ハミルトン方程式のイントロ [ねこ騙し物理]
ハミルトン方程式のイントロ
ラグランジアンの変数は、(一般化された)座標qと(一般化された)速度、すなわち、である。
物理では運動量が保存されたりするので、速度を用いるより(一般化された)運動量pを使ったほうが何かと便利なことが多い。
というわけで、(一般化された)運動量pを
と定義することにする。
これは定義だケロ。何故、このように定義するのかと野暮な質問をしてはいけない。
ではあるけれど、1次元で、ポテンシャルがV(x)で与えられるとき、ラグランジアンLは
で与えられるので、
となり、運動量pと一致する。
なのですが、2次元の極座標を用いてラグランジアン
で与えられているとき、
となるにゃ。
速度(ベクトル)のr方向、θ方向の成分をそれぞれで表すと、
となるので、(一般化)運動量(ベクトル)のr方向、θ方向の成分は、
となり、は運動量ではなく角運動量の単位をもつことになってしまうことになるにゃ。
だから、これを運動量と呼ぶのは少し塩梅が悪い(^^ゞ
てなわけで、運動量ではなく、一般化された運動量と呼ぶんじゃないか。
これは数学じゃないし、しかも、ネムネコは物理屋さんじゃないから、適当なこと、嘘八百を平気に並べ立てることができる(笑)。
で、時間を陽に含まないラグランジアンの全微分を求めると、
ゆえに、
ここで、
で与えられる関数H(q,p)を定義し、これをハミルトニアンと呼ぶ。
1次元の場合、
となって、ハミルトニアンH(q,p)は運動エネルギーと位置エネルギーの和になる。
さてさて、ハミルトニアンH(q,p)の全微分を求めると、
(2)、(3)式を比較すると、
あるいは、
これをハミルトンの方程式と呼ぶ。
例1
このとき、運動方程式(ハミルトンの方程式)は
になるケロ。
とおき、
これに、
を代入すると、
となり、ニュートンの運動方程式と一致する。
例2
のとき、
となるケロ。
とおくと、
さらに、
とおくと、
となり、太陽のまわりを回る惑星の運動方程式を得ることができる。