お前らに問題 集合の相等と集積点 (3月3日) [数学基礎]
ちょっとお前らに質問
次の2つの集合AとBがあるとする。
Aのすべての元aはBの元であり、同時に、Bのすべての元bはAの元であるので、集合の相等の定義から、
になる。
一方、集合Aの要素の個数(濃度)をn(A)で表せば、n(A)=3、集合Bの要素の個数n(B)=6――誰がなんと言おうが、Bには集合の元が6つ――なので、
になる。
集合の濃度論的には、
になってもらわないと困る。
(1)式が成り立たないと、数学の基礎が揺らいでしまう。これは由々しき問題だケロ(^^ゞ。
この絶体絶命のピンチをどう乗り越えたらいいのか、お前ら、考えるにゃ。
ここまでは前振りなので、真に受けるなよ。
数学には集積点と呼ばれるものがある。
集積点の定義は、たとえば、次のようなものである。
定義 AをXの部分集合であるとする。Xの点xがA−{x}の触点であるとき、xをAの集積点という。
これでは、何を書いてあるかわかりにくいと思うので、改めて、集積点を次のように定義することにする。
任意の正数ε>0に対し、
となるa∈Aが存在するとき、xをAの集積点という。(少しアレンジを加えているが、とある数学の本に出ている定義。)
――なので、x=aではなく、A−{x}を表している。そして、(2)は、点xの近傍の中にxと異なるAの点aが少なくとも1つ存在することを意味している。――
では、この集積点の定義を踏まえて、次の問題を解いてもらおうか。
問題 次の問に答えよ。
(1) の集積点は0だけであることを示せ。
(2) の集積点を求めよ。
この問題の集合の場合、集合A、Bの濃度|A|、|B|はともに可算濃度(アレフゼロ)なので、|A|=|B|となり、問題は発生しない。
しかし、集合Aの任意の元は集合Bの元であり、かつ、集合Bの任意の元は集合Aの元でもあるので、
が成立し、A、Bの集積点はともに0になってしまう。
こんなことをことさら問題で問うとているからには、0以外にBの集積点が存在するに違いない。いやいや、これは引掛け問題で、Bの集積点は0だけかもしれない(^^ゞ。
そして、
不親切きまわりないことに、この問題と集積点の定義(2)が出ている数学の本には、この問題の答が載っていない!! のであった。
ところで、触点って何だ。
任意の正数ε>0に対し、
であるとき、xは集合Aの触点という。
ここで、
なお、Rは実数全体の集まりである。
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