お前らに質問(12月05日 定積分の近似値) [お前らに質問]
お前らに質問(12月05日 定積分の近似値)
ちょっとお前らに質問なんだけれど、お前ら、次の広義積分を台形公式を用いて計算するとしたらいいと思うにゃ。
念のために、台形公式
ネムネコは、
や
などと書くほうが好きだけれど・・・。
問題 次の広義積分の近似値を台形公式(シンプソン法でもいいが…)を用いて求めよ。
この広義積分の値は、
になるんだけれどさ。
こういった積分の近似値を求める数値計算法ってのはあることはあるんだけれど、そんなものに頼らずに、なんとか知恵を振り絞って、この値を求めて欲しいにゃ。
ちなみに、ネムネコが思いついた方法によると、16分割くらいで、こんな値が出るにゃ。
コンピュータのパワーにものをいわせ、計算領域を[0,1000]にし、これを10万分割くらいし、この近似値を求めるってのでもいいけれど(笑)。
すると、こんな値になるそうだにゃ。
なお、この計算は、
http://nemneko.blogspot.com/2016/11/blog-post_14.html
でしたにゃ。
言っておくけれど、
だから、
となるので、この右辺の近似値を台形公式で求める、
なんてことをやったら、ぬっ殺すにゃ。
だったら、適当な変数変換を行って、積分範囲を有限な積分範囲にすればいいんじゃないかい。
また、とおくと、x=0にはθ=0、x=∞にはθ=π/2が対応し、
なので、
したがって、
に台形公式を適用すれば…、なんてのも無しだケロよ。
こういう不逞な輩は、
この変換を使って、
次の広義積分の近似値を、台形公式を用いて求めるケロ。
お仕置き問題 次の広義積分の近似値を台形公式を用いて求めよ。
ネムネコが、月にかわって、お仕置きだにゃ。
積分区間を4等分に分割するくらいで、2%くらいの誤差でこの無限積分の近似値を求められるにゃ。
嘘じゃないケロよ。
これがその証拠!!
お前らに質問(12月03日 定積分)の解答例 [お前らに質問]
お前らに質問(12月03日 定積分)の解答例
12月3日に出題した問題だけだとつまらないのでl問題を追加し、あわせて、その解答を示すにゃ。
問題 次のことを証明せよ。l
(1) f(x)が[a,b]でC¹級ならば
(2) f(a)=f(b)=0、かつ、[a,b]で|f’(x)|≦Mならば
【解答例】
(1) 部分積分すると
(2) f(a)=f(b)=0だから、(1)より
また、だから、
(解答例終)
なお、
(2)では、が直線に関して対称であることを利用し、
として計算しているけれど、
として計算してもいいし、
この積分の値は底辺の長さがb−aで高さがの三角形の面積に等しいという幾何学的な意味を考え、
と計算してもいいだろう。
ところで、
問題1の(1)より
したがって、
仮定より、f'(x)は[a,b]で連続であり、また、であるので、
積分の第1平均値の定理より、
が成立し、
これが台形公式の誤差(の限界?)を与える式になるはずである。
一方、
という誤差の評価式もある。
もちろん、(1)ではf(x)はC¹級、(2)ではC²級という違いがあるけれど、誤差の評価式が2つもあると、どちらを信用すべきかわからず、困ったものである。
お前らに質問(12月03日 定積分) [お前らに質問]
お前らに質問(12月03日 定積分)
お前ら、次の問題を解くにゃ。
問題 f(x)が[a,b]でC¹級(f(x)の導関数f'(x)が[a,b]で連続)であるとき、次の関係が成り立つことを示せ。
よくわからないけれど、
この式から
となって、
ねこ騙し数学で取り上げた、台形公式の誤差を与える式みたいなものになり、何か意味深な式になるにゃ(^^ゞ。
ちょっと書いてみただけだケロ。深く考えてはいけないにゃ。
第47回 定積分の近似計算 その1 [微分積分]
第47回 定積分の近似計算 その1
§1 矩形公式
f(x)は[a,b]で連続とするとき、定積分
または
と近似する方法を矩形法、または、矩形公式と呼ぶ。
f(x)が[a,b]でC¹級であるとき、定積分を(1)、(2)で近似した誤差は、次式で与えられる。
【証明】
部分積分と、x−a≧0、b−x≧0なので、定積分の第1平均値の定理より
したがって、
(証明終)
定積分の近似値を求めるとき、矩形公式がそのまま用いられることはなく、
とし、閉区間[a,b]をと小区間に分割し、小区間に矩形公式(1)、(2)を用いた、次の複号矩形公式が用いられる。
特に、[a,b]をn個の小区間に等分割した場合、すなわち、
のとき、(3)、(4)式は次のようになる。
問 [0,1]を4等分し、(複号)矩形を用いての近似値を求めよ。
【解】
したがって、
(解答終)
(参考)
なお、複号矩形公式の誤差は、
とおくと、
で与えられる。
【証明】
ここで、
とおくと、
(証明終)
となるので、分割数を10倍にすれば(複号)矩形公式の誤差は約1/10になる。
右の図は、を(複号)矩形公式を用いて(近似)計算した結果を縦軸に誤差、横軸に分割数をとり示したものである。
分割数を10倍にすると、誤差が1/10になっていることがわかる。
§2 台形公式
f(x)は[a,b]で連続とするとき、定積分
と近似する方法を台形則、台形公式という。
をで近似したときの誤差は次式で与えられる。
【証明】
に対して部分積分を用いると、
また、x∈[a,b]において、(b−x)(x−a)≧0なので、積分の第一平均値の定理より
これを代入すると、
(証明終)
閉区間[a,b]をn等分し、
とおき、各区間に台形公式を適用すると、
となるので、
f(x)が[a,b]でC²級であるとき、複合台形公式の誤差は
と置いたとき
で与えられる。
したがって、[a,b]をn等分すると、
となるので、分割数nを10倍にすると、台形公式の誤差はおよそ1/10²になる。
右の図は、台形公式を用いて
を(近似)計算した結果を、横軸に分割数、縦軸に誤差をとり表したものである。
分割数を10倍にすると、誤差が約1/100になっていることがわかる。
また、複号台形公式と複号矩形公式の間には
という関係が成立する。
問 [0,1]を4等分し、台形公式を用いて の近似値を求めよ。
【解】
したがって、
(解答終)
【別解】
§1の問より、
だから、
(別解終)
Γ(1/2)の値を求める [微分積分]
Γ(1/2)の値を求める
ガンマ関数
nが自然数のとき、ガンマ関数の値は
となるが、これだけでは、応用上、何かと不便なので、ガンマ関数の値
を求めることにする。
ガンマ関数の定義式(1)より、
x=t²とし置換積分すると、x=0にはt=0、x=∞にはt=∞が対応し、また、だから、
となるので、これは広義積分
の値を求める問題に帰着することができ、
になる。
2重積分の広義積分を用いると、
であるから、
x=rcosθ、y=rsinθと置き、極座標変換すると
となるので、
したがって、
と求めることができる。
なのですが、
以下、
前回、証明したウォリスの公式を
を用いて、Γ(1/2)=√πを求める方法を紹介することにする。
問題 を次の順に示せ。
【解】
(1) x≧0とし、0≦t≦xとすると、は減少関数だから、
したがって、
左辺と中辺より、
中辺と右辺より
したがって、
(2) x=√ntとし、置換積分すると、dx=√ndtだから
(3) (1)より
したがって、
t=tanθとおくと、
また、
なので、
また、nが偶数のとき
だから、
(4) だから、
また、(1)より
したがって、
t=sinθと置き、置換積分すると、dt=cosθdθだから、
したがって、
(5) (3)と(4)より
また、ウォリスの公式より
したがって、ハサミ打ちの定理より
(解答終)
よって、
ガンマ関数の公式
を用いると、
したがって、一般に、
ただし、0!=1とする。
お前らに質問(12月1日 不等式) [お前らに質問]
お前らに質問(12月1日 不等式)
ものすごく初歩的な内容なのだけれど、お前ら、次の不等式をどうやって解くにゃ。
【解答(?)】
x+1>0のとき、⑨の両辺にx+1を掛けると、
x+1<0のとき、⑨の両辺にx+1を掛けると、
よって、解は(・・?
【解答(?)終】
これは一体どういうことだ!!
困ったケロね〜(^^)。
というわけで、この難解な不等式⑨をお前らに解いてもらおうじゃないか。
不等式
の解は、難しすぎるかもしれないので、方程式
の場合はどうケロか?
x+1を両辺に掛けると、
もしこれが成立するならば、
となり、自然数はすべて0に等しいという新事実を発見!!ということになるにゃ(笑)。
まぁ、⑨²の場合、方程式
が解を持つとすると、0=1となり、矛盾するので、方程式⑨²は解を持たない、つまり、
ということになるのですがね。