ddt³さんへ:だって、式が読めないんだもん [ひとこと言わねば]
というddt³さんからのコメントをもらった。
くたばれ、マイクロソフト!!
わかりやすくするために、ベクトルを表す→をつけたケロ。
蛇足ながら、ベクトル3重積には次のような関係が成立するにゃ。
だから、一般に、
は成立しないので、
といった表記は許されない。かならず、計算順序を表す()をつけないといけない。つけないと、(a)、(b)のドッチの意味かわからないから。
なお、ここで、記号はベクトルとベクトルの内積を表すにゃ。
【おまけ】
(a)式から(b)式の証明
(a)式のとを入れ替えると、
Q.E.D.
なお、上記の計算では、外積と内積の交換法則
を使っていることに注意。
(a)式も証明しろって?
ひたすら成分計算の(a)式の証明なんて、誰がしたいもんか。
ベクトル解析の教科書だって、x成分の計算をしたのち、「同様に」で逃げているくらいだにゃ。
(おまけ終)
この他に、次に示す、スカラー3重積というものがある。
そして、このスカラー3重積を
と表す。
この括弧[]をグラスマンの記号という。
スカラー3重積の幾何学的な意味は、3つのベクトルが作る六面体の体積(±の符号付き体積)だにゃ。
ddt³さんの「擬ベクトル(軸性ベクトルとも呼ぶ)」の記事中に、グラスマン記号が登場するので合せて紹介したにゃ。
ベクトルとベクトルの外積に、
既に擬ベクトル(軸性ベクトル)が潜んでいるとか、いないとか(^^ゞ
また、この関係式を形式的に用いると、
と、スカラー3重積の公式(?)を直ちに導くことができる。
それに、少しでも読むヒトにわかりやすいものにするために、スカラーとベクトルの文字を明確に使い分けたいという思い(たとえば、xという文字は座標を表す場合と、位置ベクトルを表す場合があって、慣れていないヒトがこれを読むと、混乱しやすい)があって、こうした編集作業の時間を考えると、これを今すぐ、全て記事にあげることに二の足を踏んでしまうんだケロ。
それで、「どうしようか、どうしようか」と悩んでいて、記事にするのが遅れているんだにゃ。
今日のアニソン、「ワンピース」から『Family』 [今日のアニソン]
このネムネコの窮状を救ってくれるFamilyを募集しています。
誰でもいいから、数学関連の記事をくれ〜。
「お前ら、関数列の収束に関する、この問題を解けるか?」の解答例 [数列と級数]
お前ら、関数列の収束に関する、この問題を解けるか?
とすると、各点x≧0では極限をもつことを示せ。
また、この収束は一様収束か。
【解答例】
a∈[0,∞]の任意の実数とする。
a=0のとき、nの値にかかわらず、
だから、
である。
a>0とする。a>1/n、すなわち、n>1/aとなるようにnをとると、
よって、
したがって、a∈[0,∞)の任意のaについては0に収束し、極限関数f(x)は
である。
したがって、はf(x)=0に一様収束しない。
(解答例終)
になるのは、x=1/nのときね。
みんな大好き「ε‐δ論法」を使うならば、例えば、次のようになるのでしょう。
【ε‐δ論法を用いた解答例】
a∈[0,∞)の任意の実数とする。
ε>0を任意の正数とする。
a=0のとき、自然数Nの値にかかわらず、
が成立し、は0に収束する。
a>0のとき、
である自然数Nをとれば、
したがって、はx∈[0,∞)の各点で0に収束する。
(以下略)
(解答終)
n>1/aのとき(右図参照)、、
任意のε>0に対して、
にすればいいわけだにゃ。
この不等式をと解くと、
になる。
だから、1/aεよりも大きな自然数Nを選べば、
になる。
なのですが、このNは
という2つの条件を同時に満たさなければならないので、この条件を同時に満足するように、
とする。
で、n>1/aやN>1/aとするというのは、右の図のように
となるのを避けるため。
n>1/a、または、N>1/aにとれば、
となり、n≧Nではは減少列になる。
関数列、数列だから、自然数nは、εやaにあわせて、いくらでも大きく取れるからね〜。
解答のaは、xにしても良かったんだけれど、理解を容易にするために、あえてaにしたにゃ。
xだと変数というイメージがどうしてもつきまとうし、aを取り出した時点で、aは一つの値、点として固定されるので、このことを強調するためにaとしました。
言い忘れたけれど、
一様収束の判定のところで、
x=1/nのとき、いかなるε>0をとっても、
となるので、関数列は一様収束でない
という解答もありです。
何故、こうなるかというと、一様収束の定義
を否定すると、
となり、これが一様収束でないことの定義になるから。
これを人間語に訳すと、
「ある正数ε>0があって、全ての自然数Nに対して、
とすることができる、自然数nと定義域Dに属する点xが存在する」
とかになりますかね。
そして、これが、関数列は一様収束でないことの定義になる。
x=1/n、ε=1のとき、この条件を満たしているから、は一様収束でないと結論できる。
これを使うと、次の関数列が一様収束するかどうかの判定を簡単に行うことができる。
問題
は、x≧0に属する全ての点xでf(x)=xに収束することを示せ。
また、これは一様に収束するか答えよ。
【略解】
よって、x∈[0,∞)の全ての点xでf(x)=xに収束する。
x=1/√nのとき、
となるので、この関数列は、一様に収束せず、各点収束である。
(解答終)
もちろん、
よって、一様収束でない
としてもよい。
なお、このとき、自然数nはある1つの値に固定されていることに注意。
x≧0のとき、x²/nには上限はないから、こうなるにゃ。
宿題 次の関数列はx≧0の各点で収束するが、一様に収束しないことを示せ。