tickさんからいただいた質問の回答 [複素解析]
tickさんから、質問をいただいたので、答えたいと思います。
複素数を用いて極座標における速度、加速度を求める
http://nekodamashi-math.blog.so-net.ne.jp/2017-02-18-1
を微分すると、積の微分公式から
となりますよね。
だから、右辺第1項は
です。
一方、合成関数の微分公式から、u=iθとおくと、
となりますので、(2)の第2項は
となって、以上のことから、(2)は
になります。
オイラーの公式より
ですから、
この内積をとると、
よって両者は直交します。
また、
ですよね。
したがって、は半径r方向の単位ベクトルで、は円周θ方向の単位ベクトルになります。
よって、(3)式から、半径方向の速度を、円周方向の速度をとすると、
になります。
また、
純粋な数学の問題と考えれば、
チェーンルール(連鎖公式)から
となりますので、
よって、
と、(3)を導くこともできます。
お前らに質問(6月21日) 微分方程式 [微分方程式の解法]
お前らに質問(6月21日) 微分方程式
次の微分方程式があるとする。
(1)の右辺を0とした同次形微分方程式((1)の補助微分方程式という)
の一般解(余関数という)は
なので、(1)の特殊解y₀を見つけられれば、(1)の一般解は
になる。
そこで、(1)の特殊解を
と仮定し、(1)の左辺に代入すると、
となりうまくいかない。
微分方程式
の場合にうまくいったこの方法が、微分方程式(1)の場合はうまくいかないのだ。
さてさて、この場合、特殊解は⑨ではなくどのように仮定したらよいでしょうか。
さらに、
の場合は、どうしたらよいでしょうか。
ひょっとしたら、微分方程式(1)、(3)の解なんてものは存在しないのかもしれない(^^)
今日のアニソン、「ゼロの使い魔F」から『I'LL BE THERE FOR YOU』 [今日のアニソン]
微分方程式よもやま話16 2階の非同次線形微分方程式 [微分方程式の解法]
微分方程式よもやま話16 2階の非同次線形微分方程式
次の2階の非同次線形微分方程式がある。
(1)の特殊解をy₀とすると、
となるので、(1)と(2)の差をとると、
となる。
ここで、とおくと、
になることから、y−y₀は、同次方程式(2)の解である。
したがって、(2)の一般解をuとすると、
よって、
(1)の一般解は
(1)の一般解=(2)の一般解+(1)の特殊解
問1 次の微分方程式の一般解を求めよ。
【解】
(1)、(2)、(3)の微分方程式の右辺=0とおいた同次微分方程式はいずれも
である。
そして、この同次方程式の一般解は
だから、(1)、(2)、(3)の右辺を満たすような特殊解を求め、①に加えたものが非同次方程式の一般解になる。
(1) y₀=ax+b(a、bは定数)が特殊解だとすると、
したがって、
よって、
は特殊解。
したがって、一般解は
(2) が②の特殊解であるとすると、
したがって、②の一般解は
(3)が特殊解であるとすると、
でなければならない。
したがって、
これを解くと、A=3/10、B=1/10。
よって、
ただし、(1)、(2)、(3)のC₁、C₂はいずれも任意定数。
(解答終)
宿題 次の微分方程式の一般解を求めよ。
答は、言わずもがな!!
上のように、経験と勘を頼りに非同次方程式の特殊解を求めることが嫌な人は、ロンスキー行列式(ロンスキアン)を用いた次の方法がお勧め。
ロンスキー行列式を用いて、非同次方程式の特殊解を見つける方法
非同次方程式
の特殊解y₀は、
同次方程式
の基本解をy₁、y₂とすると、
である。
ここで、
この方法が、最も安全、かつ、確実な方法であるが、ロンスキアンWを求めたあと、積分――ほぼ100%、部分積分による計算が必要!!――をしなければならないので、計算が大変!!
どうしても特殊解が見つからない時の最終手段といったところ。
問2 次の微分方程式の一般解を求めよ。
【解】
同次方程式
の基本解はである。
このロンスキー行列式Wは
(1)
よって、
(2)
よって、
(3)
よって、
(解答終)
ではあるが、どちらが楽かは言うまでもないだろう!!