無限級数の収束判定への積分の応用 [微分積分]
無限級数の収束判定への積分の応用
問題 n≧2の自然数とするとき、定積分を利用して、次の不等式が成立することを示せ。
【解】
2≦k≦nとする。
(1) k−1≦x≦kとすると、
だから、
したがって、
よって、
(2) k−1≦x≦kとすると、
だから、
したがって、
①の左辺と中辺より
したがって、
また、①の中辺と右辺より
以上のことより
(解答終)
さて、
とすると、
となり、は単調増加数列。
また、問題の(1)より、
なので、は上に有界。
上に有界な単調増加数列は収束するので、
は収束する。
また、
とし、数列を定めると、問題の②より、
が成立し、
と発散するので、
も+∞に発散する。
このように定積分を用いて無限級数の収束判定を行うことができる場合がある。
定理 (無限級数の収束判定)
無限級数
は、0≦α≦1のとき発散し、α>1のとき収束する。
【証明】
後半のみ証明する。
2≦k≦nとする。
α>1のとき、に対して
したがって、
は上に有界で単調増加なので、無限級数は収束する。
(証明終)
問 0≦α≦1の場合について証明し、上の定理の証明を完成せよ。
さて、次に
としたとき、の収束について考えてみる。
したがっては下に有界。
また、
となり、は単調減少数列(級数)。
下に有界な単調減少数列は収束するので、は収束する。
そこで、
とおき、これをオイラーの定数という。