今日のアニソン、「ゾンビランドサガ」より『徒花ネクロマンシー』 [ひとこと言わねば]
[座屈ってご存知ですか?] 第2回 [ddt³さんの部屋]
3.曲がったと仮定してみる
事故調査委員会の有識者の誰一人として親柱が曲がると想定しなかったのは、親柱が曲がるためには、水平方向の力が必要だからです。もちろん現実の施工誤差を考えると、水平材は親柱と完全に直交する事はないでしょうから、ちょっとは水平材が親柱を水平に押したり引っ張ったりする可能性はあります。しかしそれはあくまでちょっとであり、職人達の群衆荷重Pに比べたらカスみたいに小さいはずです。水平材からの作用を無視できないくらい親柱が傾いていたら、最初から傾いた足場を立てたからだという結論になります(^^;)。
それでも秀才オイラー君は、「親柱は曲がって折れた」と主張しました(・・・本当に主張したかどうかは、知りませんが)。きっと「またまた奇矯な事を。常識がないなぁ~。これだから現場知らずの学者は。天才と何とかは紙一重だ」・・・などなどと陰口を叩かれたに違いありません(^^;)。オイラー君は、まっすぐな鉛直下向きの圧縮力しか柱に作用しない状態に対して、それが曲がる理由を見つける必要に迫られます。
しかし普通に考える限り、親柱は曲がる訳ありません。そんな事はオイラーさんも百も承知です。そこで、
「何かの拍子に、間違ってちょっと曲がってしまったら?」
と考えたのでした(^^)。
一般に長手方向に平行に圧縮力(引張力)Pを受ける線材を棒といい、長手方向と直角に(水平に)「横荷重q」を受ける線材を梁といいます。
図-2に示した親柱には、圧縮力Pにより棒としての圧縮変位v(x)が生じ、横荷重qにより梁としての曲げ変位u(x)が生じます。xは図のように柱の根元から鉛直上向きに取ります。
v(x),u(x)とP,qとの関係は以下です。
(9)を棒の微分方程式,(10)を梁の微分方程式といいます(まんまじゃん(^^;))。Eは弾性係数で、柱の材料によって決まる材料定数です。Aは柱の断面積,Lは図-2に示した柱の長さです。
(9)のEA/Lは、じつはこの棒のバネ定数になります。つまり(9)は、高校時代にやったフックの法則によるバネの伸び縮みを、ちょっと難しく書いただけのものです。
一方(10)のIは、断面2次モーメントと言われる断面定数で、図-3と(11)で定義されます。(11)でRは、図-3のyz平面で梁断面の形状を表す領域。y,z軸の原点は、梁の断面重心を通るものとします。
(10)のEIは、ゼンマイバネがx方向に連続的に並んだ状況を表します((9)は、普通の伸び縮みバネが連続的に並んだ状況)。ゼンマイってわかります?。回転に対して抵抗するバネです(^^)。回転に対して抵抗するバネなので、バネの抵抗値はd2u/dx2に比例する事になり、そのバネ定数がEIです(これも一種のフックの法則)。また断面には、回転力(だけ)が作用している事になりますが、(9)と(10)の本質的な発想はいっしょと言えます。
(9),(10)に示すように、柱の圧縮挙動と曲げ挙動を別々に扱って良いのは、当時からわかっていました。別々にというのは、(9),(10)にはu,vが混在せず圧縮と曲げは連成しない、という事です。じつは(9),(10)の開発者の一人が、オイラーさんなのです。
という訳で柱の曲げを考えるなら、(10)だけみてれば良い事になります。図-1ではq=0です。従って普通に考えれば、q=0の時の(10)の一般解は、
です。境界条件を考慮して、(12)を一意にできます。まず柱の両端で水平変位u(x)は0です。すなわちu(0)=u(L)=0。次にピン支持とローラー支点の特性を思い出します。ピン支持とローラー支点では、自由に回転できるのでした。という事は、その点のゼンマイバネは何の回転力も受けません。ゼンマイバネの抵抗値は、EI・d2u/dx2なのでした。従って境界条件を並べてみると、
(13)の第1式と2式より、b=d=0。b=0を第4式に代入すれば、a=0。a=b=d=0を第3式に代入すれば、c=0。結局a=b=c=d=0なので、u(x)=0です。横荷重qがなければ、柱は曲がらないという当然の結果でした(^^;)。オイラー以外の有識者たちが、親柱は曲がらないと考えたのは無理からぬ話です。
しかしオイラーの発想は違うのです。
「間違って曲がってしまったら?」
ですから。さすが(10)の開発者と言うべきなのか・・・。
(10)は最初は曲がってない状態から、どんだけ曲がるか算出する式です。そうではなくて、(何故か知らないが)柱が曲がってしまったら?、です。曲がった柱を想定し、それを途中の位置xで切断して力の釣り合いを取ると、図-4になります。
柱が曲がっちゃった(^^)とすると、圧縮力Pは位置xにおいて、柱の軸線からu(x)ずれて作用する事になるので、位置xの断面にはP×u(x)だけの回転力が作用する事になります。[回転力]=[作用力]×[回転中心からの距離]だからです。トルクの定義です。
この回転力をゼンマイバネは受ける事になります。回転力はd2u/dx2に比例するのでした。そして図-4から、この回転力はPに比例する事も明らかです。これらの効果を考慮して(10)を書き直すと、
が得られます。ただしq=0としています。
(14)を長柱座屈のオイラー方程式と言います。
4.座屈方程式を解いてみる
(14)は明らかに2階積分可能です。
(15)に特性方程式を使って一般解を導くと、
の形になります。a,b,c,dは積分定数。境界条件をつけて解を特定します。図-2と4を比較すれば明らかなように、境界条件は前といっしょです。
第2式より、k≠0(P≠0)とすればc=0。従って第1式よりb=0。残りを行列形式で整理すれば、
まずa=d=0(a=b=c=d=0)は(17)の解なので、u(x)=0は(15)の解の一つです。(a,d)≠(0,0)のケースを考えると、(17)の係数行列の行列式が0の場合です。
L≠0,k≠0に注意すると、
そうするとsin(kL)は常に0なので、(17)からa=0。境界条件、
から得られる(15)の特解(?)は、
という事になります。ここにδは任意です。1.で述べたのと同じ状況です。
今日のアニソン、「ヴァンパイア騎士」から『二つの鼓動と赤い罪』 [今日のアニソン]
同アニメ(第1期)のOPはこちら↓
[座屈ってご存知ですか?] 第1回 [ddt³さんの部屋]
[座屈ってご存知ですか?]
自分の専門は土木です。現在に至るまでには一時IT業界なんかにも脱走してた時期もありましたが、結局は出戻り、今は再び土木施工会社にいます。
土木ってどんなイメージですか?(^^)。薄汚い作業服を着た髭ぼうぼうのイケイケ労務者親爺や、茶髪長髪のニッカポッカ着用のイケイケ兄ちゃんが、体力にものを言わせて酒と煙草をやりまくり問題を起こす・・・。
普段の自分の生活を反省すると、決して否定は出来ないなぁ~。確かに喫煙率と酒呑み率は、一般社会人より遥かに高いよなぁ~。だいたい土と木だしなぁ~・・・(^^;)。
日本土木学会(今もある)では上記イメージを払拭しようと一時期、土木改名論が起こったのですが、けっきょく長老たちの土木という名前に対する愛着が強く、運動は潰えたのでした。それで日本土木学会の名は、今もあります。ただし各大学,高専,専門学校では、土木工学科の名前は自由に変えても良い事になりました。
それで今では、旧姓(?)土木工学科が「社会環境整備工学基礎専攻」などと人を煙に巻くような姓となり、土木の家名は日本全国から消え去ったのです。
しかし若人よ騙されるな!。姓がどう変わろうと土木は土木なのだ。社会環境整備工学基礎専攻のFirst Nameは土木です(社会環境整備工学基礎専攻 土木さん)。覚悟して入って来るように(^^)。
しかし一方で、海外で土木技術者はかなり尊敬されます。それは社会インフラの整備者だからです。その名も、Civil Engineerer(シビル・エンジニア=市民社会のための技術者)。かなり格好良いじゃないか。土木労務者の語感とはずいぶん違うわな・・・(^^;)。
そして土木工学には、思わぬ数理が潜んでいます。その一つが座屈現象です。英語ではBuckling(バックリング)と言います。
1.初期条件と境界条件は同じでない件について・・・
いちばん単純に、次の常微分方程式を考えましょう。
u(x)が未知関数でmとPは定数係数とします。単振動です。これを0≦x≦Lで解くとします。(1)の一般解は明らかに、
です。a,bは積分定数。(2)を一意にするには、x=0で初期条件を与えa,bを特定する必要があります。例えば、u(0)=u'(0)=0とすれば、(2)はu=0から動かない解になります。じっさい、
であり、一般にP≠0で考えるのでk≠0でもあり、a=b=0が得られます。
解析領域の始端(x=0)で微分方程式の階数に等しい(積分定数の数に等しい)個数の条件を与える事を、初期条件と呼ぶ事にします。
次に、解析領域の始終端(x=0,L)で1個ずつ2個の条件を与えても、同じ解が出ると思われます。だって積分定数の数は、同じ2個なんですから。
解析領域の始終端で微分方程式の階数に等しい個数の条件を与える事を、境界条件と呼びます。(3)からu(x)=0になるので、境界条件としてu(0)=u(L)=0を取ります。(2)に代入すれば、
です。第1式からa=0なので、第2式はb×sin(kL)=0となりk≠0だからsin(kL)は0と限らず、やはりb=0が必要でu(x)=0。従って、初期条件と境界条件は同値。
上記は一見正しそうに見えますが、じつは穴があります。「sin(kL)は0と限らず」の部分です。この条件は明らかに「任意のkに対して」という事態を想定してます。k2=P/mだったので、任意のP/mに対してです。しかし特定のP/mに対しては?。
いまmを固定し、Pを自由に変えられるものとします。そうして、
とおいてみれば、b≠0の時k=nπ/L,n=1,2,・・・という解「も」得られます。この時bは任意で、
つまりPが(6)を満たす時は、微分方程式、
に境界条件u(0)=u(L)=0を指定しても、
という一般(?)解が得られるだけだとわかります。特解u(x)=0は(8)の形に含まれますが、u(x)=0は特定されません。初期条件と境界条件は同値でないケースもあるとわかります。
以上の話は、(8)をxで微分してみればわかるように、n=1,2,・・・に対してu'(0)はみな違うので、初期条件が解を一意に定めるという、常微分方程式論の基本定理に矛盾するものでもありません。たんに初期条件と境界条件は同値でない事がある、という事実です。
2.座屈現象の発見
ここに登場するのはレオンハルト・オイラーです。ウィキによるとこんな人みたいです。品の良さそうな秀才そうな顔立ちですが、肖像画ですので、今の選挙ポスターのみたいに修正入りまくりかも知れません(^^;)。
オイラーは18世紀の人です。そのオイラーの近辺では当時、足場倒壊事故が多発しました。あまりにも多発したので今風に言うと、足場倒壊事故調査委員会が発足したのでした。
足場とは、昔も今も基本的には変わりません。背の高い垂直な壁を左官したりするために今でも良く見かける、支持棒を縦横に組んで積み上げ、足場板を渡したものです。
図に示した親柱・水平材・足場板が今は鋼製,昔は木材、接合部が今はクランプと呼ばれる金属継手,昔は荒縄・・・くらいの違いしかない気がします。要するに構造系は昔も今もいっしょです。足場の状態を最も単純化すれば、図-1になります。
足場の水平材は、もちろん壁に固定されると仮定します。足場板の上には作業するために職人達が載り、職人達の群衆荷重が足場板と水平材を通じ圧縮力Pとなって、親柱に作用します。図右側の△とアンダーライン付き△は、それぞれピン支持,ローラー支点と言われ支持条件を表します。
地面を意味するたんなる△(ピン支持)は、親柱が上下左右方向には動かないが、△に対して自由な角度を持てる事を意味します。これは親柱の先端をたんに地面に置いただけ、という事で、現実にこの理想化は妥当なのがわかっています。
ローラー支点(アンダーライン付き△)は、親柱が左右方向には動かないが上下方向には動けて、かつ水平材と親柱の角度は自由である事を意味します。
親柱が左右方向に動かないのは、壁に固定された水平材が親柱の左右方向の動きを拘束するからです。上下方向に動けるのは、水平材から受け取った圧縮力によって親柱が圧縮されて短くなっても、水平材はその動きに抵抗しないからです。何故なら水平材と親柱の角度は自由だから。それは昔、水平材と親柱は荒縄で縛られてた事を考えれば明らかです。現在のクランプ接合も似たようなものです。
そういう訳で常識的に図-1を認める限り、足場倒壊事故の原因は明らかでした。職人たちの群衆荷重の大きさPが親柱の圧縮強度を超え、親柱がつぶれて事故が起こったのです。これを圧壊と言います。事故調査委員会の面々は思ったのです。「これは経験ばかりに頼って学を無視する学のない職人たちのせいだ」・・・と。
しかし事故現場を見たオイラーはただ一人思ったのです。「これは圧壊ではなく、曲げ破壊だ!」と。曲げ破壊とは図-1に赤点線で示したように、親柱が曲がって曲がり過ぎて折れる事態を言います。一方圧壊とは、親柱がたんに鉛直下向きに縮んでつぶれるのですが、最後には曲がったりもするでしょうから、その破壊状況からの判定は非常に微妙になるとは思います。特に木材のように靭性が高く、節目もあるような非一様性材料の場合は。
(執筆:ddt³さん)
ddt³さんから「座屈」についての記事をいただいた [ひとこと言わねば]
なので、今日から数回にわたって座屈についての記事を紹介することにするにゃ。
焼き鳥の串のように長細い棒があるとするにゃ。この棒の端の片方を床やテーブルの上につけて垂直に立てるとするケロ。そして、床やテーブルにつけていない棒のもう片方の端を力を込めてギュッと押すと、細長い棒は、バネのように長さ方向に縮まないで、クニャっと横に折れ曲がるだろう。
こうした現象を座屈っていうにゃ。
――細長いというのは、例えば、棒の太さと長さの比で決まる幾何学的なもので、相対的なものだからね〜。――
乞う、ご期待だにゃ。
同アニメの阿良々木くんは、数学が得意で、オイラーと呼ばれたがっていたらだにゃ。
だから、ニュートンがそうであったように、微分積分などの解析学屋さんは物理学もやるんだにゃ。
ベルヌーイ一家、オイラー、ラグランジュ、ラプラス、ダランベールなど、数学史に名をとどめる大学者が物理学の力学をやっているんだケロ。19世紀の前半に活躍した大数学者ガウスは、数学者であると同時に天文学者であろうとしたしね・・・。フーリエ級数で有名なフーリエは、熱伝導の研究もしていたし、のみならず、エジプトの考古学まで研究していた(笑)。
数学(の解析学)と物理学がハッキリと分化したのは19世紀の半ばくらいだね。
魅力度ランキング 茨城は6年連続最下位 産経 [ひとこと言わねば]
民間調査会社「ブランド総合研究所」(東京都港区)が発表した、都道府県魅力度ランキングで、茨城県は6年連続で全国最下位に。茨城県の「伸び悩み」を印象づける結果となった。https://t.co/sckQObvYqH
— 産経ニュース (@Sankei_news) 2018年10月15日
魅力度NO.1の北海道に住むddt³さんが何度も新潟県にやって来るんだから、新潟県の魅力がこんなに低いはずがないと思うんだが・・・。
人口が多くてオシャレな港町横浜をもつ神奈川、人口が多くてディズニーランドをもつ千葉、そして、東京を除く関東地方の県は、群馬(42位)、埼玉(43位)、栃木(44位)、そして、全国最下位で安定している茨城と最底辺に沈んでいる模様。
人気アニメ「ガルパン」で茨城県の大洗は出ているんだけどな〜。
https://diamond.jp/articles/-/182136?page=2
https://diamond.jp/articles/-/182136?page=3
食あり、古い文化・芸能あり、高山植物・山野草の宝庫、屋久島の縄文杉に匹敵する杉の巨木、奇木があって、さらにトキまでいる。そして、海釣りをするヒトにとって佐渡は憧れの楽園、パラダイス。
何と、イワナまで釣れてしまう。
ウソじゃないにゃ、その証拠の画像がこれ↓だ。
関数の連続の問題の解答例 [位相入門]
関数の連続の問題の解答例
基本問題 次のことを示せ。
cを実定数とする。
とすると、関数fはa∈Rのすべての点aで連続となること示せ。
【解答例】
(1) c=0のとき
すべてのx∈Rに対してf(x)=0である。
したがって、任意の正数εに対して、それとは無関係にδ>0を選び、
とすることができる。
(2) c≠0のとき
εを任意の正数とする。
とδを定めれば、
(1)、(2)より、f(x)はa∈Rのすべての点aで連続である。
(解答終)
応用問題 次のことを示せ。
f(x)=x² (x∈R)は、a∈Rのすべての点aで連続であることを示せ。
【解答例】
δ>0、|x−a|<δとすると、
となる。
したがって、任意の正数εに対して、
となるように、δ>0を定めればよい。
この2次方程式を解くと、
δ>0なので、
とδを定めれば、任意の正数εに対して
が成立する。
よって、f(x)=x² (x∈R)は、a∈Rのすべての点aで連続である。
(解答例)
このように解いてもいいけれど、次のように解くのが一般敵。
【別解】
εを任意の正数、0<δ≦1とすると、
が成立するようにδを定めればよい。
よって、
任意の正数εに対して、
とδを定めれば、
が成立する。
よって、f(x)=x² (x∈R)は、a∈Rのすべての点aで連続である。
(別解終)
0<δ≦1なので、δ²≦δである。
また、
とすると、たとえば、ε=9、a=1のとき、
となるので、こうならないように、
とするとよい。
――①の導出の仮定に0<δ≦1が入っているため――
これならば、δが1を越すことがないので、OKというわけ。
発展問題 次のことを示せ。
nを正の整数とする。は、a∈Rのすべての点aで連続であることを示せ。
【解答例】
任意の正数εに対して、
とおくと、δ>0で、ならば、
よって、nを正の整数とする。は、a∈Rのすべての点aで連続である
(解答終)
このような証明は、「おっ、すげぇ〜。うまく証明してやがる」と感嘆するにかぎる。
真似しようたって真似なんてできないので、絶対に、真似しようとしてはいけない。
ということで、次の問題をやるべし。
追加問題
f(x)=x³ (x∈R)は、a∈Rのすべての点aで連続であることを示せ。
ネムネコの頭上を白鳥が飛ぶ [ひとこと言わねば]
この声は、紛れもなく、ハクチョウだケロね。おそらく、鳥屋野潟に帰ってゆくハクチョウだにゃ。
そこで、念の為、鳥屋野潟へのハクチョウの飛来状況をねっとで調べてみたら、次の記事を見つけた。
もし絶対零度の世界(?)を作り出すことができたとしても、量子力学の不確定性原理に基づく零点エネルギーがどうしても残るので、このエネルギーだけは奪うことはできないと思うケロ。そして、エネルギーと時間は不確定の関係にあるので・・・。
お前らに問題(ε‐δ論法を用いた関数の連続編) [お前らに質問]
お前ら、 ε‐δ論法を知っているよな。
ということで、ε‐δ論法を用いた関数の連続に関する確認問題。
その前に、念のために、ε‐δ論法による関数の連続の定義を挙げておく。
任意の正数ε>0に対して、
となる正数δ>0が存在するとき、関数fは点aで連続であるという。
より厳密に書くと、
任意の正数εに対して、ある正数δが存在し、を満たす任意のxについて、
が成り立つとき、関数fは点aで連続であるという。
Rを実数全体の集合とする。
例題1 関数f(x)=xが、x=aで連続であることを示せ。
【解】
任意の正数εに対し、
とδを定めれば、
が成立する。
よって、関数f(x)は点aで連続である。
(解答終)
例題2 関数f(x)=2xがa∈Rのすべての点aで連続であることを示せ。
【解】
任意の正数εに対して、
とδを定めると、
が成立する。
よって、関数f(x)=2xはa∈Rのすべての点aで連続である。
(解答終)
例題1、例題2のδの定め方はあくまで一例だケロ。
例題1,例題2ともに、
とδを定めてもいいし、
などなど、無数に存在するので、どれを選ぼうが選ぶヒトの自由だにゃ。
要は、任意のε>0に対して、(1)を満たすδ>0の存在さえ示せばいいんだケロ。
基本問題 次のことを示せ。
cを実定数とする。
とすると、関数fはa∈Rのすべての点aで連続となること示せ。
応用問題 次のことを示せ。
f(x)=x² (x∈R)は、a∈Rのすべての点aで連続であることを示せ。
発展問題 次のことを示せ。
nを正の整数とする。は、a∈Rのすべての点aで連続であることを示せ。
基本問題は例題2でほとんど解いているようなものなので、基本問題くらいは解けよな。
基本問題なんてチョロいというヒトは応用問題にチャレンジ。
これすらチョロいというひとは、発展問題にチャレンジする。
念の為に言っておくが、使っていいのは、記事冒頭で紹介した関数の連続の定義と、あとは、実数の基本的な性質だけだからな。
例題1より、「g(x)=x、h(x)=xが連続(関数)なので、f(x)=g(x)h(x)=x²は連続である」といった回答は認めないので、そこんところ、よろしく。
そして、ネムネコは、ニヤリと、ひとりほくそ笑み、答案を減点するに違いない(^^)
位相 第5回 近傍と連続写像 [位相入門]
位相 第5回 近傍と連続写像
§1 近傍と近傍系
を距離空間とする。x∈Xと、実数ε>0に対し、
となるXの部分集合をxのε-近傍という。
x∈Xに対して、Xの部分集合Uが
をみたすとき、Uをxの近傍という。また、xの近傍全体の集合を近傍系といい、などで表す。
とくに、Uが開集合のとき開近傍といい、Uが閉集合のとき閉近傍という。
例1 Rを実数全体の集合、a,x∈Rとし、
とおく。
このとき、であり、任意の正の整数nに対して、とおけば、
が成立するので、は点aの開近傍となる。
例2 a,x∈Rとし、
とすると、はR上の閉集合で、
となるので、は点aの閉近傍になる。
定理1 を距離位相、をx∈Xの近傍系とする。このとき、次が成り立つ。
(1) ならばx∈Uである。
(2) ならばである。
(3) かつU⊂V⊂Xならばである。
(4) 任意のに対し、あるが存在し、V⊂Uかつ任意のy∈Uに対してとすることができる。
【証明】
(1)、(3)は明らか。
(2) だから、正の実数ε₁、ε₂でとすることができる。とすれば、
(4) に対してとおけばであり、任意のに対してとなる。
(証明終)
§2 連続写像
1変数関数f;R→Rが点aで連続であるとは、次の関係が成り立つことである。
このことは、ユークリッド空間Rに通常の距離を入れると、
さらに、
と書き換えることができる。
そして、このことは、
どのような正の実数εに対しても、点f(x)のε-近傍のfによる逆像が点aにおける近傍となるとき、写像fは点aで連続である
と言い換えることができる。
ある正の実数εに対してが点xの近傍であれば、ε'>εであるようなどんな実数ε'に対してもは点xの近傍となる。
なぜならば、
だから、定理1の(3)によっても点xの近傍になるからである。