お前らに質問(11月9日 積分) [お前らに質問]
お前らに質問(11月9日 積分)
さてさて、次の主張は正しいケロか?
【主張】 a>0とするとき、
である。
【理由1】
高校や大学の微分積分(解析)の時間に
と習ったし、大学の微分積分の教科書にも、1/xの不定積分は、こう書いてあるにゃ。
そして、高校の数学の授業で、
ならば、F(x)はf(x)の原始関数(の一つ)で、
と習ったにゃ。
とおくと、
x>0のとき、
x<0のとき、−x=tとおき、合成関数の微分を使うと、
したがって、
となるので、公式⑨から、こうなるはずだにゃ。
【理由2】
とおくと、
したがって、f(x)は奇関数。
また、奇関数のとき
が成り立つので、
である。
【理由3】
なので、は広義積分。
そこで、ε>0とし、
よって、
は、図のように原点Oに関して対称だから、の筈だ!!
この主張は、正しいかい?
正しくないとしたら、どこがマズいのか、指摘するにゃ。
オレが「成り立つか」と訊く場合、ほぼ100%の確率で成り立たないんだけれど、今回は、例外かもしれない。
第42回 広義積分 その1 [微分積分]
第42回 広義積分 その1
関数f(x)は半区間(a,b](または[a,b))で連続で、(または)が存在するとき、広義積分は収束するといい、
で表す。
また、f(x)が開区間(a,b)において連続で、が存在するとき、
と定義する。したがって、広義積分が収束するのは、a<c<bとする、広義積分がともに収束するときに限り、
が成立する。
問1 次の広義積分の値を求めよ。
【解】
(1) 1/√xは(0,1]で連続、かつ、だから、は広義積分。
t>0とすると、
だから、
(2) log xは(0,1]で連続、かつ、であるからは広義積分。
t>0とすると、
よって、
0<t<1とすると、
よって、
0<s<t<1とし、
とおくと、
したがって、
(解答終)
次の定理は、広義積分の定義より明らかであろう。
定理1
関数f(x)は(a,b]([a,b)あるいは(a,b))で連続とする。f(x)の原始関数F(x)が[a,b]で連続、あるいは、連続関数に拡張できる、すなわち、F(a+0)、F(b−0)が存在するならば、広義積分が存在し、
そして、この定理から、たとえば、問1の(1)、(3)は
と、計算してよい。
広義積分の存在定理は、微分積分入門の範囲を逸脱するので、広義積分の存在判定の重要な定理だけを紹介する。
定理2
関数f(x)、g(x)は区間 I=(a,b](あるいは、[a,b)、(a,b))で連続であるとする。
(1) が絶対収束、すなわち、が収束するならば、は収束する。
(2) 任意のx∈Iに対して|f(x)|≦g(x)、かつ、が収束するならば、は収束する。
(3) 任意のx∈Iに対してf(x)≧g(x)、かつ、が∞に発散するならば、も発散する。
定理2の系
関数f(x)、g(x)は区間 I=(a,b](あるいは、[a,b)、(a,b))で連続であるとする。正数M>0が存在し、任意のx∈Iに対し|f(x)|≦Mであるならば、は収束する。
関数f(x)が[a,∞)で連続で、が存在するとき、
と定義し、この極限値が存在しないとき広義積分は発散するという。
同様に、
と定義する。
問2 次の広義積分の値を求めよ。
【解】
(1) b>0とすると、
したがって、
(2) b>0とすると、
したがって、
(3) b>eとすると、
(4) a<bとすると、
したがって、
(解答終)
(4)は次のように解いてもよい。
(4) a<0<bとすると、
である。
したがって、