お前らに質問(11月6日 極小・極大) [お前らに質問]
お前らに質問(11月6日 極小・極大)
お前らに微分積分に関する基本事項の質問。
問題 関数f(x)は、点aでf'(a)=0、f''(a)>0である。このとき、点aでf(x)は極小ケロか。
また、f'(a)=0、f''(a)<0のとき、点aで、f(x)は極大ケロか。
成り立つならば証明し、成り立たないならば反例をあげよ。
念の為、言っておくけれど、
「点aの近傍でf(x)は微分可能である、2回微分可能である」
とは言っていないケロ。
ではあるが、点aにおいて、f(x)が2回微分可能なので、点aの近傍でf(x)が微分可能であることは言わずもがな!!
更にいうと、f'(x)は点aで連続でもあるわな〜。ただし、点aの近傍でが導関数f'(x)が連続であるかどうかはわからない。近傍内の色んな点でf'(x)はブツブツと切れている可能性がある。近傍内で不連続点が6兆個くらいあるかもしれない。
ひょっとしたら、導関数f'(x)の不連続点は、自然数の個数と同程度の無限個くらいあるかもしれない(^^ゞ。
このような苛酷な条件(?)――こうした記述は、ただの「惑わし」の可能性大!!――でも、
関数f(x)は、点aでf'(a)=0、f''(a)>0である。このとき、点aでf(x)は極小。
また、f'(a)=0、f''(a)<0のとき、点aでf(x)は極大
は成り立つかと、ネムネコはお前らに問うているんだにゃ。
点aの近傍で、f(x)はC²級、すなわち、f''(x)が連続ならば、|h|>0が非常に小さいとき、
f'(a)=0から、
f''(x)は点aで連続なので、f''(a+θh)とf''(a)は同符号。
したがって、f''(a)>0ならば、
f''(a)<0ならば、
よって、
f'(a)=0、かつ、f''(a)>0ならば、f(x)は点aにおいて極小
f'(a)=0、かつ、f''(a)<0ならば、f(x)は点aにおいて極大
である。
とかやれるけれど、ネムネコは、点aの近傍でf(x)はC²級という強い条件を課していない。
それどころか、点aの近傍でf(x)は2回微分可能とも言っていないので、
点aの一点のみでf(x)は2回微分可能で、点a以外でf(x)は2回微分可能でないかもしれない。
さらに、念押しするけれど、上の証明(?)では、
f''(x)が点aで連続なので、f''(a+θh)とf''(a)は同符号が成り立つ(下の定理を参照)。
だから、f''(x)が点aで連続でないと、「f''(a+θh)とf''(a)は同符号」とは限らないので注意。
定理
f(x)が点aで連続、かつ、f(a)>0ならば、f(x)は点aの近傍でf(x)>0である。
【証明】
f(x)が点aで連続なので、任意のε>0に対し、適当なδ>0を定めると、
εは任意の正数なので、とし、これに対してδ>0を定めると、|x−a|<δである全てのxに関して、
(証明終)
追加問題 次のことを示せ。
f(x)が点aで連続、かつ、f(a)<0ならば、f(x)は点aの近傍でf(x)<0である。
【ヒント】
g(x)=−f(x)とおけば、
g(x)は点aで連続、かつ、g(a)>0となり、上の定理から、g(x)は点aの近傍でg(x)>0。
したがって、・・・。
って、ほとんど、答えじゃないか!!
あるいは、
f(x)は点aで連続だから、任意のε>0に対して、あるδ>0が存在し、|x−a|<δである全てのxに関して
εは任意の正数なので、とおき、δ>0を定めると、|x−a|<δであるすべてのxに関して
(ヒント終)
参考までに、必要になるかどうかわからないけれど、ε−δ論法による微分可能の定義を書いておくにゃ。
ある実数Aが存在し、任意の正数ε>0に対し、ある正数δ>0が存在し、
が成り立つとき、f(x)は点aで微分可能であるといい、
で表す、みたいな感じ・・・。
より厳密に書くと、
ある実数Aが存在し、任意の正数ε>0に対し、ある正数δ>0が存在し、0<|x−a|<δを満たすすべてのxに関して、
が成り立つとき、f(x)は点aで微分可能であるという。また、Aを点aにおけるf(x)の微分係数といい、f'(a)で表す。
すなわち、
みたいな感じ。
2回微分の定義ならびに、f''(a)の定義は、これを参考に、お前らが考えるにゃ。
自らの翼を広げ、ε−δ論法による2回微分可能の定義を作るにゃ。
イマジネーションが必要だケロよ。
有名な、高木貞治の「解析概論」には、
f(x)が点x₀の近傍で微分可能、f''(x₀)が存在するとき、f'(x₀)=0、f''(x₀)>0ならばf(x₀)は極小値で、f'(x₀)=0、f''(x₀)<0ならばf(x₀)は極大値である
とあって、その後に、証明らしきものが出ているが・・・。
ところで、お前らは、極大値と極小値の正確な定義を知っているケロか。