演算子法入門 [微分積分]
演算子法入門
非同次の1階線形微分方程式
のf(x)を定数関数0にした同次方程式(補助方程式)を
とすると、(2)の一般解
である。
定数係数の線形方程式の解法の復習として(1)を解いてみる。
(1)の両辺にを掛けると
積分すると
さて、(3)と(4)を比較すると、非同次の1階線形方程式(1)の一般解(4)は、同次方程式(2)の一般解(3)に、(1)の特殊解の1つであるを加えたものになっていることがわかる。
ここで、次の微分演算子
を導入し、
と表すことにすると、(1)は
になる。
そして、新たに
と定義すると、(5)は非同次方程式(1)の特殊解になることがわかる。
したがって、(1)の一般解は
特に、a=0のとき、だから、
ただし、不定積分は、積分定数を含まないものとする。
たとえば、
だにゃ。
f(x)は何度でも微分可能、つまり、級とする。
部分積分すると
したがって、
ここで、
さて、
と変形し、演算子Dをあたかも実数のように考え、
とマクローリン展開すると、
となり、これは(8)と一致する。
【参考】
だ・か・ら、
例えば、
といった計算をしてもいいってこと。
現に
と一致する。
(部分)積分と微分のどちらの計算が楽かといえば、微分の方が楽だから、この計算法のメリットは計り知れない。
そして、一切積分することなく、同次方程式
の一般解が
であることがわかる。
さらに、α≠aのとき、
また
になる。
ただの積分だから次の関係が成り立つことは明らかだろう。
問 次の微分方程式を解け。
【解】
の一般解は
(1)
よって、
(2)
したがって、
(3)
したがって、
(解答終)