「算数苦手なリカちゃん」今は昔 理系合格率、女性が上 朝日 [ひとこと言わねば]
「算数苦手なリカちゃん」今は昔 理系合格率、女性が上 https://t.co/PzCeKsxHAw
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) 2019年3月8日
なぜ理系に進学する女子が少ないか13対1――。これは1983年にアメリカで行われた数学の学力調査で700点以上の高得点を獲得した13歳未満の子どもの男女の割合です。この結果だけをみれば「女子は数学が苦手なんだ」と感じるかもしれません。
https://goo.gl/9AFYDV
だ・か・ら、
難関大学になればなるほど、理系の学生に占める女の子の割合がどうしても低くなる。
東大理学部の男女比、凄まじいな。 pic.twitter.com/dotGLOzoqD
— れるか (@ReluKaede) 2018年8月7日
たとえ、2つの集団の平均点が50点と同じであったとしても、標準偏差(青は10点、赤は20点)が違えば、下の図のように、赤の集団の方が成績上位者は多くなる。
「なぜ理系に進学する女子は少ないか」の記事中に出てくる個人差が大きいということと標準偏差(データのばらつきの度合い)が大きいこととはまぁ同じことだね。そして、標準偏差が小さいと、下の図のように、データの多くが平均付近に集中し、山の頂が高くなる。
赤い曲線の集団は、40点未満、つまり、赤点をとるヒトがその集団の半数近くいるけれど、70点、80点以上の成績上位者は青の集団よりもずっと多いという逆転現象(?)さえ起こりうる。
ネムネコは不思議でたまらない。
女の子が得意とする分野と、むさ苦しくて小汚い男の子の得意とする分野があるし、もちろん個体差は存在するけれど、おそらく生物学的な理由から男女間の性差が結果として現れる(学問)分野や領域が存在すると言いたいだけなんだから。
集積点のよもやま話3 [数学基礎]
集積点のよもやま話3
アルキメデスの公理
任意の正の実数a、bに対して、
となる自然数nが存在する。
定理(有理数の稠密性)
zを1つの実数とすると、任意の正数εに対して、
となる有理数aが存在する。
【証明】
アルキメデスの公理より、任意の正数εに対して、
すなわち、
となる自然数nが存在するので、
を示せば十分。
z≧0とする。
とすると、自然数全体の集合Nは上に有界でないから、A≠∅。
また、Aは自然数全体の集合Nの部分集合だから最小の自然数k∈Aが存在する。
よって、
故に、
よって、とすればよい。
z<0のとき、−z>0とし、上の結果を用いればよい。
(証明終)
この定理は、実数のすぐ近くには有理数が(無数に)存在していることを表しており、この性質を有理数の稠密性という。
と、準備を終えたところで、次の問題の答。
問題 Aを0以上1以下の有理数の集合、すなわち、
とするとき、Aは閉集合かそうでないか、答えよ。
ここで、Qは有理数全体の集まり。
全体集合Xを実数全体の集まりRとし、AをXの部分集合とする。
で、1/√2は無理数だから実数なので、上の定理から、
任意の正数εに対して
である有理数a∈Aが存在する。(a=1/√2でないから、となることに注意)
というわけで、1/√2は集合Aの集積点である。
Aの集積点のすべてをAは含まないので、Aは閉集合でないということになるのであった。
また、Aの集積点の集合、すなわち、Aの導集合は
である。
一般に、有理数全体の集合をQとすると、
という関係が成立する。
集積点のよもやま話2 [数学基礎]
集積点のよもやま話2
集積点 Xを距離空間とし、AをXの部分集合とする。Xの点aがA−{a}の触点であるとき、aをAの集積点という。
すなわち、任意の正数ε>0に対して、
であるとき、aをAの集積点という。
特に、1次元の場合、
任意のε>0に対して、
となるx∈Aが存在するとき、xをAの集積点という。
定理 Aが閉集合である⇔Aの集積点はすべてAに含まれる。
次の集合Aがあるとする。
この集積点は0だけであり、0∈Aだから、上の定理からAは閉集合になる。
一方、
の集積点も0であるが、だから、上の定理よりBは閉集合でないことになる。
問 次の集合は閉集合か。
【解】
A、Bの集積点(の集合)は、ともに、
定理から、
C⊂Aでないので、Aは閉集合でない。
C⊂Bなので、Bは閉集合である。
(解答終)
では、ここで問題。
問題 Aを0以上1以下の有理数の集合、すなわち、
とするとき、Aは閉集合かそうでないか、答えよ。
ここで、Qは有理数全体の集まり。
さあ、この問題を解いてもらおうじゃないか。
できた奴は、Aの集積点全体の集まり、つまり、Aの導集合を求めるよ。
なお、Aの導集合を記号で表すとき、の点をAの孤立点という。
たとえば、
の場合、Aの集積点は0だけなので、Aの導集合
であり、
は、すべて、Aの孤立点である。
また、Aの閉包をで表すとき、一般に、
という関係が成立する。
とするとき、Bの集積点は0のみであるので、Bの導集合
であり、
となり、これはBを包む最小の閉集合、すなわち、Bの閉包になっているだろう。
英語が超ラクになる「日本語との決定的な違い」 ※ 学生必見 YouTubeから [ひとこと言わねば]
集積点についてのよもやま話 [数学基礎]
集積点についてのよもやま話
集積点 点aが集合Aの集積点(accumulation point)であるとは、aの任意の近傍の中にaと異なるAの点が少なくとも1つ存在することである。
このことは、次のように言い換えられる。
任意の正数ε>0に対して、
となるx∈Aが存在する。
定理 Aが閉集合である⇔Aの集積点はすべてAに含まれる。
昨日、
の集積点を求めよという問題を出したけれど、この問題を出したのは、上の定理に関わる内容だから。
たとえば、
という1点集合Aがあるとすると、これは閉集合である。
【証明】
1が{1}の触点であることは明らか。
x≠1とし、これがAの触点であるとすると、任意のε>0に対して、
でなければならない。
εは任意の正数なので、
とすると、
となり矛盾。
よって、一点集合A={1}の触点は1のみなので、Aは閉集合である。
(証明終)
ここで、
であり、B(x;ε)はxの(イプシロン)近傍のこと。
あるいは、
【証明】
実数全体の集合Rに対するA={1}の補集合
は、開集合{x∈R|x<1}と開集合{x∈R|x>1}の和(集合)だから開集合。
よって、A={1}は閉集合である。
(証明終)
さてさて、A={1}の集積点は存在しますか。
任意の正数ε>0に対して、
となるx∈{1}は存在しますか?
存在しないとすれば、冒頭に示した定理が揺らぐにゃ。
だって、{1}の集積点は存在しないのだから、{1}の集積点のすべてが{1}に含まれたりしないケロよ。
もちろん、{1)の集積点の集まりは空集合∅だから、
となるので、 「Aの集積点はすべてAに含まれる」が成立すると言えなくもないが、誤解を招く表現であり、読者に要らぬ混乱を招くので、こういう書き方は避けるべきだと思うにゃ。
ところで、
を集合と考えると、この集積点は0のみということになるが、Bを集合ではなく数列、点列と考えると、すこし事情が変わってくる。
定義1 (数列の集積点)
数列の部分列がaに収束するならば、このaを数列の集積点(accumulation point)という。
の部分列
は1に収束するので、1はこの数列の集積点ということになる。
数列の場合、
と書き、普通、
とは書かないという文句が聞こえそうですが、このように書き表す流儀もあるんだにゃ。
たとえば、以下の英語のサイトを参照。
https://solitaryroad.com/c450.html
つまり、
問題 次の集積点を求めよ。
の答は、
これを集合(というか通常の位相)として考えれば、0であり、
数列(の集積点)と考えれば、0と1が答ということになる。
じゃぁ、数列
の集積点はどうなりますか。
なお、この集積点は定義1の意味だにゃ。
お前らに問題 集合の相等と集積点 (3月3日) [数学基礎]
ちょっとお前らに質問
次の2つの集合AとBがあるとする。
Aのすべての元aはBの元であり、同時に、Bのすべての元bはAの元であるので、集合の相等の定義から、
になる。
一方、集合Aの要素の個数(濃度)をn(A)で表せば、n(A)=3、集合Bの要素の個数n(B)=6――誰がなんと言おうが、Bには集合の元が6つ――なので、
になる。
集合の濃度論的には、
になってもらわないと困る。
(1)式が成り立たないと、数学の基礎が揺らいでしまう。これは由々しき問題だケロ(^^ゞ。
この絶体絶命のピンチをどう乗り越えたらいいのか、お前ら、考えるにゃ。
ここまでは前振りなので、真に受けるなよ。
数学には集積点と呼ばれるものがある。
集積点の定義は、たとえば、次のようなものである。
定義 AをXの部分集合であるとする。Xの点xがA−{x}の触点であるとき、xをAの集積点という。
これでは、何を書いてあるかわかりにくいと思うので、改めて、集積点を次のように定義することにする。
任意の正数ε>0に対し、
となるa∈Aが存在するとき、xをAの集積点という。(少しアレンジを加えているが、とある数学の本に出ている定義。)
――なので、x=aではなく、A−{x}を表している。そして、(2)は、点xの近傍の中にxと異なるAの点aが少なくとも1つ存在することを意味している。――
では、この集積点の定義を踏まえて、次の問題を解いてもらおうか。
問題 次の問に答えよ。
(1) の集積点は0だけであることを示せ。
(2) の集積点を求めよ。
この問題の集合の場合、集合A、Bの濃度|A|、|B|はともに可算濃度(アレフゼロ)なので、|A|=|B|となり、問題は発生しない。
しかし、集合Aの任意の元は集合Bの元であり、かつ、集合Bの任意の元は集合Aの元でもあるので、
が成立し、A、Bの集積点はともに0になってしまう。
こんなことをことさら問題で問うとているからには、0以外にBの集積点が存在するに違いない。いやいや、これは引掛け問題で、Bの集積点は0だけかもしれない(^^ゞ。
そして、
不親切きまわりないことに、この問題と集積点の定義(2)が出ている数学の本には、この問題の答が載っていない!! のであった。
ところで、触点って何だ。
任意の正数ε>0に対し、
であるとき、xは集合Aの触点という。
ここで、
なお、Rは実数全体の集まりである。
やってみたかっただにゃ [高校の統計]
やってみたかっただにゃ
問題 サイコロをn回振る間に、1の目が出る回数をrとするとき、
となる確率を、n=50の場合について求めよ。
【解
n=50、p=1/6、q=5/6とおくと、
nが50と大きい(?)ので、これは正規分布に近似できて、正規分布表から、この確率は
である。
(解答終)
まぁ、こんなふうに解くことができる。
さてさて、二項分布(50,1/6)を正規分布
で近似していいものかどうかが気にかかって、コンピュータで乱数を発生させて、調べてみた。
サイコロを50回投げて1の何回出るか調べるという試行を100万回ほど繰り返して、確率分布、確率密度関数を求めてみた。
下の図がその結果で、赤い点と曲線がコンピュータを使ったシミュレーションの結果で、緑の曲線が正規分布。
近似できていると言えば近似できているし、できていないと言えば、できていない。なんとも微妙な結果だね。
乱数を飛ばすなんてまどろっこしいことせずとも、
を使えばいいじゃないか。
(表計算ソフトを使って計算した奴)
正論だけれど、乱数を使ってシミュレーションしたかったんだにゃ。だから、しょうがないにゃ。