お前らに質問(11月10日 積分の不等式)の解答かも [お前らに質問]
お前らに質問(11月10日 積分の不等式)の解答かも
問題 a>0、b>0とするとき、次の不等式が成立することを示せ。
また、等号が成り立つのは、どのような場合か。
【解答】
(解答終)
ヤングの不等式
a>0、b>0、かつ、
ならば、
を用いるならば…。
【別解1】
とおくと、
かつ、a>0、b>0。
よって、ヤングの不等式より、
したがって、
特に、n=1のとき、等号成立はa=b。
(別解1)
あるいは、
【別解2】
とすると、f(x)は狭義単調増加なので、逆関数
で、また、f(0)=0だから、
が成立する(図を参照)。
ゆえに、
(別解2終)
追加問題 a>0、b>2とするとき、次の不等式が成り立つことを示せ。
また、等号が成り立つのは、どのような場合か。
ここでとおくと、、a>0、b>0で、
よって、
(解答終)
【別解】
とすると、右図より
したがって、
(別解終)
ネムネコは、化け猫、ネコマタの類なので、ライオンではないが
お前らに質問 (11月10日 積分の不等式) [お前らに質問]
お前らに質問 (11月10日 積分の不等式)
お前ら、次の問題を解くにゃ。
問題 a>0、b>0とするとき、次の不等式が成立することを示せ。
また、等号が成り立つのは、どのような場合か。
お前ら、すぐに投げ出しそうだから、
ネムネコが考えるに、お前らには「Hertbeat」が足りないにゃ。
n=1のとき、
あるいは、
したがって、
n=2のとき、
あるいは、
を示せばいいので、とおいて
とする。
増減を調べるためにf(a)をaで微分すると、
したがって、f(a)はa=p=√bのときに極小かつ最小となり、
よって、
と解いたものの、
この場合、
a>0、p=√b>0だから
となるので、
とした方がいいか。
でも、これだと、拡張性に乏しい気が・・・。
どんなにダサくたっていいじゃないか。
ネムネコは、はじめから、お前らにカッコいい解答なんて求めてないにゃ。
笑いたい奴は、笑わせておけばいいにゃ。
「こんな問題はチョロいぜ」という生意気な奴は、さらに、次の問題にチャレンジするといいにゃ。
追加問題 a>0、b>2とするとき、次の不等式が成り立つことを示せ。
また、等号が成り立つのは、どのような場合か。
計算問題として考えた場合、追加問題のほうがずっと楽という話もあるが・・・。
お前らの名回答(迷回答か?)を、心より、お待ちしております(^^)。
この記事のコメント欄に書いて、ネムネコのところに送信するにゃ。
お前らに質問(11月9日 積分) [お前らに質問]
お前らに質問(11月9日 積分)
さてさて、次の主張は正しいケロか?
【主張】 a>0とするとき、
である。
【理由1】
高校や大学の微分積分(解析)の時間に
と習ったし、大学の微分積分の教科書にも、1/xの不定積分は、こう書いてあるにゃ。
そして、高校の数学の授業で、
ならば、F(x)はf(x)の原始関数(の一つ)で、
と習ったにゃ。
とおくと、
x>0のとき、
x<0のとき、−x=tとおき、合成関数の微分を使うと、
したがって、
となるので、公式⑨から、こうなるはずだにゃ。
【理由2】
とおくと、
したがって、f(x)は奇関数。
また、奇関数のとき
が成り立つので、
である。
【理由3】
なので、は広義積分。
そこで、ε>0とし、
よって、
は、図のように原点Oに関して対称だから、の筈だ!!
この主張は、正しいかい?
正しくないとしたら、どこがマズいのか、指摘するにゃ。
オレが「成り立つか」と訊く場合、ほぼ100%の確率で成り立たないんだけれど、今回は、例外かもしれない。
第42回 広義積分 その1 [微分積分]
第42回 広義積分 その1
関数f(x)は半区間(a,b](または[a,b))で連続で、(または)が存在するとき、広義積分は収束するといい、
で表す。
また、f(x)が開区間(a,b)において連続で、が存在するとき、
と定義する。したがって、広義積分が収束するのは、a<c<bとする、広義積分がともに収束するときに限り、
が成立する。
問1 次の広義積分の値を求めよ。
【解】
(1) 1/√xは(0,1]で連続、かつ、だから、は広義積分。
t>0とすると、
だから、
(2) log xは(0,1]で連続、かつ、であるからは広義積分。
t>0とすると、
よって、
0<t<1とすると、
よって、
0<s<t<1とし、
とおくと、
したがって、
(解答終)
次の定理は、広義積分の定義より明らかであろう。
定理1
関数f(x)は(a,b]([a,b)あるいは(a,b))で連続とする。f(x)の原始関数F(x)が[a,b]で連続、あるいは、連続関数に拡張できる、すなわち、F(a+0)、F(b−0)が存在するならば、広義積分が存在し、
そして、この定理から、たとえば、問1の(1)、(3)は
と、計算してよい。
広義積分の存在定理は、微分積分入門の範囲を逸脱するので、広義積分の存在判定の重要な定理だけを紹介する。
定理2
関数f(x)、g(x)は区間 I=(a,b](あるいは、[a,b)、(a,b))で連続であるとする。
(1) が絶対収束、すなわち、が収束するならば、は収束する。
(2) 任意のx∈Iに対して|f(x)|≦g(x)、かつ、が収束するならば、は収束する。
(3) 任意のx∈Iに対してf(x)≧g(x)、かつ、が∞に発散するならば、も発散する。
定理2の系
関数f(x)、g(x)は区間 I=(a,b](あるいは、[a,b)、(a,b))で連続であるとする。正数M>0が存在し、任意のx∈Iに対し|f(x)|≦Mであるならば、は収束する。
関数f(x)が[a,∞)で連続で、が存在するとき、
と定義し、この極限値が存在しないとき広義積分は発散するという。
同様に、
と定義する。
問2 次の広義積分の値を求めよ。
【解】
(1) b>0とすると、
したがって、
(2) b>0とすると、
したがって、
(3) b>eとすると、
(4) a<bとすると、
したがって、
(解答終)
(4)は次のように解いてもよい。
(4) a<0<bとすると、
である。
したがって、
お前らに質問(11月7日 微分可能)の解答? [お前らに質問]
お前らに質問(11月7日 微分可能)の解答?
このとき、f(x)は点x=0で微分可能か。また、点x=0以外の点ではどうか。
【解答?】x≠0のとき、
ゆえに、
よって、点x=0でf(x)は微分可能。
a≠0とする。
aを有理数、xを無理数とし、xをaに限りなく近づけると、
となるので、点aでf(x)は連続でない。
aを無理数、xを有理数とし、xをaに限りなく近づけると、
となるので、点aでf(x)は連続でない。
したがって、a≠0のとき、f(x)は点x=aで連続でないことになり、よって、f(x)は点x=aで微分可能でない。
(解答?)
定理 f(x)が点aで微分可能ならば、f(x)は点aで連続である。
【略証】
(略証終)
この定理の対偶をとれば、
f(x)が点aで連続でないならば、f(x)は点aで微分可能でない
a≠0のとき、問題の関数f(x)が点aで微分可能でないことをことを、微分の定義から直接証明(説明?)するのは、ちょっと、冗漫になるので、上の定理を使ったにゃ。
極限を表す記号「→」を使っちゃっていいのかという微妙な問題があるけれど、この点は、目を瞑って欲しいにゃ。
みんな大好き、ε−δ論法(いぷしろん−でるた論法)を使うと、上の解答は次のようになる。
【ε−δ論法を用いた解答例】
任意のε>0に対して、δ=ε>0にとると、
よって、f(x)は点x=0で微分可能で、f'(0)=0。
a≠0とする。
aを有理数、xを無理数とすると、
a²=ε>0とすると 、δ>0をどんなに小さくしても、
となる無理数xが存在するので、aが有理数のとき、f(x)は点aで連続でない。
次に、aを無理数、xを無理数とすると、
a²=ε>0とすると 、δ>0をどんなに小さくしても
となる有理数xが存在するので、aが無理数のとき、f(x)は点aで連続でない。
したがって、f(x)が、a≠0のとき、任意の点aで連続でないので、f(x)は点x=0以外で微分可能でない。
(解答終)
上の解答の後半がわからないって?
f(x)が点aで連続であるとは、
とかになるので、これを否定すると、
すなわち、
ある正数ε>0が存在し、δ>0をどんなに小さくしても、
であるxが存在するとき、f(x)は点aで連続でない
となるからだよ。
命題「pならばq」はだから、「pならばq」を否定するとになる。
したがって、
の否定は、
だケロ。
じゃないので、注意するにゃ。
それはそれとして、
とした方が簡単で良かった、と、しきりに反省するネムネコであった。
関数の微分可能性ってのは局所的な性格。
だから、必ずしも、点aの近傍でf(x)が連続である必要はなくて、この問題のように、点aの一点のみでf(x)が連続であるときに、点aで微分可能ってこともあるんだケロよ。
このことを知っていたケロか。
お前らに質問(11月7日 微分可能) [お前らに質問]
お前らに質問(11月7日 微分可能)
ちょっと、お前らに質問!!
問題 関数f(x)を次のように定義する。
このとき、f(x)は点x=0で微分可能か。また、点x=0以外の点ではどうか。
こんな関数のグラフ化は不可能なので、参考までに、y=x²とy=−x²のグラフをつけてやるにゃ。
結論を言えば、上のグラフ(?)を見ればわかるように、問題の関数f(x)は、点x=0においてのみで、微分可能であり、連続なんだけどね〜。
このことを示すというか、お前らに、説明して欲しいにゃ。
第41回 定積分と不等式 その2 [微分積分]
第41回 定積分と不等式 その2
問1 シュワルツの不等式
f、gは[a,b]で連続ならば
ここで、等号が成立のはαf+βg=0を満たす定数α、β(α²+β²>0)が存在するときに限る。
【証明】
とおく。
A≠0(A>0)のとき、任意の実数λについて
等号成立は、
を満たすλ₀が存在するときで、このとき、g=−λ₀fである。
A=0、すなわち、f=0のとき、
であり、
(証明終)
(註) [a,b]で定義される関数f(x)、g(x)が、任意のx∈[a,b]に対してf(x)=g(x)であるときf=g、また、f(x)>g(x)であるときf>0と表す。
問2 0<a<bのとき、次の不等式を証明せよ。
【略解】
(1) f(x)=x、g(x)=1/xとおくと、シュワルツの不等式より
(2) f(x)=1、g(x)=1/xとおくと、シュワルツの不等式より
(3) f(x)=√x、g(x)=1/√xとおくと、シュワルツの不等式より
(略解終)
定理
は狭義単調増加で、かつ、f(0)=0とする。
a≧0、b≧0ならば、
等号が成立するのはb=f(a)に限る。
【証明】
はy=f(x)とx=aおよびx軸に囲まれる面積、はy=f(x)とy=bおよびy軸で囲まれた面積。
したがって、
であり、等号成立はb=f(a)。
(証明終)
問3 (ヤングの不等式)
とする。
a≧0、b≧0のとき、
が成り立ち、等号が成立するのはのときに限ることを示せ。
【証明】
a≧0、b≧0とし、とおくと、
また、
であるから、
よって、定理より
等号成立は、
すなわち、のときに限る。
(証明終)
問4 (ヘルダーの不等式)
【証明】
とすると、ヤングの不等式より
これを積分すると、
ゆえに
またはのとき、f=0またはg=0なので、等号が成立する。
(証明終)
お前らに質問(11月6日 極小・極大) [お前らに質問]
お前らに質問(11月6日 極小・極大)
お前らに微分積分に関する基本事項の質問。
問題 関数f(x)は、点aでf'(a)=0、f''(a)>0である。このとき、点aでf(x)は極小ケロか。
また、f'(a)=0、f''(a)<0のとき、点aで、f(x)は極大ケロか。
成り立つならば証明し、成り立たないならば反例をあげよ。
念の為、言っておくけれど、
「点aの近傍でf(x)は微分可能である、2回微分可能である」
とは言っていないケロ。
ではあるが、点aにおいて、f(x)が2回微分可能なので、点aの近傍でf(x)が微分可能であることは言わずもがな!!
更にいうと、f'(x)は点aで連続でもあるわな〜。ただし、点aの近傍でが導関数f'(x)が連続であるかどうかはわからない。近傍内の色んな点でf'(x)はブツブツと切れている可能性がある。近傍内で不連続点が6兆個くらいあるかもしれない。
ひょっとしたら、導関数f'(x)の不連続点は、自然数の個数と同程度の無限個くらいあるかもしれない(^^ゞ。
このような苛酷な条件(?)――こうした記述は、ただの「惑わし」の可能性大!!――でも、
関数f(x)は、点aでf'(a)=0、f''(a)>0である。このとき、点aでf(x)は極小。
また、f'(a)=0、f''(a)<0のとき、点aでf(x)は極大
は成り立つかと、ネムネコはお前らに問うているんだにゃ。
点aの近傍で、f(x)はC²級、すなわち、f''(x)が連続ならば、|h|>0が非常に小さいとき、
f'(a)=0から、
f''(x)は点aで連続なので、f''(a+θh)とf''(a)は同符号。
したがって、f''(a)>0ならば、
f''(a)<0ならば、
よって、
f'(a)=0、かつ、f''(a)>0ならば、f(x)は点aにおいて極小
f'(a)=0、かつ、f''(a)<0ならば、f(x)は点aにおいて極大
である。
とかやれるけれど、ネムネコは、点aの近傍でf(x)はC²級という強い条件を課していない。
それどころか、点aの近傍でf(x)は2回微分可能とも言っていないので、
点aの一点のみでf(x)は2回微分可能で、点a以外でf(x)は2回微分可能でないかもしれない。
さらに、念押しするけれど、上の証明(?)では、
f''(x)が点aで連続なので、f''(a+θh)とf''(a)は同符号が成り立つ(下の定理を参照)。
だから、f''(x)が点aで連続でないと、「f''(a+θh)とf''(a)は同符号」とは限らないので注意。
定理
f(x)が点aで連続、かつ、f(a)>0ならば、f(x)は点aの近傍でf(x)>0である。
【証明】
f(x)が点aで連続なので、任意のε>0に対し、適当なδ>0を定めると、
εは任意の正数なので、とし、これに対してδ>0を定めると、|x−a|<δである全てのxに関して、
(証明終)
追加問題 次のことを示せ。
f(x)が点aで連続、かつ、f(a)<0ならば、f(x)は点aの近傍でf(x)<0である。
【ヒント】
g(x)=−f(x)とおけば、
g(x)は点aで連続、かつ、g(a)>0となり、上の定理から、g(x)は点aの近傍でg(x)>0。
したがって、・・・。
って、ほとんど、答えじゃないか!!
あるいは、
f(x)は点aで連続だから、任意のε>0に対して、あるδ>0が存在し、|x−a|<δである全てのxに関して
εは任意の正数なので、とおき、δ>0を定めると、|x−a|<δであるすべてのxに関して
(ヒント終)
参考までに、必要になるかどうかわからないけれど、ε−δ論法による微分可能の定義を書いておくにゃ。
ある実数Aが存在し、任意の正数ε>0に対し、ある正数δ>0が存在し、
が成り立つとき、f(x)は点aで微分可能であるといい、
で表す、みたいな感じ・・・。
より厳密に書くと、
ある実数Aが存在し、任意の正数ε>0に対し、ある正数δ>0が存在し、0<|x−a|<δを満たすすべてのxに関して、
が成り立つとき、f(x)は点aで微分可能であるという。また、Aを点aにおけるf(x)の微分係数といい、f'(a)で表す。
すなわち、
みたいな感じ。
2回微分の定義ならびに、f''(a)の定義は、これを参考に、お前らが考えるにゃ。
自らの翼を広げ、ε−δ論法による2回微分可能の定義を作るにゃ。
イマジネーションが必要だケロよ。
有名な、高木貞治の「解析概論」には、
f(x)が点x₀の近傍で微分可能、f''(x₀)が存在するとき、f'(x₀)=0、f''(x₀)>0ならばf(x₀)は極小値で、f'(x₀)=0、f''(x₀)<0ならばf(x₀)は極大値である
とあって、その後に、証明らしきものが出ているが・・・。
ところで、お前らは、極大値と極小値の正確な定義を知っているケロか。