問題の答 [定積分]
楕円
である。
ここで、
このE(k)を第2種完全楕円積分という。
問題 曲線x²+xy+y²=2について、次の問に答えよ。
(1) この曲線が楕円であることを示せ。
(2) この曲線の全長を求めよ。
【解答例】
(1) 点(x,y)を原点を中心に反時計回りにπ/4回転させた点を(x',y')とすると、
これをx²+xy+y²=2に代入すると、
となり、これは楕円である。
(2) a=2、b=2/√3とおくと、
したがって、この楕円の全長Lは
(解答終)
(1)は、
そこで、行列
の特性方程式を解くと、
だから、
・・・
と、線形代数やテンソルなどの知識を使って解くこともできる。
問題 a>0とする。点(a,0)を中心とする半径aの円について次の問に答えよ。
(1) 円の方程式を求めよ。
(2) この円の極座標表示の方程式を答えよ。
【解答】
(1)
(2) として、上の円の方程式に代入すると、
極座標なのでr>0。
したがって、
(解答終)
極座標の場合、θは0≦θ<2πにとるのが一般的ですが、上のようにθの範囲を定めたほうがいいと思います。
(x−a)²+y²=a²を極座標平面に移すと、原点O(0,0)に対応する点が抜け落ちるんだケロよ。
だから、θ=±π/2のときになるので、r=0の場合を含めて
にすればいいなんてことをしてはいけない。
r=2acosθという関係が成立するのは図を見れば明らかでしょう。
面積ですが、
は、極座標変換によって
に移ります。
そして、ヤコビアンJは
だから、
となる。
2重積分ではなく、
という公式を使って面積を求めるならば、
衝撃の結果に打ちのめされるネムネコ [ひとこと言わねば]
衝撃の結果に打ちのめされるネムネコ
いま、第2種完全楕円積分
を計算するJavaScriptのプログラムを作って、計算させてみた。
(1)の定積分を、台形公式とシンプソン法を使って数値的に計算してみたんだけれど、台形公式の方がシンプソン法よりも精度よく計算できるんだよね。
k=0.8、分割数n=10のとき、
台形公式は、
E(0.8)=1.2763499431698992
CASIOさんの高精度計算サイトの計算結果は、
E(0.8)=1.276349943169906423309
なんと、小数点以下13位まで合っているんだケロよ。
というかなり粗い分割での計算で、小数点以下13位まで正確に計算できるんだよ。
この結果は衝撃的だね。
嘘じゃないにゃ。嘘だと思うならば、次のスクリプトをnemuneko.htmlとかなんとかつけて保存し、それをダブルクリックしてみるにゃ。
すると、ブラウザーが起動し、E(0.8)=1.2763499431698992と出るにゃ。
<script type="text/JavaScript">
var k = 0.8;
function f(x) {
return Math.sqrt(1.0-k*k*Math.sin(x)*Math.sin(x));
}
function Daikei(a,b,n) {
var h=(b-a)/n;
var s=(f(a)+f(b))/2.;
for (var i=1;i <n;i++) {
s=s+f(a+i*h);
};
s = s*h;
return s;
}
var a= 0. ;
var b = Math.PI/2;
var n = 10;
var E = Daikei(a,b,n);
alert('E('+k+')=' + E.toFixed(16));
</script>
被積分関数によってはシンプソン法よりも台形公式や中点公式の方が精度よく計算できる、ということは知っていたけれど、いや〜、こういうこともあるんだね。
驚きだにゃ。
シンプソン法よりもさらに高精度な計算ができる4次のルンゲ・クッタ法でも計算したんだけれど。
k=0.8、h=π/20と同一の条件で計算したもの。
最後の数字が違っているのは、四捨五入しているためだと思う。
https://goo.gl/1DsWQF