お前らに質問(5月21日) 微分方程式 [微分方程式の解法]
お前らに質問!
問題 次の微分方程式を解け。
この超難問(笑)を解けるヒトはいったいどれくらいいるだろうか(^^ゞ
変数分離法を使う、ただの計算問題だと思わないほうがいいケロよ。舐めてかかると、血を見ることになると思うにゃ。
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[一階線形微分方程式の求積公式] [微分方程式の解法]
[一階線形微分方程式の求積公式]
高校生だった頃、なぜ微分方程式が解けるのか無性にマイブームになった時期がありました(^^)。原因は、ニュートンの運動方程式が微分方程式問題を定義すると気づいたからでした・・・。
微分方程式y'=yは次のように解きますよね?。ここで「解く」とは求積法の意味で、数値解法は解くうちに入れません。
疑問に思ったのは次の点です。
微分方程式y'=yは、未知数としてy'とyの2つを持ってます。でも方程式としての条件はy'=yの一個だけです。そして連立方程式の発想に従えば、未知数の数に等しいだけの条件数がなければ、答えは「不定解」になるはずです。これは一般的な方程式の条件数の話なので、微分方程式でも同じはずです。
しかし上記の場合、任意の積分定数は付くものの、y(x)の具体的形が定まります。また任意の積分定数は、微分には定数分の不定性があるという微分構造に由来するもので、微分方程式y'=yが不定解しか出せないからではありません。
疑問:
微分方程式y'=yが確定した解を出せるなら、条件式は2本必要では?。
2本のうち一本はもちろんy'=yそのものです。ここで普通の代数的な連立方程式の発想で行くと、不足のもう一本は、y'=F(y)となる未知の関係です。これがどんなものかは、とりあえずわからなくても、y'=F(y)を使った結果は予想できます。
y'=F(y)をy'=yに代入してy'を消去するんですよ!。代入した結果のF(y)=yをyについて解けば、y=y(x)がわかるという仕掛けになります。しかしy'=F(y)、すなわち関数とその導関数を関係づける一般的な条件Fはないはずです。それでもy'=F(y)を使ったとおぼしき段階は、さっきの求積法をたどると、余りにもあからさまです。
もちろん「やったなこのやろぉ~!」の部分ですよ(^^;)。そこでy'が消去されてますから。
そこで何をやったかを反省すると、要するに次の関係式を使ったんですよね?。 (ですね。 ネムネコの呟き(^^ゞ)
これは合成関数の微分公式です。なので微分方程式y'=yの求積法とは、結局こういう事ではないのですか?。
・・・という連立方程式なんですよね。上記一段目からy'/y=1を作って後は順番に代入して行けば、y=A
exが得られます。ポイントは下から2番目の「合成関数の微分公式の逆」で、それがy'を消去します。上記「連立方程式」の実質の条件数は2で、未知数はyとy'の二つです(^^)。
ここまでで言いたかった事は、要するに微分方程式が、
[左辺:微分公式の結果]=[右辺:既知関数] (1)
という形をしてるなら、「求積可能」という事です。ところで微分公式は合成関数の微分公式だけではありませんよね?。四則演算に対応してあと4つあります。
定数倍の微分公式は、明らかに積の微分公式に従います。商の微分公式の導出には、積の微分公式と合成関数の微分公式を使うので、積および合成関数とは独立な微分公式です。よって(1)の形で求積可能な微分方程式の基本形とは、和,積,商に関する微分公式に由来するものです。
次にyを未知関数,fを自由に設定できるパラメータ関数と考えます。これと(1)の形を考慮すると、和の微分公式には利用価値がありません。和の微分公式で求積できる微分方程式は、dy/dx=f(x)の形のふつうの積分計算です。
従って、(1)の形で求積可能な微分方程式の基本形でトリビアルでないものは、積,商に関する微分公式に由来するものになります。ここでは積の微分公式を扱います。
積の微分公式を次のように変形します。
最後の結果の右辺は、fは自由に設定できるパラメータ関数である事に注意すると、非定数係数の線形微分方程式の形をしてますよね!(^^)。
という訳で、それと(非定数係数の)線形微分方程式を連立させましょう。
上記のおいて、下段の積分方法は左辺に書いてあります。fかけて積分してfで割ればOKなんですよ!。それでy(x)が求まります。上段が下段と同じものであれば、今の積分方法を上段にも使えます。だったら、自由に設定できるパラメータfを適切に定めて、上段左辺と下段右辺が同じになるようにしましょうよ!。
ですよね?。パラメータfを定める条件は、なんと変数分離形じゃないですか!(^^)。
です。ここでf(x)は、f'/f=p(x)を満たせば何でも良いので、積分定数は0としました。この結果を戻すと、
なので、上段を下段に「代入」し、
となります。後は明らかじゃないですか(^^)。
ここにAは積分定数で、最後の結果が非定数係数でもかまわない一階線形微分方程式の形式解です。
ちなみに商の微分公式に関して同様な事をやると、クレーローの微分方程式系列なんかが出てくる気がします。確認した事はないんですけど(^^;)。
(執筆:ddt³さん)