お前らに質問! (8月21日 定積分の近似計算) [お前らに質問]
お前らに質問! (8月21日 定積分の近似計算)
関数f(x)は有界な閉区間[a,b]で連続、cを点aと点bの中点とする。すなわち、
(a,f(a))、(c,f(a))、(b,f(b))の3点を通る2次関数をg(x)とすると、g(x)は、ラグランジュ補間によって
と表すことができる。
g(x)が2次関数であることは明らかで、
になるから、曲線y=g(x)が(a,f(a))、(c,f(a))、(b,f(b))の3点を通るから間違いない。
このことを踏まえて、お前らに質問!
問題1
とするとき、次の値を求めよ。
ただし、
とする。
(答)
真面目にg(x)の右辺を展開し、を計算すれば、(1)になるはずだけれど、それでは計算が大変なので、できるだけうまく計算して欲しいにゃ。
ノーヒントだと大変かもしれないので、ヒントを!!
あるいは、
問題2 a、bを任意の実数とするとき、等式
はf(x)が3次以下の多項式であれば成り立つが、4次以上の多項式であると成り立たない(a≠b)。
f(x)=x⁴のとき、(A)の右辺の値を左辺の積分の近似値とみれば、その誤差は(b−a)⁵に比例することを示せ。
公式(2)、(2’)の証明
Β(ベータ)関数を使った高尚な(?)証明法は、たとえば、次のようにするにゃ。
とおくと、t=0のときx=a、t=1のときx=bになる。
したがって、置換積分すると、
Β関数とΓ関数の性質から
よって、
ちなみに、
であり、次の性質があるんだケロ。
となるんだけれどね(^^ゞ
さらに、「我は」と思う奴は、次の公式を(Β関数を使って)証明するにゃ。
(3)式は、図形的には、曲線y=(x−a)²(b−a)とx軸とで囲まれている図形(斜線部)の面積を表すにゃ。
追加問題2、3の解答(?) [お前らに質問]
追加問題2、3の解答(?)
追加問題2 次の不定積分を求めよ。
【解答例】
(解答終)
ところで、x=tanθとし、置換積分したら、どうなるであろうか。
【別解】
x=tanθと置くと
一方、
だから、
(別解終)
部分積分を使わないので、こちらの方がスッキリしているのかもしれない。
追加問題3 次のことを示せ。
【解】
(解答終)
したがって、
と置いたとき
という漸化式を用いて、を逐次的に求めることができる。
お前らに質問!!の解答例 (8月19日 微分方程式) [お前らに質問]
お前らに質問!!の解答例 (8月19日 微分方程式)
問題 次の微分方程式を解け。
【解答例】
ここで、u=y+xと置くと、
したがって、①は
これは変数分離形なので
(解答終)
これを真似して、次の微分方程式を解いてもらいましょうか。
追加問題 u=x+yとおき、次の微分方程式を解け。
(1)は1階線形微分方程式だから次のように解くこともできますが・・・。
【(1)の解答例1】
だから、両辺にを掛けると、
両辺を積分すると、
(解答例終)
【(1)の解答例2】
y₀=Ax+Bが(1)の特殊解と仮定すると
よって、y₀=−x−1は特殊解。
また、同次方程式
の一般解(余関数)は
なので、微分方程式の一般解は
(解答例終)
追加問題の(2)を解くためには次の不定積分
を求める必要があるが、この不定積分はねこ騙し数学ののどっかに書いてあると思うにゃ。
【ヒント】
と分解でき、これから
(ヒント終)
さらに追加問題
追加問題2 次の不定積分を求めよ。
【答】
(ヒント)
「俺は」という意欲的なやつは、
として、の漸化式を導くにゃ。
お前らに質問!! (8月19日 微分方程式) [お前らに質問]
お前らに質問!! (8月19日 微分方程式)
お前ら、次の微分方程式を解くにゃ。
問題 次の微分方程式を解け。
一応、微分方程式の分類では、微分方程式(1)はリッカチ形の微分方程式って事になるんですが・・・。
なお、某サイトでこの微分方程式の解を求めたせたところ、
が(1)の一般解になるらしいにゃ。
ここで、iは虚数単位、すなわち、
だにゃ。
解を書き間違えていると嫌なので、念のために
リッカチ形の微分方程式の解法は、ねこ騙し数学の次の記事に出ているにゃ、
第5回 ベルヌーイ形、リッカチ形の微分方程式
https://nekodamashi-math.blog.so-net.ne.jp/2017-07-31-5
正しければだが(^^)
x=0のときy=0とし、[0,1]を20分割し、h=0.05としておイーラ法で数値的に解いた答はコチラ。
(1)は、非線形の微分方程式で、y(0)=0の初期条件のとき、x→π/2−0でy→∞になるので、オイラー法じゃ〜、結構、厳しいね。
といことで、CASIOさんの高精度計算サイトで4次のルンゲクッタ法を使って数値的に解いた答はコチラ。
お前らにt特殊解が見つけられるわけない――だって、一般解を求められないことには、この特殊解を見つけることは困難だ――から、リカッチ形の微分方程式として解こう――って、ことは、裏を返せば、リッカチ形の微分方程式の一般的な解法を使わずに簡単に解けるってこと。気付けばですが・・・――という奇特なヒトのために、特殊解の1つy₀を教えておくにゃ。
x=0、y=0という初期値の厳密解の正体はこれだ。
初等的な微分方程式の解法3 1階線形微分方程式 [微分積分]
初等的な微分方程式の解法3 1階線形微分方程式
1階線形微分方程式の一般形は
で与えられる。
定数変化法を用いて、(1)の一般解を求めることにする。
まず、(1)のQ(x)=0とした同次方程式
の一般解を求めると、
が得られる。
つぎに、この任意定数cを関数u(x)で置き換え、(1)を満たすようにu(x)を定める。
そこで、
を(1)に代入すると、
したがって、(1)の一般解は
である。
指数関数をexp(x)で表すと、(2)式は
(注)
(1)の両辺にを掛けると
左辺は、
となるので、
両辺をxで積分すると、
と、(1)の微分方程式の一般解を求めることもできる。
問題1 次の微分方程式を解け。
【解】
(1) P(x)=2xだから
したがって、微分方程式の両辺にを掛けると、
両辺をxで積分すると、
(2) だから
よって、
両辺にを掛けると、
両辺をxで積分すると、
(解答終)
問題2 次の微分方程式を解け。
【解】
(1)
(2) P(x)=2xだから
微分方程式
の両辺にをかける。
(解答終)
定理 一階線形微分方程式
の一つの特殊解がy₁であるとき、一般解は
【証明】
一般解yと特殊解y₁は微分方程式(1)の解なので
①と②の両辺の差をとると、
φ=y–y₁とおくと、
この微分方程式の一般解は
よって、
(証明終)
この定理は、
(1)のQ(x)=0とおいた同次方程式
の一般解を求め、それに何らかの手段で求めた(1)の特殊解を加えたものがであると言っている。
問題3 次の微分方程式を解け。
【解】
(1)
の一般解は
y=ax+bが特殊解であるとすると、
よって、a=1、b=−1。
したがって、
(2)
の一般解は
である。
が特殊解であるとすると、
係数を比較すると、A=−1、a=−1/2、b=−1/4。
よって、
(3) y'+ay=0の一般解は
である。
がy'+ay=sinxの特殊解であるとすると、
よって、
これをA、Bについて解くと
よって、
(解答終)
【別解】
(1) 微分方程式の両辺にを掛けると、
両辺をxで積分すると、
(2) 微分方程式の両辺にを掛けると、
両辺をxで積分すると、
(3) 微分方程式の両辺にを掛けると、
両辺を積分すると、
(別解終)
初等的な微分方程式の解法2 同次形 [微分積分]
初等的な微分方程式の解法2 同次形
正規形の微分方程式
の右辺G(x,y)がy/xの関数、すなわち、
であるとき、同次形という。
このとき、
とおくと、次のように変数分離形に変換でき、一般解を求めることができる。
問題1 次の微分方程式を解け。
【解】
(1) 右辺は、t=y/xとおくと、f(t)=1/tの形になるので、同次形。
y=txとおくと、
(2) 右辺の分母分子をx²で割ると
よって、同次形。
y=txとおくと
ここで、
よって、
(3) 右辺をxで割ると
したがって、同次形。
y=txとおくと
ここで、
よって、①は
(4) t=y/xとおくとy=tx。この両辺をxで微分すると、
したがって、
これをyについて解けば、
(解答終)
(1)は同次形の微分方程式として解いたけれど、これは変数分離法で
同次形ではないが、微分方程式
は、次のように変形することによって同次形の微分方程式に帰着させることができる。
(ⅰ) のとき
連立方程式
を満たす(x₀,y₀)が存在するので、
によって(X,Y)の微分方程式にする。すなわち、
により
と同次形の微分方程式に変換できる。
(ⅱ) のとき、
b≠0のとき、t=ax+byとおくと
b'≠0のとき、t=a'x+b'yとおくと
問題2 次の微分方程式を解け。
【解】
(1)
連立方程式
を解くと、(x₀,y₀)=(1,1)。
ここで、x=X+1、y=Y+1とおくと、dx=dX、dy=dYだから
Y=Xtとおくと
よって、
(2) だからt=2x–3yとおくと、微分方程式は
これを解くと
(解答終)
お前らに質問(8月8日 コレは物理の問題か) [お前らに質問]
お前らに質問(8月8日 コレは物理の問題か)
静電容量Cのコンデンサーと電気抵抗がRである抵抗で直列回路を構成する。
コンデンサーに蓄えられた電荷(電気量)をQ、直列回路を流れる電流をIとすると、電荷の保存則から
という関係が得られる。
また、電圧をVとすると、
という関係が成り立つので、①を次のように書き換えることができる。
では、お前らに問題!!
【問題】
(1) C、Rは定数であるして、微分方程式④を解け。ただし、時刻t=0における電荷はQ₀であるとする。
(2) 電流Iを求めよ。
(3) 次の値を求めよ。
(4) を求めよ。
物理的な内容を含んでいるので幻惑されるかもしれないけれど、簡単な数学の計算問題だから、お前ら、最後まで「ちゃんとやれ!」。
そして、この問題を全て解くことができると、t=0のときにコンデンサーに蓄えられた電気的エネルギーがであることがわかるにゃ。
何故、そうなるかって。
それは数学の問題じゃなく、物理の問題だからddt³さんに訊くのが筋だにゃ。
ではあるが、コンデンサーに蓄えられていたエネルギーがジュール熱としてすべて消費されるから、
になるんだよ。つまり、エネルギー保存則から、こうなるってわけ。
ニュートンの冷却の法則と雨粒の落下速度 [ねこ騙し物理]
ニュートンの冷却の法則と雨粒の落下速度
ニュートンの冷却の法則
物体の冷える速度は、物体の温度と周囲の温度の温度差に比例する。
時刻tにおける物体の温度をT、周囲の温度を、さらに比例定数をk>0とすると、ニュートンの冷却法則は、次の微分方程式で表すことができる。
この微分方程式(1)は、変数分離法を用いて、次のように解くことができる。
時刻t=0における物体の温度をT₀とすると、
よって、
したがって、
つまり、十分に時間が経過すると、物体の温度は周囲の温度と等しくなる。
微分方程式の(特殊)解は、(2)ではなく、次のように表したほうが物理的に、より、一般的なのだろう。
さてさて、いま、変数分離法を用いて微分方程式(1)を解いたが、周囲の温度は一定と仮定しているので、(1)は次のように書き換えることができる。
そこで、とおくと、
よって、この微分方程式の一般解は次のようになる。
だから、
となり、初期条件t=0のときT=T₀を代入すると、(2)または(3)を得る。
なお、変数分離法を用いない微分方程式(4)の解法は次のようになる。
(4)から
両辺にを掛けると、
もちろん、と置き換えることなく、(1)式を
と変形し、この両辺にをかけ、
さらに、これを積分し、
と解くこともできる。
数学的には、と置き換えて解こうが、上記のように直接解こうが、どちらでも構わないのですが、自然現象、特に、物理現象には、微分方程式(4)の形に表されるものが意外に多い。たとえば、放射性物質の崩壊、コンデンサーの放電、日焼けの原因になる紫外線の皮膚への浸透などなど。
次に、地上数千メートルの高さから雨粒が落ちてくる運動について考える。
雨粒の質量と落下速さそれぞれmとvとし、重力加速度をgとし、落下する雨粒を減速させる抵抗力が速さvに比例すると仮定すると、雨粒の運動方程式は次のようになる。
両辺をmで割ると、
mg/kが一定であると仮定すると、
高さ数千メートルのところから落ち始める雨粒の速さvは0だろうから、落ち始めの時刻をt=0とすると、
したがって、
この上限の速さmg//kを、(雨粒の)終端速度という。
もし、空気抵抗がないすると、高さH=2000mから初速0で雨粒が落ちてくる雨粒の地表面での速さは
という猛烈な速度になる。
これくらいの速度になると、水、雨粒は固体と同じだから、雨粒はショットガンの散弾以上の破壊力を持つことになり、地上にはいかなる生き物も存在し得ないことになる!!
なお、終端速度は(6)でdv/dt=0とおいた
から求めることができる。
あるいは、(6)式でt→∞の極限をとって求めることができる。
雨粒ではなく油滴ですが、物理学者ミリカンは、油滴の終端速度を利用し電子の電荷(電気量)を求め、のちにノーベル物理学賞を受賞しているにゃ。
この実験を、ミリカンの油滴実験という。
ミリカンの油滴実験
不快指数90を越える暑さって、いったい、どんな暑さなんだろう? [ひとこと言わねば]
新潟県で最も暑いと言われる、新潟県の誇る最終兵器、胎内市中条の最高気温は37.2℃(14:11)だったらしい。
で、午後1時、2時の気温が36.5℃で湿度が78%だったらしいので、このデータを元に不快指数を計算してみたところ、なんと不快指数は90越えの92.9だったケロ。
試しに、気温50℃、湿度15%――砂漠だから湿度は15%ないと思うけれど――で不快指数を計算してみると・・・。
お前らに質問(8月6日 生活の物理編) [お前らに質問]
お前らに質問(8月6日 生活の物理編)
日中の気温が30℃を越す暑い日が続いているにゃ。熱中症にならないために、よく冷えた缶ジュースなどを飲む機会が増えるケロ。また、お風呂あがりやビヤガーデンなどでよく冷えたビールを飲むヒトも多いと思うにゃ。
でも、コップやビールジョッキに注いだビールって、すぐに温(ぬる)くなるよね。
そこで、お前らに質問だにゃ。
【質問】
コップに注いだ冷たいビールやジュースを、できるだけ、温くしない方法を考えよ。
保冷剤を使う、氷(水)などでコップを冷やす、断熱材を使う、あるいは、ラップして冷蔵庫の中に入れる、温くなる前に飲み干す、エアコンを使い室温を思い切り下げる、といった方法はダメだケロよ。
何故、急に温くなるのか、その物理的なメカニズムを考え、いい方法を考えて欲しいにゃ。
小学生の子供を持っている奴は、自由研究の課題に困っているに違いないので、自由研究のテーマにどうですか(^^)。