SSブログ

正項級数 [微分積分]

正項級数

 

 

全ての項である級数skk-001.png正項級数という。

sk-002.pngとおくと、数列は単調増加なので、skk-001.pngは収束するか、+∞に発散するかのいずれかである。

したがって、次の定理が成り立つ。

 

定理5

正項級数skk-001.pngが収束するための必要十分条件は、ある実数M>0が存在し、任意の自然数nに対して、

  

が成り立つことである。

【証明】

skk-001.pngは正項級数なので任意の自然数nに対して

したがって、sk-002.pngとおくと、は単調増加数列。

よって、が上に有界ならば収束し、上に有界でなければ発散する。

(証明終)

 

任意の自然数nについて

  

が成り立つので、定理5より正項級数は収束する。

 

問1 数学的帰納法を用いて、次の不等式を証明せよ。

  

 

定理6 (比較判定法)

正項級数において、任意の自然数nに対してであるとする。

このとき、

(ⅰ) sk-003.pngが収束すれば、skk-001.pngも収束する。

(ⅱ) sk-003.pngが発散すれば、skk-001.pngも発散する。

【証明】

とするとであるから、は単調増加数列で、が成り立つ。

よって、ならば、となり、は上に有界な単調増加数列となり収束する。

また、ならば、だから、と発散する。

(証明終)

 

 

問2 次の級数の収束を判定せよ。

【解】

(1) k≧2のとき、

  

したがって、


  

と収束するのでは収束し、skk-005.pngも収束する。

 

(2) 任意の自然数nに対して

  

かつ、skk-005.pngは収束するので、も収束する。

 

(3) 任意の自然数nに対して

  

であり、と発散するので、は発散する。

 

(4) 任意の自然数nに対して

  

は発散するので、は発散する。

(解答終)

 

なお、上の解答では、と発散することを利用している。

 


nice!(1)  コメント(0) 

「数値解析勉強中の大学生」さんからいただいた質問への回答 [数値解析]

「数値解析勉強中の大学生」さんからいただいた質問への回答

 

 

2)k2の式で、

  

となっていますが、何故にはではなくが使われるのかが完全に理解できておらず、ご教授頂きたいです。宜しくお願いいたします。

 

 

  

に対する、ルンゲ・クッタ法は

  

ですよね。

 

時刻t陽に含まない、

  

の場合――力学系のといいます――は、これに対するルンゲ・クッタ法は

  

になります。

 

これは、次のようなベクトル表記を用い、そのまま、連立常微分方程式に拡張が可能です。

すなわち、

  

これに対する、ルンゲ・クッタ法は

  

これを成分で表すと、

  hrk-007.png

に対するルンゲ・クッタ法は、i=1,2,・・・、nに対して、

  hrk-009.png

となります。

 

そして、

  

の場合は、

  

になるでしょう、って話なんですが。

 

いま振り返ると、

  

ではなく、

  

とし、これから、偏微分方程式(1)は

  

という連立常微分方程式に変換――というか近似――できる。

そして、

  

とおくと、

  

になり、これにルンゲ・クッタ法を適用すると、

  

と書いたほうが良かったのかもしれませんね。

 

この話、近似法には、正直、胡散臭いところがいくつかあるもので、この部分の話はあまりしたくない(^^ゞ。

 

それで、質問の

何故にはではなくが使われるのかが完全に理解できておらず、ご教授頂きたいです。

ですが、

時刻t+Δt/2の変化分(の近似値)はだから、にこれを加えるみたいは話なんですよ。

同様に、 時刻t+Δt/2の変化分(の近似値)はだから、にこれを加え、

時刻t+Δt/2の変化分(の近似値)はだから、にこれを加えるといった話です。

 


nice!(0)  コメント(1) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。