でない

としてもよい。

なお、このとき、自然数nはある1つの値に固定されていることに注意。

x≧0のとき、x²/nには上限はないから、こうなるにゃ。

 

omae-mon-graph-0004.png宿題 次の関数列はx≧0の各点で収束するが、一様に収束しないことを示せ。

  kanfuku-100.png

 


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