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お前らに問題 (上限と下限 5月14日) [お前らに質問]

お前らに問題 (上限と下限 5月14日)

 

Aを空でない実数全体の集合Rの部分集合であるとする。

 

上限の定義

(ⅰ) 任意のx∈Aに対して、x≦αである

(ⅱ) 任意のε>0に対して、

 

であるx∈Aが存在する。

このときαA上限といい、記号

 

と表す。

 

下限の定義

(ⅲ) 任意のx∈Aに対して、β≦xである。

(ⅳ) 任意のε>0に対して、

 

であるx∈Aが存在する。

このときβA下限といい、記号

 

と表す。

 

 

定理

ABを実数全体の集合Rの空でない部分集合とする。

A⊂Bならば

  

である。

 

たとえば、A={2,3}B={1,2,3,4}とすると

A⊂Bで、

 Aの上限sup A=3、下限inf A=2

 Bの上限sup B=4、下限inf B=1

であり、1≦2≦3≦4なので、

  

確かに、上の定理を満たしている。

 

というわけで、あまりに当たり前な上の定理を、お前ら、証明するケロ。

 

問題 A≠∅B≠∅、かつ、A⊂Bならば、

  

であることを証明せよ。

 

ABはともに有界である、つまり、

  

みたいな場合は除くことにするにゃ。

 

あまりにアタリマエの、つまり、自明なことの証明ってのは、意外に難しいもの、あるいは、そう感じるもの。

証明できたとしても、なにか釈然としないところが残ったり、その証明が正しいのか、間違っているのか、わからなかったりするもんだにゃ。

 

一応、考慮時間の上限は100分に設定しておくにゃ。

だから、この曲をその間のBGMにするといいと思うケロ。

 

 

この動画が終了したら、タイムアップだにゃ。

 

そして、

この定理を証明できた奴は、この記事のコメント欄に証明を書いて、ネムネコのところに送信するように。

 


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第0回 実数の連続性 [微分積分]

第0回 実数の連続性

 

Aを実数全体の集合Rの空でない部分集合とする。

 

ある実数uが存在し、任意のx∈Aに対して、

 

が成立するとき、A上に有界であるといい、uA上界(じょうかい)という。また、Aの上界の最小値を上といい、記号

 

 

などであらわす。

 

uAの上限であるとは、

 (ⅰ) 任意のx∈Aに対して、x≦uである (uAの上界)

 (ⅱ) u'<uならば、u'<xであるAの元xが存在する (uより小さいAの上界は存在しない)

ことである。

 

この条件(ⅰ)、(ⅱ)は次のようにしてもよい。

 

α=sup Aであるとは、次の条件を満たすことである。

 (ⅰ) 任意のx∈Aに対してx≦α

 (ⅱ’) 任意の正数εに対して、

 

 であるAの元xが存在する。

 

ある実数lが存在し、任意のx∈Aに対して、

 

であるとき、Aは下に有界といい、lA下界(かかい)という。また、Aの下界の最大値を下限といい、記号

 

 

などであらわす。

 

lAの下限であるとは、

 (ⅲ) 任意のx∈Aに対して、l≦xである (lがAの下界)

 (ⅳ) l<l'ならば、x<l'であるAの元xが存在する (lより大きいAの下界は存在しない)

ことである。

 

この条件(ⅰ)、(2)は次のようにしてもよい。

 

β=inf Aであるとは、次の条件を満たすことである。

 (ⅲ) 任意のx∈Aに対してl≦xである

 (ⅳ’) 任意の正数εに対して、

 

を満たすAの元xが存在する

 

集合Aが上に有界かつ下に有界であるとき、A有界であるという。

 

実数の連続性の公理

上に有界な実数全体の集合Rの部分集合は上限をもつ。また、下に有界な実数全体の部分集合は下限をもつ。

 

例 開区間(0,1)の上限は1、下限は0。閉集合[0,1]の上限は1、下限は0である。

 

問 開区間(0,1)の上限が1、下限が0であることを示せ。

 

定理0 (アルキメデスの公理)

任意の自然数nに対して、

 

である。

また、自然数全体の集合Nは上に有界でない。

【証明】

もし、任意の自然数nに対して

 

が成り立つならば、

 

となり、自然数全体の集合Nは上に有界になる。

したがって、自然数全体の集合Nが上に有界でないことを示せばよい。

もし、Nが上に有界ならば、実数の連続性の公理より上限αをもつ。

したがって、

任意の自然数nに対してn≦α

αは上限なので、ε=1とすると、(1)より、α−<nであるn∈Nが存在することになるが、これからα<n+1∈Nとなり、αNの上限であることに反する。

よって、自然数全体の集合Nは上に有界でない。

(証明終)

 

上の定理0ではなく、下の定理0’をアルキメデスの公理と呼ぶ場合もある。

 

定理0’ (アルキメデスの公理)

任意の正の実数abに対して、

である自然数nが存在する。

【証明】

もし、任意の自然数に対して

であるとすると、

任意の自然数nに対して

となり、b/aは自然数全体の集合Nの上界である。Nは上に有界なので、実数の連続性の公理より、上限αをもつ。

したがって、

任意の自然数n∈Nに対して

である。

αは上限なので、ε=1とすると、(1)より、α−<nであるn∈Nが存在することになるが、これからα<n+1∈Nとなり、αNの上限であることに反する。

よって、自然数全体の集合Nは上に有界でない。

(証明終)

 

 

無限大記号

 

実数全体の集合Rの部分集合Aが上に有界でないとき、

 

と表す。

集合Aが上に有界であるとは「ある実数Kがあり、任意のx∈Aに対してx≦u」ということ、すなわち、

 

なので、集合Aが上に有界でないとは、(3)を否定した

 

となる。すなわち、

「任意の実数Kに対して、

 

を満たすxAに存在する」

ことである。

また、Aが下に有界でないとき、

 

で表す。

また、Aが下に有界とは

 

ということなので、

 

すなわち、

「任意の実数Kに対して、

 

を満たすxAに存在する」

ことである。

 

+∞、−∞ともに実数ではないけれど、x∈Rに対して

 

と大小関係を定義することにする。

 

また、

 bs1-001.png

さらに、

 bs0--2.png

と加法を定義することにする。

 

x>0のとき、

 bs0-003.png

x<0のとき

 bs0-004.png

x=0のとき、

 

さらに、

 bs0-005.png

と乗法を定義することにする。

 

除法に関しては、xが実数のとき、

 

 

問 という引き算、また、といった割り算を定義しないのか、その理由について考えよ。

 


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