ddt³さんから苗場と「かぐら」の違いを教えられる(^^ゞ [今日のアニソン]
新潟県で生まれ育ち、そして、現在、新潟市に住んでいるから、苗場とかぐらスキー場という名前くらいは知っているけれど、ネムネコはスキーはしないので、苗場スキー場とかぐらスキー場の違いについては知らない。
東京23区で生まれ育ったヒトの中に、東京タワーを一度も登ったことのないヒトは大勢いるにゃ。
これと同じように、新潟県は雪国だから新潟県の人間はみんなスキーができる、スキーを楽しむなんて思わないでほしいケロ。新潟市民の多くはスキーなんてしないにゃ(、たぶん(^^ゞ)。なんで金を出してまで、寒くて雪の降っているところに行かなきゃならないにゃ!!
ここ↓を見ると、新潟県には随分と多くのスキー場があるんだね〜。驚いたケロ。
https://goo.gl/CY5BFi
7.最小作用の原理(変分法) [ddt³さんの部屋]
7.最小作用の原理(変分法)
ここではランダウ本を使います。物理原理はしょせん経験事実という事で、何が悪いのさ!とランダウ本では、のっけから最小作用の原理が出てきます。多くの学生は、概ね冒頭2ページで撃沈です(^^;)。
(以下での下線は、原文の太字箇所。また抜粋である)
N個の質点の位置をきめるためには、N個の位置ベクトル、したがって3N個の成分を必要とする。一般に、ある系の位置を一意的に決定するのに必要な、独立な量の個数をその系の自由度という。この量は、かならずしもデカルト座標である必要はなく、問題にとってもっとつごうのよい他の座標をつかうことができる。系の位置をきめるのに十分な、任意のs個の量(qj)をその系の一般化座標、その導関数(qj')を一般化速度という。
一般化座標の値を全て与えても、しかし、その時刻での《力学的状態》はきまらない。何故なら系は勝手な速度を持てるから。
経験によれば、座標と速度とを同時に与えたとき、系の状態は完全に決定され、系のそれ以後の運動は原理的には予言できる。数学的には、ある時刻におけるqjとqj'を全て与えると、その時刻における加速度qj''も一通りに決まる、という事である。
加速度を座標および速度と結びつける関係を運動方程式というが、上記(経験)事実は運動方程式が2階微分方程式である事を意味する。
・・・どうですか?、この何一つ無駄のない極限設計記述。物理と数学を自由自在に相互乗り入れするエッセンスのみの情報量の多さにスマートさ。ランダウの力学は、理論物理学教程という名に惹かれて、ちょっとだけ背伸びしてみようかなと思った学生が読んだりするものです。それが高校物理の延長である大学教養物理という安全な母港の堤防から、ちょろっと顔を出した瞬間に、鮮やかに待ち構えていたランダウ機雷に遭遇し、大概の学生はここで轟沈です(^^;)。
(以下抜粋)
力学系の運動法則は最小作用の原理で与えられる。力学系はラグラジアンと呼ばれる関数、
で特徴づけられ、系は、作用と呼ばれる積分、
を最小にするように運動する。ラグラジアンが(qj)と(qj')だけの関数であって、もっと高階の導関数によらないということは、力学系は座標と速度を与えるだけで決定されるという、先に述べた事実を表している。
ドド~ンと出ました最小作用の原理!。ここでランダウ先生がラグラジアンとは何なのか?とか、なぜ作用積分を最小にするように運動するのかとかを、語ってくれる訳がありません(しかし学生は期待する)。それは運動方程式に「何故?」と問うのと同じ行為だからです。経験事実という意味を、わかってないのと同じだからです。
ここまでで概ね2ページ。鮮やかな雷撃を耐えた学生も、たいがいもう沈没寸前です(^^;)。この後、変分法の話が続きます。
(qj)をまとめてqと書くことにします。q(t)=(qj(t))。
q=q(t)がちょうどSを最小にするような関数とします。この時q(t)を、q(t)に微小な任意の関数δq(t)を加えた関数、
にとりかえても、(6)のSは(実質)増加しないとランダウ先生は言い出します。もちろん理由は明らかだからと、説明されません(^^;)。δq(t)を関数q(t)の変分と言います。ここの行間で先生はこう言ってるのだと思います。
普通の関数f(x)を思い出してみよう。f(x)がx=aで極値をとるときf'(a)=0になると我々はよく言うが、f'(a)=0だからf(x)がx=aで極値をとるのだろうか?。実際は逆である。f(x)のグラフを見た時に我々は、それが極値を与えるxの値aの近傍a+δxでほとんど変化しない事実を看て取る。ここでδxは任意に微小な量である。
だからこそ我々はx=aでf(x)の変動をδxで一次近似した、
を考え、f'(x)δx=0とし、δxが任意に微小という条件からf'(x)=0を結論する。
q(t)+δq(t)でも同じです。q(t)はちょうどSを極値にする関数ですから、q(t)の近傍を表すq(t)+δq(t)でS(q(t))はほとんど変化しないはずです。なのでq=q(t)でS(q(t))の変動を一次近似した表式を作り、f'(x)δxに相当するものを0とおけば、Sを極値にする関数q(t)の条件がわかります。
ただしS(q(t))はtの関数ではありませんからね。それはSを定義する(6)のtに関する積分が定積分である事から明らかです。S(q(t))はtではなく、関数q(t)を独立変数とした関数なんです。なんの事やらわからないかも知れませんが、実際にやってみればわかりますよ(・・・かも知れない(^^;))。
q(t)がq(t)+δq(t)に変化した時のSの変動δSは、
です。ここでのポイントは、tを止めて考えるという点です。つまり各tにおいてqの変化δqは微小なのだから、(9)のδqに関する一次近似は、qとq'を無関係な変数とみなした、多変数関数L(q,q',t)の全微分として表せます。
(10)にLのtに関する偏微分項がないのは、時間tは本当のtから変化させないという当然の条件から来ています。
次にq(t)+δq(t)は、(10)の積分範囲の上下限t=t1とt2で、本当の関数q(t1),q(t2)に一致しなければならないと、ランダウ先生は言い出します。もちろん明らかな事だから、とうぜん説明抜きで(^^;)。
だって事前に、運動方程式は2階微分方程式だと言ってるよね?、という訳です。2階微分方程式は2個の初期条件がなければ解は一意に定まりませんが、
が2個の初期条件のかわりをするという事です。なんの事やらわからないかも知れませんが、実際にやってみればわかりますよ(・・・かも知れない(^^;))。
(10)右辺2項目を時間tで部分積分します。前もどこかで言いましたが、これは変分法の常套手段です。
(12)右辺1項目は、
と、条件(11)から0になります。よって(12)は、
という事になります。何故なら、q(t)の近傍を表すq(t)+δq(t)でS(q(t))の変動は、0でなければならないからです。
(13)はq=(qj)と書く省略記法でした。省略記法を戻すと、
となります。ここでδqj(t)は、全く任意にとれる関数でした。例えばδqj(t)以外の全てのδqp(t)=0とする事も可能です。それでも(14)が成り立つという事は、各j=1~sで、
が必要になります。ここでδqj(t)は任意の関数だったので、δqjの係数になってる関数は0でなければならないと先生は言います。もちろんこれも明らかという事で説明なし(^^;)。この点に関しては他のテキストもそうなんですが、ランダウ先生を真似たんじゃないですかね?。
じっさいδqjの係数になってる関数が0なのは、うるさい事を言わなければ速攻で証明可能です。
[定理]
f(x)とg(x)を連続関数とする。任意のg(x)に対して、
ならば、f(x)=0。
[証明]
gは任意だから、g=fの場合がある。この時、
となるが、1点でも(f(x))2>0という値を持つ0以上の関数(f(x))2の面積は、fが連続なので必ず0より大きい。0になるのはf(x)=0の時のみ。逆にf(x)=0なら、与式が成り立つのは当然。
[証明終]
変分法で部分積分が常套手段なのは、上記定理を使いたいがためです(^^)。定理でg(t)=δqj(t)と考えれば、f(t)に相当する部分は、
となり、ラグランジュ方程式(運動方程式)が出てきます。ところで初期条件の話は、どこ行ったんでしょ?(^^;)。
(11)を初期条件のかわりとして解が一意に定まる必要条件として(16)は出てきました。しかし予想通り(16)は2階微分方程式で、解を一意には定めません。よって十分条件にするために、普通の2個の初期条件を与える事になります。
ここまでで概ね冒頭の3ページ。学生はほぼ完全にランダウ先生に撃ち取られてます(^^;)。
(執筆:ddt³さん)