集積点のよもやま話2 [数学基礎]
集積点のよもやま話2
集積点 Xを距離空間とし、AをXの部分集合とする。Xの点aがA−{a}の触点であるとき、aをAの集積点という。
すなわち、任意の正数ε>0に対して、
であるとき、aをAの集積点という。
特に、1次元の場合、
任意のε>0に対して、
となるx∈Aが存在するとき、xをAの集積点という。
定理 Aが閉集合である⇔Aの集積点はすべてAに含まれる。
次の集合Aがあるとする。
この集積点は0だけであり、0∈Aだから、上の定理からAは閉集合になる。
一方、
の集積点も0であるが、だから、上の定理よりBは閉集合でないことになる。
問 次の集合は閉集合か。
【解】
A、Bの集積点(の集合)は、ともに、
定理から、
C⊂Aでないので、Aは閉集合でない。
C⊂Bなので、Bは閉集合である。
(解答終)
では、ここで問題。
問題 Aを0以上1以下の有理数の集合、すなわち、
とするとき、Aは閉集合かそうでないか、答えよ。
ここで、Qは有理数全体の集まり。
さあ、この問題を解いてもらおうじゃないか。
できた奴は、Aの集積点全体の集まり、つまり、Aの導集合を求めるよ。
なお、Aの導集合を記号で表すとき、の点をAの孤立点という。
たとえば、
の場合、Aの集積点は0だけなので、Aの導集合
であり、
は、すべて、Aの孤立点である。
また、Aの閉包をで表すとき、一般に、
という関係が成立する。
とするとき、Bの集積点は0のみであるので、Bの導集合
であり、
となり、これはBを包む最小の閉集合、すなわち、Bの閉包になっているだろう。
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