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必要条件、十分条件に関する問題 [集合と論理]

必要条件、十分条件に関する問題

 

基礎知識の確認

 

pqを命題とする。p⇒qが真であるとき、pqであるための十分条件、qpであるための必要条件であるという。

また、p(x)q(x)を条件命題、PQをその真理集合、すなわち、

 

とすると、p(x)⇒q(x)(正確には、∀x,p(x)⇒q(x))のとき、真理集合PQの間には

 

という関係が成立する。

したがって、必定十分条件、p(x)⇔q(x)のとき、P⊂QかつP⊃Qより、真理集合PQの間には

 PQ

という関係が成立する。

 

 

問題1 次の表で、PQであるための必要条件、十分条件、必要十分条件であるか。このいずれでもない場合は☓をつけよ。

 

P

(ア) a=0

(イ) ab>bc

(ウ) a³=b³

(エ) a²>b²

(オ) ab=0

Q

ab=0

a>c

a=b

a>b

a²+b²=0

 

【解】

(ア) a=0⇒ab=0は真、ab=0⇒a=0は偽。したがって、a=0ab=0であるための十分条件。

 

(イ) ab>bcかつb<0とすると、

 

a>cのとき、b<0とすると、

 

よって、ab>bcは、必要条件でも十分条件でもない。

 

(ウ) a³=b³であるとすると、

 hj-002.png

したがって、等号が成立するのは、

 

よって、

 

したがって、a³=b³a=bであるための必要かつ十分条件。

 

(エ) a=−1b=0とすると、(-1)²=1>0であるが、a>bではない。よって、a²>b²⇒a>bは偽。

a=0b=−1とすると、a>bであるが、a²=0<(−1)²=b²となるので、a>b⇒a²>b²は偽。

よって、a²>b²a>bであるための必要条件でも十分条件でもない。

 

(オ) 「ab=0」⇔「a=0またはb=0」。また、「a²+b²=0」⇔「a=b=0」である。

したがって、ab=0⇒a²+b²=0は偽、a²+b²=0⇒ab=0

よって、ab=0a²+b²=0であるための必要条件。

 

P

(ア) a=0

(イ) ab>bc

(ウ) a³=b³

(エ) a²>b²

(オ) ab=0

Q

ab=0

a>c

a=b

a>b

a²+b²=0

 

十分条件

必要十分条件

必要条件

 

(解答終)

 

 

問題2 次の空欄(ア)、(イ)、(ウ)に適する言葉を入れよ。

実数x,yに対するp:x+y≧4qx≧2またはy≧2r:x≧2かつy≧2において、pqの(ア)条件、prの(イ)条件、qrの(ウ)条件である。

【解】

命題pqrの真理集合をそれぞれPQRとすると、

 

これを座標平面上に描くと、次のようになる。

 

mondai-shinda-001.png

 

したがって、

 P⊂QP⊃RR⊂P)、Q⊃RR⊂Q)という包含関係が成り立つ。

よって、pqであるための十分条件、qpであるための必要条件、

qrであるための必要条件である。

 

(ア)十分条件 (イ)必要条件 (ウ)必要条件

(解答終)

 

 

問題3 f(x)は係数が実数である3次式、x²+bx+cb,cは実数)を0にするxの値の1つをαとする。次の問に答えよ。

(1) f(α)=0は、f(x)x²+bx+cで割り切れるための必要条件であることを示せ。

(2) b²<4bcのとき、f(α)=0は、f(x)x²+bx+cで割り切れるための十分条件であることを示せ。

【解】

(1) f(x)x²+x+cで割り切れるとすると、

 

である1次式h(x)が存在する。

したがって、(x)x²+bx+cで割り切れるためには、

 

でなければならない。

 

(2) b²<4bcだから、2次方程式x²+bx+c=0の解は虚根。その一つをα=p+qipqは実数でq≠0)とし、f(x)x²+bx+cで割った商をh(x)、剰余をmx+nとすると、

 

仮定よりf(α)=0だから、

 

q≠0だからm=0。よって、n=0

したがって、f(α)=0は、f(x)x²+bx+cで割り切れるための十分条件である。

(解答終)

 

 

問題4 f(x)=x²+(a−1)x+1g(x)=mx²+2ax+mとおく。abは実数である。

(1) すべての実数xについて、f(x)>0が成り立つようなaの範囲を定めよ。

(2) 「すべての実数xに対して、f(x)>0である」ことが、 「すべての実数xに対して、g(x)>0である」ための十分条件となるようなmの範囲を定めよ。

【解】

(1) 2次方程式x²+(a−1)x+1=0の判別式をDとすると、すべての実数xについてf(x)>0であるためにはD<0でなければならない。

したがって、

 hj-001.png

 

(2) 2次方程式mx²+2ax+m=0の判別式をDとすると、すべての実数xに対してg(x)>0であるためには、m>0かつD<0でなければならない。

 

としたとき、A⊂Bとならなければならないので、m≧3

(解答終)

 

 宿題 y≧ax(x−2)の成り立つための十分条件となるようなaの範囲を定めよ。

(ヒント)

NANKANOZU-001.PNG

 


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