お前らに質問!! (三段論法) [お前らに質問]
お前らに質問!! (三段論法)
問題 a、b、cを命題とする。
このとき、
「aならばb、かつ、bならばc」ならば「aならばc」である、
すなわち、
が恒真(命題)であることを示せ。
要するに、
「aはbである」かつ「bはcである」、ゆえに、「aはcである」
という三段論法が(推論として)正しいことを示せとと問うている。
真偽表をつかって証明するもよし、
これまで紹介してきた論理演算の規則、
さらに、Iを恒真命題、Oを恒偽命題とするとき、
などを使って証明してもよし、どのような方法を使って証明するかはお前らに任せる。
a、b、cの真理集合をそれぞれA、B、Cとすると、
a⇒bだからA⊂B、bならばcだからB⊂C。
ってのは証明にならないからな。
だって、
は、
という形式になっており、証明すべき三段論法をその証明に使う循環論法になってしまっているからだにゃ。
この他に、命題論理に述語論理(集合)を使っていいかという問題もあるのだが・・・。
命題論理に集合なんて出てこないにゃ。集合が出てくるのは変数を含む条件命題の話だからね。
真偽表を使って証明しようとすると真偽表を作るのが大変で、
論理演算を使って証明しようとすると、うまく計算しないと、収集がつかなくなってしまう。
いずれにせよ、見た目に反して、結構、この問題は厄介。
オーソドックスな三段論法は
大前提:bはcである。
小前提:aはbである。
ゆえに、
結論:aはcである。
という形ですが、
「bはcである」かつ「aはbである」=「aはbである」かつ「bはcである」
と交換が可能なので、
小前提:aはbである。
大前提:bはcである。
ゆえに、
結論:aはcである。
としても論理的には同じ。
大前提:「ヒトは死ぬ」
小前提:「ソクラテスはヒトである」
ゆえに
結論:「ソクラテスは死ぬ」
と、
小前提:「ソクラテスはヒトである」
大前提:「ヒトは死ぬ」
ゆえに
結論:「ソクラテスは死ぬ」
は、同じ内容だからね。
なお、
「ネムネコはブタである」かつ「ブタは空を飛べる」、ゆえに、「ネムネコは空を飛べる」
「ネムネコはブタである」かつ「ブタはネコでない」、ゆえに、「ネムネコはネコでない」
というのは、これによって得られた結論が正しいかどうかは別にして、これは「三段論法」だから、論理的には真の命題であり、推論としても正しいにゃ。
必要条件、十分条件に関する問題 [集合と論理]
必要条件、十分条件に関する問題
基礎知識の確認
p、qを命題とする。p⇒qが真であるとき、pはqであるための十分条件、qはpであるための必要条件であるという。
また、p(x)、q(x)を条件命題、P、Qをその真理集合、すなわち、
とすると、p(x)⇒q(x)(正確には、∀x,p(x)⇒q(x))のとき、真理集合PとQの間には
という関係が成立する。
したがって、必定十分条件、p(x)⇔q(x)のとき、P⊂QかつP⊃Qより、真理集合PとQの間には
P=Q
という関係が成立する。
問題1 次の表で、PはQであるための必要条件、十分条件、必要十分条件であるか。このいずれでもない場合は☓をつけよ。
P |
(ア) a=0 |
(イ) ab>bc |
(ウ) a³=b³ |
(エ) a²>b² |
(オ) ab=0 |
Q |
ab=0 |
a>c |
a=b |
a>b |
a²+b²=0 |
【解】
(ア) a=0⇒ab=0は真、ab=0⇒a=0は偽。したがって、a=0はab=0であるための十分条件。
(イ) ab>bcかつb<0とすると、
a>cのとき、b<0とすると、
よって、ab>bcは、必要条件でも十分条件でもない。
(ウ) a³=b³であるとすると、
したがって、等号が成立するのは、
よって、
したがって、a³=b³はa=bであるための必要かつ十分条件。
(エ) a=−1、b=0とすると、(-1)²=1>0であるが、a>bではない。よって、a²>b²⇒a>bは偽。
a=0、b=−1とすると、a>bであるが、a²=0<(−1)²=b²となるので、a>b⇒a²>b²は偽。
よって、a²>b²はa>bであるための必要条件でも十分条件でもない。
(オ) 「ab=0」⇔「a=0またはb=0」。また、「a²+b²=0」⇔「a=b=0」である。
したがって、ab=0⇒a²+b²=0は偽、a²+b²=0⇒ab=0。
よって、ab=0はa²+b²=0であるための必要条件。
P |
(ア) a=0 |
(イ) ab>bc |
(ウ) a³=b³ |
(エ) a²>b² |
(オ) ab=0 |
Q |
ab=0 |
a>c |
a=b |
a>b |
a²+b²=0 |
|
十分条件 |
☓ |
必要十分条件 |
☓ |
必要条件 |
(解答終)
問題2 次の空欄(ア)、(イ)、(ウ)に適する言葉を入れよ。
実数x,yに対するp:x+y≧4、q:x≧2またはy≧2、r:x≧2かつy≧2において、pはqの(ア)条件、pはrの(イ)条件、qはrの(ウ)条件である。
【解】
命題p、q、rの真理集合をそれぞれP、Q、Rとすると、
これを座標平面上に描くと、次のようになる。
したがって、
P⊂Q、P⊃R(R⊂P)、Q⊃R(R⊂Q)という包含関係が成り立つ。
よって、pはqであるための十分条件、qはpであるための必要条件、
qはrであるための必要条件である。
(ア)十分条件 (イ)必要条件 (ウ)必要条件
(解答終)
問題3 f(x)は係数が実数である3次式、x²+bx+c(b,cは実数)を0にするxの値の1つをαとする。次の問に答えよ。
(1) f(α)=0は、f(x)がx²+bx+cで割り切れるための必要条件であることを示せ。
(2) b²<4bcのとき、f(α)=0は、f(x)がx²+bx+cで割り切れるための十分条件であることを示せ。
【解】
(1) f(x)がx²+x+cで割り切れるとすると、
である1次式h(x)が存在する。
したがって、(x)がx²+bx+cで割り切れるためには、
でなければならない。
(2) b²<4bcだから、2次方程式x²+bx+c=0の解は虚根。その一つをα=p+qi(p、qは実数でq≠0)とし、f(x)をx²+bx+cで割った商をh(x)、剰余をmx+nとすると、
仮定よりf(α)=0だから、
q≠0だからm=0。よって、n=0。
したがって、f(α)=0は、f(x)がx²+bx+cで割り切れるための十分条件である。
(解答終)
問題4 f(x)=x²+(a−1)x+1、g(x)=mx²+2ax+mとおく。a、bは実数である。
(1) すべての実数xについて、f(x)>0が成り立つようなaの範囲を定めよ。
(2) 「すべての実数xに対して、f(x)>0である」ことが、 「すべての実数xに対して、g(x)>0である」ための十分条件となるようなmの範囲を定めよ。
【解】
(1) 2次方程式x²+(a−1)x+1=0の判別式をDとすると、すべての実数xについてf(x)>0であるためにはD<0でなければならない。
したがって、
(2) 2次方程式mx²+2ax+m=0の判別式をDとすると、すべての実数xに対してg(x)>0であるためには、m>0かつD<0でなければならない。
としたとき、A⊂Bとならなければならないので、m≧3。
(解答終)
宿題 y≧ax(x−2)がの成り立つための十分条件となるようなaの範囲を定めよ。
(ヒント)