で、どうよ。結論が出たケロか? [お前らに質問]
問題 次の微分方程式を解け。
細かいことを気にしたら、微分方程式の(いわゆる)一般解なんて求められないケロ(笑)。
今日のアニソン、「イロドリミドリ」から『無敵We are one!!』 [今日のアニソン]
お前らに質問(5月23日) 微分方程式2 [微分方程式の解法]
お前らに質問!
これまでに何度も登場している次の微分方程式がある。
この微分方程式は、変数分離法を使って、次のように解くものとされている。
定数関数y=0が微分方程式の解であることは明らか。(←この部分は、省略されることが多い。)
y≠0のとき、
ここで、
とおくと、
C=0とすると、定数関数y=0になるので、
ここで取り上げたいのは、下線を引いた「y≠0のとき」の意味である。
これは、次の2つの意味に解釈できるだろう。
1 定数関数y=0は除く。
2 yが0になることは決してない。つまり、y=y(x)=0となるx∈R(実数全体の集合)は存在しない。
もし、「y≠0のとき」が2の意味であったとしたら、定数関数y=0を除き、微分方程式①の解は「y=y(x)=0となるxが存在しない」ことを証明しなければならないのではないだろうか。
あるいは、y=y(x)=0となる点xが存在する場合の微分方程式の解についても求める必要があるのではないか。
というのは、そんな解は存在しないが、上の解き方では、定数関数y=0と決してy=0にならない微分方程式①の解は求めてあるが、ある点でy=0になる微分方程式の解を求めていないのだから。
ということで、
お前ら、y=0という定数関数以外、微分方程式①の解は決して0にならないことを示せ!!
証明ではなく、説明でもいいにゃ。
なお、微分方程式の解の一意性定理を使った回答は認めない。
そして、できた奴は、コメント欄に回答を書いて、ネムネコのところに送信するケロ。
ところで、
次の微分方程式
の一般解は
で、x=Cのときにy=0になってしまう。
だからといって、点x=Cを除外したりしない。
この点について、稲葉三男は自らの著書「微積分の根底を探る」の中で次のように書いている。
ところで、微分方程式③の一般解
は、y≠0として求めたものであるが、決して0にならないわけではなくて、x=Cのとき、y=0となる。それだからとて、x=Cの場合が除外されるわけではない。したがって、この場合には、yはただ1箇所の例外のもとで0になることがある。
(中略)
上に見たように、「一般解」を求めるために、y≠0と仮定したのは、最初はyは決して0とならない意味であったのが、後になってくると、y=0となることもあるということに変わってくるのである。これでは、首尾一貫しているというわけではなくなって、はなはだ確実性に欠ける推論であると言わざるを得ない。
(中略)
―――つまるところ、いいたいことは上のような解き方にも問題があるということか。
まさにそのとおりである。上のような解き方は「求積法」と呼ばているのであるが、「求積法」だけではどうにもならない問題点があるというわけである。
ネムネコが高校時代に使っていた某参考書には、
「微分方程式(の解法)では、関数の形(を求めること)が目的だから、(関数y=y(x)の)個々の値は問題にしなくてよい(定数関数y=0以外でも、y=0になる点xがあっても問題にならない)。」
と、1の意にそった注意書きがなされているが、何とも説得力不足のように思えるのだが・・・。
この詮索はさておき、C=0、つまり、x=0のときy=0とし、これを初期値として、微分方程式③をオイラー法やルンゲ・クッタ法などを用いて数値解を求めると、コンピュータはy=0という定数関数を返してくれるはずである。
これはコンピュータが計算を間違っているわけではなく、定数関数y=0は微分方程式③の特異解だからだ。オイラー法とルンゲ・クッタ法は、一般解④の任意定数C=1とした特殊解y=x³ではなく、特異解y=0を答えてしまうんだよ〜(^^)
このことは、次のグラフを見るとわかるだろう。y=0、つまり、x軸と一般解y=(x−C)³はすべて点(C,0)で接している。つまり、特異解y=0は一般解y=(x−C)³の包絡線になっているんだにゃ。
x<−5のときは、曲線y=(x+5)³にそって進んでいたが、x軸(一般解の包絡線、特異解)に接した瞬間、「何か、ここ、飽きたにゃ」と、突如、x軸を進み始め、y=x³に接した瞬間、「ここが良さそうだ」と、y=x³上を進みだすこともあるかもしれない(笑)。
実は、これ、
も微分方程式③の解だ。任意定数は1つも含まないけれど、これは一般解に特別な値を与えて得られたものではないから、微分方程式のよもやま話1の分類法に従って強いて分類すれば、特異解(^^ゞ
それにしても、何故、こんなことが起きた(・・?。 1の意味だと、定数関数y=0でなくても、y=0となる点xが存在し、それゆえに、変数分離法の④の計算で数学の大禁則・ゼロ割が発生し、それで不定になってしまうのか(^^ゞ
y≠0のとき、
ここで、Cを−Cとおくと、
つまり、x₀<Cとするとき、たとえ、曲線上の点が与えられても、この初期条件と微分方程式③から”それ”の”未来の選択”を予測することはできないんだケロ。(C,0)という点は、”それ”のその後の行方を決定するまさに分岐点、その後の人生の分かれ道なんだにゃ。そして、その選択肢は数限りなくに存在するんだケロ。
初期条件(−1,−8)を与えたとき、微分方程式③から、コンピュータはいったいどのような”それ”の未来を描き出してくれるのだろうか(^^)
で、問題を解けたのか? [お前らに質問]
で、お前ら、昨日、出題した次の問題を解けたのか?
問題 次の微分方程式を解け。
(1)と(2)は、ひょっとしたら、違う微分方程式かもしれないぞ。
だって、(1)はオイラー形の微分方程式だし、(2)は同次形の微分方程式だし・・・(^^)
(1)の微分方程式で与えられる関数yの定義域は実数全体の集合Rで、(2)の微分方程式で与えられる関数yの定義域は実数全体の集合Rからx=0を除いた、R−{0}かもしれない。(2)は分母にxが来ているから、その可能性は十分あるケロよ。
だって、(2)の右辺を
と書き換えれば、関数fの定義域はと考えのが自然で、この可能性は極めて高いにゃ。
だとしたら、(2)の答は
かもしれないケロよ。
でいいのだから、必ずしもC₁=C₂でなくて構わないってわけだ。
で、(1)、(2)の微分方程式をどうやって解いたんだ?
変数分離法を用いて解いたのならば、
「x≠0、y≠0のとき」という「おまじない」をきっと唱えたと思う。
だって、これを書かないと、
が成立しないにゃ。対数関数の定義域に0は含まれないからだケロ。
それに、計算途中でy/xというものがでているから、x≠0でなければならない。
では、ここで改めて聞くにゃ。
お前らの求めた解にx=0のときのものは含まれているケロか?
含まれないのだとしたら、x=0のときのyの値を求めないといけないけれど、どうやって求めるにゃ。
と、惑わし、脅かす、ネムネコであった。