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今日のアニソン、「アルプスの少女ハイジ」から『おしえて』 [今日のアニソン]

今日のアニソンは、「アルプスの少女ハイジ」から『おしえて』です。


この曲をセレクトしたのは、


という動画をYouTubeを見つけたから。

子供の頃にこのアニメを見て育ったドイツ人の親が子どもに「このアニメを作ったのはどこの国のヒトだケロ?」と尋ねたところ、即座に「ニホンジンだにゃ」と答えられ、ショックを受けたそうだにゃ。親の世代とは違って、いまどきの子どもは日本のアニメを見て育っているんだから、こんなことくらい知っているケロ。驚く親(ドイツ人)のほうがどうかしていると思うにゃ。
でも、こうした事実をもって、日本と日本人をホルホルする国粋的な日本人(の言動)は、「慎み」や「謙譲」という日本的な美徳が感じられなくて、なんか、嫌だな〜。生理的、感情的に受け入れられないにゃ。

なお、アニメ「アルプスの少女ハイジ」の原作である「ハイジの修行時代と遍歴時代」の作者はスイス人のハンナ・シュピリで、ドイツの国民的詩人・ゲーテの「ヴィルヘルム・マイスターの修行時代」、「ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代」から着想を得たらしい。

ベルギーを舞台にしたアニメ「フランダースの犬」にも同じような現象が見られるようだね。


「フランダースの犬」の原作者はイギリス人で、ベルギーの人ではないのだけれど・・・。
そして、圧倒的大多数のベルギーのヒトたちは、アニメ「フランダースの犬」を見るまで、ベルギーを舞台にしたこんな児童文学が存在することを知らなかったらしい。イギリスでも小説「フランダースの犬」は忘れられた作品で、イギリス人はほとんど読んだことがなかった、というお話。イギリスの国民的作家チャールズ・ディケンズの小説「ディビッド・コパフィールド」、「大いなる遺産」、「クリスマスキャロル」などに出てくるように、イギリスの子どもは小さいうちに働きに出され、過酷な労働に耐えるから、「フランダースの犬」に出てくる少年ネロのような、生活能力や生命力を有さない、軟弱な男の子は文化的に受け入れられないのだろうか。

鎖国をといた幕末期の日本に訪れた欧米人は、「日本は子どもの天国」と驚いたそうだにゃ。もちろん、この時代の日本にも児童労働はあったけれど、日本の場合、欧米ほどに過酷ではなかった(少なくとも、産業革命後のイギリスと同じような、成人と同じ長時間の重労働が子どもに課せられることはない)、それが十分かどうかは別にして、奉公先は奉公に出された子どもの衣食住の面倒を見るだけでなく、「読み書きソロバン」の言葉に代表される職業教育まで施すのが当たり前の社会であった(少なくとも「読み書き」くらいできないと仕事にならない。江戸時代の中期以降はそんな社会)。さらに、江戸などの大都市のみならず、日本各地に士族を除く一般庶民の子女を対象とした寺子屋(お金を持っていない親の場合、授業料は実質無料なので誰でも通うことができた。そして、何より、子どもの遊び場であった)なる私的な教育機関が数多く存在し、欧米にはない子供のための文化が存在したんだにゃ。だから、江戸時代の末期に訪れた欧米人は、強いカルチャーショックを受けて、「日本は子どもの天国」といったようなことを書き記したんだケロよ。

「女工哀史」や「ああ野麦峠」などで、戦前の女工さんは非人間的な扱いを受けていたなんて書かれることがあるけれど、イギリスなんてこの比じゃないケロ。ペリーが浦賀にやってくるすこし前のイギリスの児童労働の実態について、それがどんなに過酷で、非人間的なものであったかについては、たとえばここ↓に出ているにゃ。法律を作って守らないとならないほど、生命の危険にさらされていたんだケロ。
 https://goo.gl/S8P63C
 http://www.geocities.jp/timeway/kougi-88.html
劣悪な労働環境であったとされる、日本の紡績工場に働いていた女工さんたちへの聞き取り調査(1960年)は、たとえば、ここ↓に出ているにゃ。
 https://goo.gl/BqceSE

そして、これが、何故、日本の(子供向け)アニメが世界で受け入れられるのかの一つの答えだと思うにゃ。
つまり、世界の多くの国には、こうした子どもための文化(的な土壌とその蓄積)がないんだケロよ。あったとしても、ものすごく貧弱であった。このことは童謡(旧文部省唱歌や日本の童歌など)を見れば容易に想像がつくにゃ。その時代を代表する、一流の詩人、作曲家が子どものための優れた芸術作品を数多く作るなんて国は日本くらいしかないんだケロよ。




「萌え」の文化的蓄積が日本と他の国とでは違う。少なくとも千年以上、「萌え」という価値は日本人に連綿と受け継がれてきたんだにゃ。


日本の場合、「萌え」の歴史は千年以上あるにゃ。子どもを未完成な人間、ヒトではなく本能に従って生きる動物に近い存在と考える、つまり、「子供らしい」とは動物的状態であって悪であるとするキリスト教圏のヨーロッパとは、根本的に、子どもに対する大人の見方が違うんだケロ。大人のミニチュアで、子どもらしくない子どもこそが善い子どもとするか――この考え方は日本の武家、侍、SAMURAIの考え方とよく似ている――、子どもらしい子どもこそよい子どもとするかの違いと言ってもいいだろう。
――武家を除く日本社会では、「うつくし(かわいい)」、「萌え」の観点から、余程のことをしないかぎり、子どものすることは何でも無条件に肯定、是認される(^^ゞ――


手習いの子どもが寺子屋の先生(刀を差しているから浪人か?)にこれくらいのイタズラをしても許されるのが江戸時代の日本であり、「不謹慎だ」とか「師への礼を失している」などと思わず、目を細めてしまうのが日本人の庶民感情だと思うにゃ。

なお、ヨーロッパにおける、日本アニメの受け入れ事情については、Tastenkastenさんが詳しく話してくれるんじゃないかな。みんな、期待して、待つにゃ(^^)


アメリカの児童文学「若草物語」を原作としたアニメ「私の若草物語」は、本場の米国では、どのように受け入れられているのだろう。


なお、若草物語に当除する4姉妹のマーチ家は、現在、貧しくなったとはいえ、マーチおばさんが大富豪、マーチ家のお隣のローレンス家も大富豪と、アメリカのハイ・ソサイエティ―に属する家庭だにゃ。黒人のメイド(4姉妹のお父さんは、黒人奴隷解放軍である北軍に参加しているのに、何故か、黒人メイドがいるのだから変な話。給料なんて払っている気配はないから、実質、黒人奴隷!!)もいるし、4姉妹のお母さんが貧民救済のボランティア活動に従事するなど、実は、かなり恵まれた家庭。だから、これがこの当時のアメリカの一般的家庭像なんて考えないほうがいいケロよ。おばさんとお隣のローレンス家がとんでもないお金持ちだから、相対的にマーチ家が貧乏に見えるだけだケロ。現に、長女のメグは社交界(お金持ち、セレブ)の舞踏会に参加しているにゃ。どんなに本人が望んでも、クラス、社会的階層が異なるので、アメリカの一般庶民は社交界の舞踏会に出られないんだから。王侯貴族の社交界に一般庶民が加われないのと同じで、シンデレラがカボチャの馬車に乗って舞踏会に参加するくらいあり得ない話。

映画「ある愛の詩」(1970年)を見ると、アメリカが根強い階級社会であることが理解できると思うにゃ。


アメリカの最上流階級(WASP、「白人」+「アングロサクソン」+「(都市の)郊外(の大豪邸)に住む」+「プロテスタント」を表すWhite Anglosaxon Suburban Protestantの略)に属するオリバーが、卑しいイタリア移民の一般庶民の娘ジェニファーと恋に落ちる。しかし、WASPのヒトにとって、イタリア移民なんて人間のうちに入らない。

だから、ジェニファーは、当初、「あんた、WASPのボンボンだろう。あんたと私とでは家柄が違いすぎるのよ」と強く拒絶するケロ。図書館で出会った瞬間から、「あんたは頭が空っぽのボンボンじゃないか」と痛烈な皮肉を浴びせ続けるにゃ。デートを重ねても、頭が空っぽ設定の設定は変わらず。一応、オリバーはハバード大の学生なんだけれど、アメリカの名門私立大学には、同窓生の子弟を優遇的に入学させるレガシー枠がある。しかも、大学にはお父さんが寄付した大学施設まであるというという超〜VIP、大富豪の設定。一目見ただけで、オリバーの発するボンボン・オーラを敏感に感じ取り、即座に、悲劇的な(恋の)結末しか待ち構えていないことを予感したんだと思うにゃ。

ジェニファーがどんなに優れていようと、どんなに高潔な性格の女性であろうと、イタリア移民の出身であるというこの一点でアウト。
案の定、オリバーのお父さんは、オリバーとジェニファーの恋と結婚に強く反対し、一人息子のオリバーと絶縁状態になってしまう。卑しいイタリア移民の血が由緒正しい家系の血に交じることが、オリバーのお父さん耐えられないし、許せないんだケロ。

若草物語に登場するローレンス家の坊っちゃん、ローレンスことローリーの出生にもこうしたアメリカの家柄事情が出てくる。WASP階級に属するローリーのお父さんが卑しい家の出の女性と恋に落ち、そして、ローリーが生まれたんだにゃ。だから、ローリーは呪われた子なんだケロ。自らの忌まわしい出生を知っているので、ローリーは思い悩み、そして、引き籠り状態になってしまう。ひょっとしたら、良家の子弟のみが通う学校で「お前は俺達とは違う」という理由から仲間はずれにされ、引き籠りになったのかもしれない。可能性、大だにゃ。現在のとある国の圧倒的多数の人が「両班(やんぱん)」の家の出を主張するのと同じくらいWASPの家系(図)なんて怪しいのだけれど、そうした疚しさと後ろめたさがあるだけに、自らの血統を正統化するための防衛本能が働き、ローリーを徹底的にイジメぬくということはありえそうな話だケロ。

だから、ローリーのお爺さんは、ローリーがWASP階級であるマーチ家の4姉妹と仲良くすることを無条件で喜び、「マーチ家の娘の誰かと結婚してくれたらいいなぁ〜」とひそかに願うわけなんですよ。

確か、お母さんから音楽的才能を受け継いだローリーくんは、作曲家を目指すんだよね。オペラなんかを書こうとする・・・


一方、お絵かきの上手な、4姉妹の末の妹エイミーもヨーロッパで絵の勉強をしたんだけれど、「私には絵の才能はないわね」と早々に自分の才能に見切りをつけ、自身の美貌を武器に社交界の花として大活躍。そして、自堕落な生活を送っていたローリーと再会し・・・。

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