お前らに質問 (10月4日 定積分と不等式) [お前らに質問]
お前らに質問 (10月4日 定積分と不等式)
知っている奴からすると、「何だ、アレじゃないか」というつまらない問題なのかもしれないけれど、ちょっと、お前らに解いてもらおうじゃないか。
問題 関数f(x)は有界閉区間[a,b]で連続、かつ、任意のx∈[a,b]に対してf(x)>0であるとするとき、次の不等式が成り立つことを示せ。
ただし、a<bとする。
f(x)=1とすると、
とすると、
0<a<bとして、とおくと、
a<bのとき、
0<a<bのとき
が成り立つかどうか、オレは知らない。
だから、成り立つかどうか、確かめ、もし成り立つのであれば証明し、その証明をこの記事のコメントに書いて、ネムネコのところに送信するにゃ。
ネムネコの勘違いで、不等式(1)は成り立たないかもしれない。成り立つけれど、ネムネコが計算間違いしている虞(おそれ)が、十分すぎるほど、あるにゃ。
かりに、もし(1)が成り立つならば、
a<bで、仮定より、だからとなり、これからになるので、
や、
といった、何か、意味がありそうな、意味のなさそうな不等式が得られる。
記事の内容とは全く関係がないけれど、この曲、この動画を埋め込んでおこう。
ネムネコ・ヒーリングソングに『勇気の鐘〜晴れてハレルヤⅡ〜』を追加!! [今日のアニソン]
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ちなみに、オリジナルの『晴れてハレルヤ』はコチラだにゃ。
無限級数への定積分の応用 [微分積分]
無限級数への定積分の応用
関数f(x)が有界閉区間[a,b]で連続であるとき、その定積分は
と定義できる(区分求積法)。
特に、a=0、b=0のとき
大学入試問題で、次のように、この逆の問題が多数出題されてきたので、無限級数への定積分の応用の話をすることにする。
例題 次の極限値を求めよ。
【解答】
(1)
とすると、
(2) とおくと、
(解答終)
問題1 次の極限値を求めよ。
【解答】
(解答終)
問題2 次の極限値を求めよ。
【解答】
したがって、
(解答終)
問題3 次の極限値を求めよ。
【解答】
したがって、
よって、
(解答終)
これくらいできれば、大学入試でこの手の計算問題が出題されても、困ることはないでしょう(^^)。
数式などが正常に表示されないヒトは、ネムネコの部屋の次の記事↓
無限級数への定積分の応用
https://nemneko.blogspot.com/2019/10/blog-post_64.html
第35回 区分求積法 [微分積分]
第35回 区分求積法
関数f(x)が有界閉区間[a,b]で連続であるとすると、f(x)は[a,b]で積分可能である。
すなわち、分割
の全てに関して、の選び方によらず、リーマン和
は、
になる。
したがって、[a,b]をn等分し、
として得られるリーマン和
とすると、
である。これによって定積分の値を求めることを区分求積法という。
例1 [a,b]で定義される定数値関数f(x)=cの積分は
なぜならば、
例2 [a,b]で定義される連続関数f(x)=xの場合、
[a,b]をn等分し、
に取ったとき
念のために、
を取ったとき、
なお、この計算では
という公式を使っている。
問1 区分求積法を用いて、次のことを示せ。
【解】
f(x)=x²とし、[a,b]をn等分に分割し、
とすると、
(解答終)
上の計算では
という公式を使っている。
問2 区分求積法を用いて、の値を求めよ。
【解】
[0,1]をn等分し、
にとる。
とおくと、
(解答終)
x=1/nとおくと、n→∞のときx→0。
したがって、
上の計算では、ロピタルの定理を使っていることに注意。
あるいは、
お前らに質問 (10月2日 級数) [お前らに質問]
お前らに質問 (10月2日 級数)
1からnまでの数を足し合わせると、
になることくらいのことは知っているよな
これは。
とすると、
となるからだにゃ。
あるいは、
が成立するので、この両辺をk=1からnまで足し合わせると、
と示すことができる。
では、お前らに質問だにゃ。
問題 次の公式を証明せよ。
ノーヒントだと、意外に辛いのかもしれないので、心優しいネムネコは、例によってヒントを出すにゃ。
もう、(2)の答を教えているようなものだな。
ついでに、
の証明。
r=1のときは、明らか。
r≠1のとき、
この両辺にrを掛けると
①と②の両辺の差を取ると、
明日、(1)、(2)、(4)を使うんでね。
上限はないケロよ。
第34回 定積分 [微分積分]
第34回 定積分
§1 積分の定義
f(x)は有界な閉区間[a,b]で定義されている有界な関数である。
分割
に対し、次の和(リーマン和)を考える。
任意の分割Δに関して、であるの選び方によらず、
となる実数Sが存在するとき、f(x)は[a,b]で(リーマン)積分可能であるといい、
で表す。
すなわち、
ここで、はの最大値で、分割の幅である。
また、
a<bのとき、
と定義する。
さらに、a=bのとき、すなわち、
と定義する。
例1 cを定数とするとき、
は、[a,b]で積分可能で、
何故ならば、
である全ての分割に関して、であるの選び方に関わらず、
例2 は[a,b]で積分可能で、
である。
任意の分割Δに関して、
に取ると、
また、任意のに対して、
したがって、
例3 a<c<bとし、
とすると、f(x)は[a,b]で積分可能で、
分割
で、点cを含む区間の数が最も多くなるのは、となる自然数kが存在するときで、このとき、
任意のに対して、
例4
は、[a,b]で(リーマン)積分可能でない。
何故ならば、に無理数の点をとれば、
有理数の点をとれば、
となるので。
§2 定積分の基本的な性質
定理1 有界閉区間I=[a,b]上でf(x)、g(x)は積分可能で、λ、μを定数とするとき、はI上で積分可能で
【証明】
分割Δ、を任意にとると、
したがって、はI上で積分可能で、
(証明終)
定理2 関数f(x)、g(x)はI=[a,b]上で積分可能とする。
ならば、
特に、
【証明】
Iの分割Δ、を任意にとると、仮定より
したがって、
|Δ|→0とすると、
(証明終)
(注) 例2から、
は、一般に成り立たないことがわかる。
次の2つの定理の証明は、すこし、厄介なので、定理だけをあげる。
定理3 f(x)は[a,b]で積分可能ならば、
定理4 f(x)が[a,b]で単調または連続であれば、f(x)は[a,b]で積分可能である。
定理5 f(x)、g(x)が[a,b]で連続ならば、
は、[a,b]で積分可能である。
【略証】
f(x)、g(x)が[a,b]で連続ならば、は[a,b]で連続。したがって、定理4より、積分可能である。
(略証終)
問1 f(x)、g(x)は[a,b]で連続な関数とする。
このとき、
は[a,b]で積分可能であることを示せ。
【解】
f(x)、g(x)が[a,b]で連続だから、も[a,b]で連続。
したがって、は[a,b]で積分可能である。
(解答終)
定理6
f(x)は[a,b]で連続とする。任意のx∈[a,b]についてf(x)≧0、かつ、ならば、f(x)≡0である。
【証明】
f(c)>0であるcがa<c<bに存在すると、f(x)は連続なので、十分ちいさなδ>0を選ぶと、
とすることができる。
となり矛盾。
よって、f(x)≡0。
(証明終)
問2 f(x)、g(x)は[a,b]で連続である。[a,b]でf(x)≧g(x)かつならば、f=gであることを示せ。
【解」
h(x)=f(x)−g(x)とおくと、h(x)は[a,b]で連続なので、h(x)は[a,b]で積分可能。
また、[a,b]でh(x)≧0で、かつ、
したがって、定理6よりh(x)は[a,b]で恒等的にh(x)=0。
ゆえに、f=g。
(解答終)
定理7(積分の三角不等式)
f(x)が[a,b]で連続ならば、
【証明】
f(x)は[a,b]で連続なので、f(x)と|f(x)|は[a,b]で積分可能。
分割Δ、を任意に取ると、
したがって、
(証明終)
【別証」
だから
(別証終)
第33回 無理関数の不定積分 [微分積分]
第33回 無理関数の不定積分
被積分関数が無理関数を含む場合、適当な変数変換をすると、不定積分を求めることができる場合がある。
定理1
R(x,y)がxとyの有理関数ならば、はとおくと、有理関数の積分に帰着できる。
問1 次の不定期分を求めよ。
【解】
(1) t=√xと置き、両辺を2乗すると、x=t²。したがって、dx=2tdt。
よって、
(2) とおき、両辺を3乗してxについて解くと
ゆえに、
(2) とおき、両辺を2乗し、xについて解くと
したがって、
よって、
(解答終)
定理2
R(x,y)がxとyの有理関数ならば、は次の変換によって有理関数の積分に帰着する。
(1) a>0のとき、
(2) のとき、
問2 次の不定積分を求めよ。
【解】
(1) とおくと、
両辺を2乗してxについて解くと、
ゆえに
(2) とおくと
両辺を2乗してxについて解くと
したがって、
ゆえに
(3) だから、
とおき、この両辺を2乗すると、
よって、
ゆえに
(解答終)
問3 次の問に答えよ。
(1) 次の不定積分を求めよ。
(2) (1)の結果を利用して、次の不定積分を求めよ。
【解】
(1)
(2)
t=x+1/2とおくとdx=dtだから
(解答終)