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正準変換 [ねこ騙し物理]

正準変換

 

§1 正準変数と変分

 

ラグランジアンとハミルトニアンには

  

の関係があるので、作用積分は

  

になる。

境界条件を入れ、これを変分すると、

  

よって、停留条件δS=0を入れると、

  

ハミルトンの正準方程式を得ることができる。

 

§2 正準変換

 

(q,p)→(Q,P)と変数変換すると、一般に、ハミルトニアンもH(q,p)→H’(Q,P)と変化するが、

このとき、

  

が成り立つような変換を正準変換という。

ラグランジアンに時間の微分項を加えても、作用積分の変分は変わらないので、

  

となるようにW(これを母関数という)を導入する。

で、W=W(q(t),Q(t),t)であるとすると、

  

これを代入すると、

  sj-002.png

これは恒等式なので、上の式から

  sj-003.png

という関係式が得られる。

 

正準変換の例1

は正準変数qpを入れ替える変換。

実際、

  

となり、p=QP=−qと入れ替わっている。

次に独立変数をqPに選ぶために、

  

とおき、微分すると

  sj-004.png

これを⑨に代入すると、

  

したがって、

  

という関係式を得る。

 

正準変換の例2

は恒等変換。

実際、計算してみると、

  

となる。

 

 

§3 無限小正準変換

 

εをパラメータとして

  

とすれば、W₂による正準変換は

  

となる。

εの1次精度まで求めると、

  

Ppの差はε程度なので、上の式の右辺のPpにさり気なくすり替えると、

  

このG(q,p,t)無限小正準変換子という。

 

無限小正準変換の例

空間並進Q=q+εP=pの場合、

  sj-006.png

だから、生成子G(q,p,t)

  

 

空間回転 z軸のまわりに無限小回転(θ=ε)の場合

  sj-007.png

から、生成子は

  

 

時間並進 T=t+εの場合、

  

だから、生成子はハミルトニアン。

 

 

何でも、これと

「ハミルトニアンが無限小変換Gで不変ならば、Gは保存される」

というネーターの定理とを組み合わせると、次のことが結論されるらしい。

 

1 空間が一様(空間並進対称)ならば運動量は保存される

2 空間が等方的(空間回転対称)ならば角運動量は保存される

3 時間が一様(時間並進対称)ならばエネルギーが保存される

 

これを見ると、物理的な空間と(一般化された)運動量、そして、時間とエネルギーの間には深い関係がありそうだ。

そして、これは量子力学の不確定性原理と何やら関係があるに違いない!!

だって、量子力学では、位置と運動量、時間とエネルギーは不確定の関係にある。

だから、この組み合わせには深い関係があるに違いない。

 ――物理の話だから、適当なこと、無責任なことを口走る、ネムネコであった(^^ゞ――

 

ddt³さんがきっと何か話してくれると思うにゃ。

と、例によって丸投げするネムネコであった。

 


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