初等的な微分方程式の解法3 1階線形微分方程式 [微分積分]
初等的な微分方程式の解法3 1階線形微分方程式
1階線形微分方程式の一般形は
で与えられる。
定数変化法を用いて、(1)の一般解を求めることにする。
まず、(1)のQ(x)=0とした同次方程式
の一般解を求めると、
が得られる。
つぎに、この任意定数cを関数u(x)で置き換え、(1)を満たすようにu(x)を定める。
そこで、
を(1)に代入すると、
したがって、(1)の一般解は
である。
指数関数をexp(x)で表すと、(2)式は
(注)
(1)の両辺にを掛けると
左辺は、
となるので、
両辺をxで積分すると、
と、(1)の微分方程式の一般解を求めることもできる。
問題1 次の微分方程式を解け。
【解】
(1) P(x)=2xだから
したがって、微分方程式の両辺にを掛けると、
両辺をxで積分すると、
(2) だから
よって、
両辺にを掛けると、
両辺をxで積分すると、
(解答終)
問題2 次の微分方程式を解け。
【解】
(1)
(2) P(x)=2xだから
微分方程式
の両辺にをかける。
(解答終)
定理 一階線形微分方程式
の一つの特殊解がy₁であるとき、一般解は
【証明】
一般解yと特殊解y₁は微分方程式(1)の解なので
①と②の両辺の差をとると、
φ=y–y₁とおくと、
この微分方程式の一般解は
よって、
(証明終)
この定理は、
(1)のQ(x)=0とおいた同次方程式
の一般解を求め、それに何らかの手段で求めた(1)の特殊解を加えたものがであると言っている。
問題3 次の微分方程式を解け。
【解】
(1)
の一般解は
y=ax+bが特殊解であるとすると、
よって、a=1、b=−1。
したがって、
(2)
の一般解は
である。
が特殊解であるとすると、
係数を比較すると、A=−1、a=−1/2、b=−1/4。
よって、
(3) y'+ay=0の一般解は
である。
がy'+ay=sinxの特殊解であるとすると、
よって、
これをA、Bについて解くと
よって、
(解答終)
【別解】
(1) 微分方程式の両辺にを掛けると、
両辺をxで積分すると、
(2) 微分方程式の両辺にを掛けると、
両辺をxで積分すると、
(3) 微分方程式の両辺にを掛けると、
両辺を積分すると、
(別解終)