今日のアニソン、「さらば宇宙戦艦ヤマト」から『ヤマトより愛をこめて』 [今日のアニソン]
対流と拡散 第4回 ハイブリッド法とべき乗法 [数値解析]
対流と拡散 第4回 ハイブリッド法とべき乗法
§1 ハイブリッド法
前回、定常1次元の対流・拡散をあらわす微分方程式
の厳密解を与える指数法を紹介した。
指数法とは、(1)を次のように離散化して、(1)の数値解を得る方法である。
(3)式の両辺をで割ると、次の式を得る。
横軸に、縦軸にをとり、(6)をグラフにすると、次のようになる。
このグラフには、
x→−∞のときの漸近線
x=0における接線
x→0のときの漸近線
も合せて破線として示してある。
この図から、(6)はこれらの3本の直線で近似できることがわかる。
すなわち、
これは
または、
と一本の式で表すことができる。
ここで、記号
は、A、B、Cの最大値を表す。
数学の記号で書くと、
である。
この方法をハイブリッド法という。
ハイブリッド法は、のとき中心差分、のときは風上差分(上流差分)と一致する。
そして、ハイブリッド法による微分方程式(1)の離散化方程式は次のようになる。
§2 べき乗法
図を見ると、ハイブリッド法はの付近において厳密解とのズレが大きい。
そこで、次のように近似する。
のとき
のとき
のとき
のとき
この近似式に基づき、各に対してを次のようになる。
よく近似できていることがわかるだろう。
これをパタンカーのべき乗法という。
べき乗による(1)式の離散化方程式は次のようになる。
ここで、
ITさんから、今日、このような指摘をいただきました [高校の微分積分]
ITさんから、今日、このような指摘をいただきました。
合成関数の微分」の証明について質問です。
途中 g(x+h)-g(x) が分母に来ますので、
どんなxの近傍にもg(x+h)-g(x)=0となるx+h(h>0)がある場合(たとえばgが定数関数)について分けて考えないといけないのではないでしょうか?
この問題箇所は次のところ。
次に、より一般の合成関数y=f(g(x))の微分公式を求めることにする。
――インチキが入っています(^^ゞ――
y=f(u)、u=g(x)がともに微分可能であるとする。
とおくと、
Δx→0のとき、Δy→uだから
これを上式に代入すると、
よって、
である。
したがって、
定理 (合成関数の微分)
y=f(u)、u=g(x)がともに微分可能であるとき、合成関数y=f(g(x))の微分は
である。
ITさんの指摘にある通り、上の証明にはアラがあるんだよね〜。
だ・か・ら、記事の中に「――インチキが入っています(^^ゞ――」と但し書きを書いたのだった。
とすると、このとき、y'=f'(u)=1であり、
だから、f、gともに微分可能である。
そして、
上の定理から、合成写像は微分可能で、
この結果は正しいのだけれど、
ただし、x≠x₀のとき
となって、
と、ゼロ割りが発生してしまう。
だから、のとき、合成関数の微分の証明で使用している
が成立しない。
したがって、
ITさんのご指摘の通り、この証明にはアラがあるんだよね〜。
なのだけれど、x≠x₀だから、
よって、で微分可能になる。
そして、形式的に
と、この問題をクリアーできる。
ただ、こういった合成関数の微分を含めた一般の証明は高校数学の範囲を越えてしまうので、この証明に問題があるのは百も承知で、上記の証明を紹介した次第です。
この定理の正確な証明を知りたいヒトは、たとえば、高木貞治の「解析概論」のp.40などを見て欲しい。
ではあるが、次の怪しげな(?)証明を紹介しておこう。
「解析概論」の証明を煎じ詰めれば、確かに、こうなるわな〜。
なお、dy/dxはdyをdxで割ったものではないので、この点はくれぐれも注意して欲しい。
つまり、2行目の式の両辺をdxで割って最後の式が出たわけではない。
dy/dxはただの記号だケロよ。