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ITさんから、今日、このような指摘をいただきました [高校の微分積分]

ITさんから、今日、このような指摘をいただきました。

 

合成関数の微分」の証明について質問です。

途中 g(x+h)-g(x) が分母に来ますので、
どんなxの近傍にもg(x+h)-g(x)0となるx+h(h>0)がある場合(たとえばgが定数関数)について分けて考えないといけないのではないでしょうか?

 

この問題箇所は次のところ。

 

次に、より一般の合成関数y=f(g(x))の微分公式を求めることにする。

 ――インチキが入っています(^^ゞ――

 

y=f(u)u=g(x)がともに微分可能であるとする。

とおくと、

Δx→0のとき、Δy→uだから

これを上式に代入すると、

よって、

である。

したがって、

 

定理 (合成関数の微分)

y=f(u)u=g(x)がともに微分可能であるとき、合成関数y=f(g(x))の微分は

である。

http://nekodamashi-math.blog.so-net.ne.jp/2016-09-13

 

ITさんの指摘にある通り、上の証明にはアラがあるんだよね〜。

だ・か・ら、記事の中に「――インチキが入っています(^^ゞ――」と但し書きを書いたのだった。

 

gousei-bibun-graph-001.pngたとえば、

  

とすると、このとき、y'=f'(u)=1であり、

  

だから、fgともに微分可能である。

そして、

上の定理から、合成写像は微分可能で、

  

 

この結果は正しいのだけれど、

ただし、x≠x₀のとき

  

となって、

  

と、ゼロ割りが発生してしまう。

だから、のとき、合成関数の微分の証明で使用している

  

が成立しない。

したがって、

ITさんのご指摘の通り、この証明にはアラがあるんだよね〜。

 

なのだけれど、x≠x₀だから、

  

よって、で微分可能になる。

そして、形式的に

  

と、この問題をクリアーできる。

 

ただ、こういった合成関数の微分を含めた一般の証明は高校数学の範囲を越えてしまうので、この証明に問題があるのは百も承知で、上記の証明を紹介した次第です。

 

この定理の正確な証明を知りたいヒトは、たとえば、高木貞治の「解析概論」のp.40などを見て欲しい。

 

ではあるが、次の怪しげな(?)証明を紹介しておこう。

  

「解析概論」の証明を煎じ詰めれば、確かに、こうなるわな〜。

なお、dy/dxはdyをdxで割ったものではないので、この点はくれぐれも注意して欲しい。

つまり、2行目の式の両辺をdxで割って最後の式が出たわけではない。

dy/dxはただの記号だケロよ。

 


合成関数の微分の定理の証明


定理 (合成関数の微分)

関数y=f(x)は区間Iで微分可能、z=g(y)は区間Jf(I)⊂J)とする。このとき、合成関数J上で微分可能であり、

  

すなわち

  

[証明]

示すべきことは、F(x)=g(f(x))とおき、すべての点a∈I

  

b=f(a)a∈I)とおき、y∈J上の関数φ(y)

  

と定めると、g(y)J上で微分可能だからJ上で連続である。同様にf(x)I上で連続だから、φ(f(x))I上で連続で、

  

である。

φ(y)の定義より、点bの近傍で

  

だから、y=f(x)とおくと、

  

よって、

  

したがって、

  

(証明終)

 

ねこ騙し数学の記事「第7回 導関数の性質」から引用

http://nekodamashi-math.blog.so-net.ne.jp/2017-05-16-5

 

 




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