今日のアニソン、かばんちゃんで『僕らの街に愛が降る夜だ』 [今日のアニソン]
対流と拡散 第1回 [数値解析]
対流と拡散 第1回
パタンカーのコントロールボリューム法(有限体積法の一種)に基づく輸送方程式の離散化について、何回か、話をすることにする。
対流・拡散を有する対流・拡散を伴う輸送現象の基礎方程式は、次の通り。
ここで、ρは密度、uは流体の速度、φは温度や濃度、エンタルピーなどの物理量で、Γは拡散係数。
1次元ならばn=1、2次元ならばn=2、3次元ならばn=3。
(1)は質量保存則を表しており、連続の式と呼ばれる。
(2)式が物理量φの輸送方程式で、左辺第2項は対流項、右辺第1項は拡散項と呼ばれる。右辺第2項のSはφの生成・消滅を表す。
輸送問題で最も単純で、基礎になる定常1次元の対流と拡散について考える。
このとき、(1)、(2)式は、それぞれ、
(3)式から
計算に使用する点(格子)の配置は次の通り。
そして、はそれぞれw点W、P、Eにおけるφの値であり、などは検査体積の境界面wと境界面eにおけるφなどの値を表すものとする。
(4)式を検査体積(コントロール・ボリューム)で積分すると、
差分法を用いて、
さらに、境界面eと境界面wにおけるφの値を
で近似すると、(5)式は
ここで、
とおくとことにする。
すると、(6)式は
ここで、
F=ρuだから、(3)式は
これを検査体積で積分すると、
よって、ならば、(11)式は
離散化方程式(8)〜(11)は、対流項に中心差分を用いて(4)式を離散化することによって得る離散化方程式と同等のものなので、以降、これを中心差分と呼ぶことにする。
さて、の場合について考える。
の値が与えられると、(8)式によっての値を求めることができる。
そこで、
の場合について計算してみる。
(9)〜(11)式より、
だから、(8)式より
となり、物理的に非現実的な答になってしまう。
――この問題では、計算領域内でφの生成・消滅がないので、はとの間になければおかしい――
こうした事態が発生するとき、離散化方程式の係数の少なくとも一つが負になっている。
F=ρu>0のとき、係数を負にするものは
なので、
でなければならない。
この時のペクレ数Pを計算すると、
このように、この計算方法は、ペクレ数P(格子レイノルズ数)が
のとき、物理的にあり得ない数値解を出す危険性があることが知られている。
たとえば、ねこ騙し数学の次の記事。
こうした中心差分の欠点を補うために、次のように風上化が行われる。
ここで、
という記号をを導入すると、
で表すことができ、これを(5)の左辺に代入し離散化方程式を書き換えると、次のようになる。