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定積分の矩形公式と台形公式の誤差 [数値解析]

定積分の矩形公式と台形公式の誤差

 

[a,b]N等分した次の点列があるとする。

  

分割幅をhとすると、

  

となるが、

このとき、

  sekkin-001.png

と積分を近似したときの誤差について考える。

 

その前に準備として、f(x)級であるとき、

  

となるξa<ξ<bに存在することを以下に示す。

 

  

とし、左辺を部分積分すると、

  

になる。

b−a[a,b]で非負なので、積分の第一平均値の定理より

  

となるξa<ξ<bに存在する。

したがって、

  

となる。

 

よって、

  

ここで、

  

とすれば、

  

そして、これが、

  

と近似したときの誤差の評価式になる。

 

本当にそうなのか、

  

とし、

  

の場合について確かめてみる。

 

 

上のグラフは横軸に分割数N、縦軸に誤差の絶対値をとり、対数グラフで表したもので、このグラフを見ると、直線の勾配が約1であり、分割数Nを10倍、つまり、分割幅h1/10にする誤差が約1/10になることがわかる。

このことより、この誤差の評価式の妥当性を確かめることができる。

 

また、

  

となるので、同様の議論から、

  

と、定積分を近似したときの誤差の評価式が

  

で与えられることがわかる。

 

 

問題1 f(x)[a,b]級の関数とする。このとき、

  

となるξが存在することを示せ。

【解】

部分積分を2回用いることにより、

  

(b−x)(x−a)[a,b]で非負なので、積分の平均値の定理より

  sekkin-011.png

となるξa<ξ<bに存在する。

また、

  sekkin-012.png

だから、

  

(解答終)

 

そして、

  

と台形則で定積分を近似したときの誤差が

  sekkin-007.png

となることがわかる。

 

 

問題2 次の等式が成立することを確かめよ。

  

 

問題3(積分の第1平均値の定理)

fが閉区間[a,b]で連続、g[a,b]で非負連続ならば、

  

を満たすξが存在することを示せ。

 

 


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