SSブログ

今日のクラシック、アーサー・サリヴァン作曲 交響曲ホ長調『アイリッシュ』 [今日のクラシック]

今日のクラシックは、19世紀後半に活躍したイギリスの作曲家、アーサー・サリヴァン作曲の交響曲ホ長調『アイリッシュ』です。


『アイリッシュ』というタイトルから容易に想像がつくと思いますが、メンデルスゾーンの交響曲第3番『スコットランド』を意識した曲で、1楽章はメンデルスゾーン的。非常にメロディアスで、難しいことを考えることなく、気楽に聞けます。


しかし、2楽章、3楽章は、凡庸で間延びしている感が強いので、曲が進むに連れて飽きてきて、聞くのが辛くなった。ではあるが、イギリスの民族音楽的な色彩は、3楽章に最もよく現れているのではないか。
そして、第4楽章は、再び、メンデルスゾーン的になり、この作曲家の独自性、個性といったものを感じることができなかった。
シューマン、シューベルトの影響を指摘する音楽評論家、研究者もいるようですが、 全体的に、アーサー・サリバンの交響曲は劣化版メンデルスゾーンといった感じ。しかも、作曲の様式も初期ロマン派の枠内にとどまっていて、サリヴァンが生きていた時代からしても、既に時代遅れの音楽だよね〜。

サリヴァン(1842〜1900年)、ドヴォルザーク(1841〜1904年)だから、サリヴァンはドヴォルザークと同世代の作曲家。
サリヴァンの交響曲『アイリッシュ』が発表されたのは1866年で、これとほぼ同時期の1865年にドヴォルザークは習作臭の強い交響曲第2番(1865年)を作曲しているので、この2曲をあわせて聞いてみると面白いのかもしれない。


この2曲を聴き比べると、曲自体は単純であるが、曲のまとまりの良さ、完成度などは、むしろ、サリヴァンの方に軍配が上がるのかもしれない。
『アイリッシュ』はサリヴァンが20代前半の曲であり、後に花開く才能の片鱗は十分に窺えるが、有名な大作曲家・ドヴォルザークもこの年齢のときにはこの程度の曲――作曲約20年後の1887〜1888年に、冗漫な箇所を削除するなど改訂。それでもまだ冗漫で、唐突感のある箇所が多数存在し、ごった煮感が強い――しか作れなかったのだから、『アイリッシュ』一曲をもって、作曲家サリヴァンを評価してはいけないのだろう。

アーサー・サリバンは、この交響曲『アイリッシュ』の他に、オペレッタや劇付き音楽などを数多く作曲しており、その中に、日本を題材にした『ミカド』というオペレッタがある。



興味のあるヒトは、YouTubeの上の動画を見るといいと思うにゃ。
衣装以外、日本的な要素はありませんが、オペレッタというよりもミュージカルに近いので、見やすい、聴きやすい動画ですよ。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

お前らに問題(7月21日) 位相 [お前らに質問]

お前らに問題(7月21日) 位相

 

Xを空でない集合とする。

(1) O={∅,X}とおくと、OXの上の位相となる。これをX密着位相という。

(2) OXの冪(べき)集合、すなわち、とおくと、OXの上の位相となる。これをX離散位相という。

 

ここで、記号∅は空集合をあらわす。

 

さて、とすると、Xの冪集合は

 

である。

ここで、とおけば、OXの(離散)位相となる。

何故ならば、

  

という、位相の条件を満たしているからだ。

そして、このことから、Xの冪集合のすべての元(Xのすべての部分集合)は位相空間〈X,O〉の開集合(以降、開集合と略記)になる。

 

では、ここで、お前らに質問。

 

問題

OX={1,2,3}の冪集合とするとき、OXの位相となる。

このとき、Oの元、つまり、Xの部分集合は、すべて開集合であると同時に閉集合であることを示せ。

Oを整数全体の集合Zの冪集合とするときはどうか答えよ。

 

こんなのは簡単だという奴は、

X={1,2,3}の相異なる2つの元xyは、互いに交わらない開集合UVを用いて、x∈Uy∈Vとできる、つまり、分離できることを示せ。

 

要するに、X={1,2,3}のとき、位相空間がハウスドルフ空間(Hausdorff Space)、分離空間であることを示せってんだ。

 

これもチョロいという奴は、次の問いにチャレンジする。

 

問 ハウスドルフ空間の一点集合はつねに閉集合であることを示せ。

 

自分の頭の⑨ぶりに絶望するといいにゃ(^^)

 

 

そして、ネムネコに

 

 

 

なんと心地良い調べか♪

 

 

 

念の為に、閉集合の定義は、次の通り。

X,O〉を位相空間とする。集合Xの部分集合Aは、その補集合が開集合であるとき、閉集合という。

 

 

ひとりごと


nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

今日のアニソン、ボカロから『ゴーストルール』 [今日のアニソン]

今日のアニソンは、ボカロから『ゴーストルール』です。


鬼人正邪はやっぱ可愛いにゃ。そう思わないケロか?



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

ddt³さんの解答と位相の話を少し [数学基礎]

このブログの共同執筆者のひとりであるddt³さんから、ddt³さん提出の次の問題(7月18日)の回答をいただいたので、これを紹介することにする。

 

 位相をかじってると次のようになります。ただし我慢して定義の連続を読む必要はありますが(^^;)、頭の体操です。

 

 

[分離空間の定義]

 Xを位相空間とする(位相空間の定義を読む)。

 xy∈Xかつx≠yについて、共通分が空となるxの近傍とyの近傍がある(位相空間の近傍の定義を読む)。

 

 

 Xを集合,x∈Xとして、(xx)の形の点全体の集合を、積集合X×Xの対角集合Δと言います。

 

[定理-1

 Xが分離位相 ⇔ X×XでΔは閉。

[証明]

 省略。でも定義だけから示せます。

 

 必要な定義:

  分離空間の定義。位相空間の開集合,閉集合,近傍の定義。

[証明終]

 

 

[定理-2

 Xを位相空間,Yを分離空間、fg:X→Yかつ連続とする。f(x)g(x)となるxの全体Dは、Xで閉。

[証明]

 h:X→Y×Yで、x→(f(x)g(x))の形のものを考える。

 fg:X→Yは連続だから、hも連続(積写像と連続写像の定義とそれから導かれる性質)。

 Dは、Y×Yの対角集合Δhによる逆像に一致する。Δは[定理-1]より閉集合なので、連続関数の性質からDは閉。

 

 ※もちろんE={(pq)f(x)g(x)となる(pq)(f(x)g(x))}は、一般にΔと一致しません。しかしhの定義から、

 

  h()=E∩Δ⊂Δ

 

になるので、特にDの定義から、

 

  D=h^(-1)(E∩Δ)h^(-1)(Δ)

 

です。本当は証明すべきですが。

[証明終]

 

 

[系-1(等式延長の原理)]

 fg:X→Yかつ連続、Xを位相空間,Yを分離空間とする。

 A⊂XがXで密とすれば、A上でfgならXでfg

[証明]

 1) Dを[定理-2]の集合とすれば、A⊂D(逆像の定義と性質)。またDは閉集合。

 

 密空間(稠密空間)の定義から、Aの閉包をA’として、

 2) 1)からA’⊂D。Dが閉である事と閉集合の定義。

 3) A’=X。密空間の定義。

 

 2)3)より、D⊂X=A’⊂Dなので、D=X。

[証明終]

 

 

ネムネコの補足

 

位相の定義を上げると、たとえば、次のようになる。

 

空でない集合Xに対し、Xの部分集合の集合OXのべき集合の部分集合)が

  

をみたすとき、OX上の位相、XOの組〈X, O〉を位相空間という。

 

さらに、位相空間〈X, O〉の開集合、閉集合、近傍などの用語説明。

 

位相空間〈X, O〉に対して、

1 Oの元(要素)を開集合という

2 Xの部分集合Aは、その補集合が開集合であるとき、閉集合という。

3 x∈XXの部分集合Vに対して、x∈U⊂Vとなる開集合Uが存在するとき、Vx近傍であるという。

 

この定義から、Xの補集合は空集合∅、そして、空集合∅の補集合はXだから、Xと∅は、開集合であると同時に閉集合になる。

Xと∅以外に、開集合かつ閉集合である集合が存在しないとき、位相空間〈X, O〉は連結であるという。

 

そして、分離空間とは、Xの相異なる2点がつねに交わらない2つの開集合によって分離できるハウスドルフ空間のこと。

 

さらに、分離の定義。

 

X, O〉を位相とする。

Xの相異なる2点abが、互いに交わらないXの開集合ABで、a∈Ab∈Bとなるものが存在するとき、開集合によって分離されるという。

 

HausDolf-fig-001.png

 

実数全体の集合Rと、その部分集合である開区間I(条件a<x<bを満たす集合)は、この上の性質を全て有している。

 

こんなことは知らなくていいことですが、

位相にはT₀T₁T₂T₃、T₄の5種類ほどの分離のタイプがあって、この分離は3番目のもので、これを満たすものをT₂空間と呼ぶことがある。

そして、普通、位相で分離といったら、3番目のものをいう。

 

というこどで、ハウスドルフ空間といったら、実数全体の集合R、数直線をイメージすれば、大体、間違いがない。

 

たとえば、a<bのとき、

  

とすれば、

  A⊂RB⊂RA∩B=∅a∈Ab∈B

という条件を満たすので、abは交わらない2つの開集合AB(開区間)で分離できる。

そして、このことから、〈R, O〉はハウスドルフ空間であることを示すことができる。

だって、x≠yのとき、xyの小さい方をa、大きい方をbをおけばいいのだから。

 

 

を位相空間、とする。

1 すべてのYの開集合Gに対し、Gfの逆写像の像Xの開集合であるとき、fからへの連続写像という。

2 Xの元xに対して、f(x)Yにおける近傍Vfによる逆像xXにおける近傍になっているとき、fxで連続であるという。

 

で、Xのすべての点xfで連続であることと、が連続であることと同値である。

 

そして、次の定理(?)。

 

定理(?)

R, O〉を実数直線とする。関数f:R→Rが連続であることと、

を満たすことは同値である。

 

 


nice!(0)  コメント(0) 

変分原理(最小作用の原理)とラグランジュの方程式 [ねこ騙し物理]

変分原理(最小作用の原理)とラグランジュの方程式

 

変分原理(最小作用の原理)を用いて、ラグランジュの方程式を導こうという話。

 

ラグランジアンが与えられたとき、

  

を作用積分という。

ここで、x(t)をそれぞれと少しだけ変えると、作用積分も

  

と変化する。

に注目し、δx(t₁)=δx(t₂)=0と端点を固定し、被積分関数の第2項を部分積分すると、

  

これを(2)式に代入すると、

  

となる。

(3)の括弧の中身=0は、ラグランジュの方程式、

  

になっており、ラグランジュの方程式は作用積分Iの停留条件(極大、極小の必要条件)δI=0になっている。

そして、

  

汎関数微分と呼んだりする。

 

書いただけだにゃ。

このあたりの話を(数学的に)キチンとしようと思ったら、関数解析などの知識が必要になり、ねこ騙し数学の現在のレベルを超えてしまうので、匂いだけ味わって欲しいにゃ。

 

解析力学の教科書などには、

  

だから、δI=0であるためには

  

でなければならない、

  ――(6)をオイラー・ラグランジュの方程式という――

と、さり気なく書いてあるものがあるが・・・。

 

読み物としては、琉球大学のここ↓などが面白いケロよ。


 最小作用の原理はどこからくるか?
 https://goo.gl/UvfStR


nice!(0)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。