お前らに質問(関数列の収束 1月13日) [お前らに質問]
お前らに質問(関数列の収束 1月13日)
数列や関数列の収束に関する記事では、といった記号が数式中の至るところで登場するので、So-netブログの1記事10万字以内という制限にすぐに抵触し、このため、どうしても、問題数が制限されてしまう。
というわけで、
お前らには、次の問題を解いてもらおうじゃないか。
念のため、一様収束の定義!!
定義 (一様収束)
関数列と関数f(x)はIで定義されているとする。
任意の正数ε>0に対して、ある自然数N(ε)が存在して、任意のx∈Iと任意のn≧N(ε)に対して、
を満たすとき、関数列は一様収束するという。
定理 (一様収束の必要十分条件)
関数列がI上で関数f(x)に一様収束する必要十分条件は
この定理を一様収束の定義にするものもある。
ここに出るなる記号は、x∈Iにおけるの上限を表すのだけれど、「上限なんてわからない」というヒトは、x∈Iにおけるの最大値だと思って欲しいにゃ。
(2)には、ちょっと読みづらいかもしれないので
だケロよ。
この問題を解くには、
x≧0で定義された関数列の極限関数f(x)をまず求め――極限関数f(x)=0です!!――、
それから、
の最大値
という極限を計算し、それが0ならば一様収束、0でなければ各点収束ということになる。
と書いても、お前らはやらない可能性が高いので、f(x)=0で、ともに非負だから、
となるので、x≧0における最大値はx≧0におけるの最大値に等しい。
ここまで丁寧に書いたのだから、問題1はちゃんとやれよな。
上限がわかるヒトは、さらに、次の問題を解くにゃ。
問題2 次の関数列は一様収束か。
のグラフまで書いているから、もう、答を教えているようなものだけれど…。
お前らに質問(数列・級数の収束 1月12日) [お前らに質問]
お前らに質問(数列・級数の収束 1月12日)
いい解答を思いつかないので、お前らに次の問題の解答(回答)を募集するにゃ。
問題1 とするとき、数列の極限値は1と1/2の間にあることを示せ。
どんな方法でもいいというのならば、
たとえば、積分を使って
であり、
だから、ハサミ打ちの定理より
そして、1/2< log 2 <1だから…。
なんで、ここで、いきなり積分が出るかわからないって?
それは、
で、
となるからだよ(下図参照)。
あるいは、
だから、は(狭義)単調減少列。
さらに、任意の自然数nに対して
となるので、1/2はの下界(「げかい」ではなく「かかい」と読むにゃ!!)。
したがって、は下に有界な(狭義)単調減少列なので収束する。
また、
だから、
ゆえに、
しか〜し、
この問題は
であることを示せだから、これじゃ〜ダメなんだケロ。
なお、ここでは、数列の極限に関する次の定理を使っている。
定理 (有界な単調数列)
上に(下に)有界な単調増加(減少)数列は収束する。
定理 (数列の大小と極限値)
ならば
いい解答を思いつかず、途方に暮れているにゃ。
そこで、お前らから、いい回答を募集ってワケ。
ちなみに、
nを自然数とするとき
が成立するらしいケロよ。
で、
をマクローリン展開すると
ちょっとインチキが入るけれど、
これを[0,1]で積分すると、
ということで、
お前らは次の問題も解くにゃ。
問題2 (数学的帰納法を用いて)次のことを示せ。
募集している問題1の回答は、初等的な微分積分の範囲程度(たとえば、このブログの微分積分入門程度)のもので、数学が得意な高校3年生が読んで理解できる範囲なものなので、この点を守るように!!
解けた奴は、この記事のコメント欄にその回答を書き、ネムネコのもとに送信するにゃ。
お前らに質問 (数列と級数の収束 1月10日) [お前らに質問]
お前らに質問 (級数の収束 1月10日)
これからこういった話をしたいので、お前らに簡単な問題を少し出題するにゃ。
こうした話をするために、その準備として、昨年末に、数列と無限級数のしたんだケロよ。
ネタに困って、書いたわけじゃないにゃ。
問題1 次の極限を求め、その結果をグラフで表わせ。
参考までに、
とし、nを1〜20まで変化させたときのグラフは次のようになるにゃ。
もう、答を教えているようなものだが…。
問題2 次の無限級数の和を求め、その結果をグラフで表わせ。
問題2は、ただの無限等比級数の問題だから、いくら⑨のお前らでも簡単に求められるだろう。
無限等比級数の和
ただし、0⁰=1とする。
お前らに質問(12月12日 関数の微分可能性)の解答例 [お前らに質問]
お前らに質問(12月12日 関数の微分可能性)の解答例
問題 f(x)=x³を実数全体の集合Rで定義される関数とするとき、任意のa∈Rに対して
となることを、ε−δ論法を用いて証明せよ。
【解答】
0<δ≦1とし、とすると、
よって、任意のε>0に対して、
に取ると、
(解答終)
なお、上の解答で
となっているのは、0<δ≦1⇒δ²≦δだから。
また、単に、
任意の正数ε>0に対しδを
とすると、ε>1+3|a|のとき、
となってしまうので、0<δ≦1という仮定を満たすために
というお呪(まじな)いを唱える必要がある。
ここで、
そして、
は、こっそり、
とおき、これを解いたところから出てくる。
「aとbの大きくない方をとる」を意味する、min{a,b}という怪しげな記号なんか使いたくないというヒトは、次のように解くといいかもしれない。
0<|x−a|<δとすると、
とおき、
このδの2次方程式を解く。
δ>0という条件があるので、
をとる。
よって、
任意のε>0に対して、
にすると、
この場合は、幸い、δ²+3|a|δ−ε=0という2次方程式になるのでδについて解くことができるけれど、δの3次以上の方程式になると厄介なので、応用しづらいという難点がある。
発展問題 とするとき、
となることを、ε−δ論法を用いて示せ。
正しかろうが間違っていようが、お前らから1つ回答が寄せられたら、解答例の公開を検討するにゃ。
お前らに質問(12月16日 数列の極限)の解答例 [お前らに質問]
お前らに質問(12月16日 数列の極限)の解答例
問題1 数列が収束しないとはどういうことか。その定義を記せ。
【解答例】
を否定すると、
すなわち、
どんな実数値αに対しても、ある実数ε>0が存在し、任意の自然数Nについて、
となる自然数nが(少なくとも1つ)存在する、こと。
(解答例終)
命題「pならばq」の否定は、
「pかつqでない」だから注意するにゃ。
さらに、高校の数学で、
「すべての◯」(∀◯)の否定は「ある◯」(∃◯)、「ある△」(∃△)の否定は「すべての△」(∀△)
って習ったはずだから、この規則にしたがえばいいにゃ。
そうすれば、(1)の否定である(1’)が得られる!!
ちなみに、
数列の極限の定義(1)は、「数列の極限値は、それが存在すれば、ただ1つに限る」とまでは主張していない。「そんなものがあるとすれば、すくなくとも1つはある」としか言っていない。
したがって、極限値が1つに限るということは、定義(1)などから証明すべきことなのであった!!
問題2 、かつ、α>0とするとき、ある自然数Nが存在し、n≧Nである全ての自然数nについて、
であることを示せ。
【解答例】
である。
ε>0は任意なので、にすると、
を満たす自然数Nが存在する。
よって、このとき、
(解答終)
細かいヒトは、
ではなく、「すべての」、「任意の」を表す「全称記号」∀をつけて
としたりするにゃ。
類題 、かつ、α≠0とするとき、ある自然数Nが存在し、n≧Nである全ての自然数nについて、
であることを示せ。
問題3 数列が収束するとき、は有界である、
すなわち、
である実数Mが存在する。
このことを利用して、極限の公式
を証明せよ。
【解答例】
であるとき
だから、
また、とすると、だから、
となり、
次に、少なくとも1つである項が存在するとする。
数列は収束するので有界である。
つまり、
となる実数M>0が存在する。
また、であるから、
任意のε>0に対して、ある自然数N₁、N₂が存在し
が成り立つ。
よって、とすると、
任意のε>0に対して、n≧Nならば
となるので、
したがって、
である。
(解答例終)
(M+|α|)=0だと
となって、
という条件を満たさなくなるので、塩梅が悪いにゃ。
そこで、
そうならないように、
とそうでない場合に分けたケロ。
突っ込まれないようにこう書いたけれど、
を満たす実数Mはの上限、
である必要は必ずしもないから、上の部分は要らな言っちゃ〜要らない。
てなわけで、
こういうことを踏まえて、
「数列は収束するので有界である。
つまり、
となる実数M>0が存在する」
とすればいいんだウサ。
実は、みんなの幸せを願う「ウサギ」のネムネコでした。
お前らに質問(12月16日 数列の極限) [お前らに質問]
お前らに質問(12月16日 数列の極限)
本日、12月16日の数学の記事、数列の極限で、「みんなが大好き」ε−δ論法の一種、ε−N論法をバリバリ使った。
数式はいっぱい出てくるので、So-netブログ名物の1記事10万字以内というオキテに触れて、記事中の数式を50近く、画像に変換し、それを記事に貼り付けるという気が遠くなるような作業をやる羽目になってしまった。
これから、ねこ騙し数学で取り扱う内容の前提知識となる内容なので、これを疎かにはできないにゃ。
というわけで、お前らには、数列の極限に関する問題をいくつかといてもらうことにするにゃ。
問題1 数列が収束しないとはどういうことか。その定義を記せ。
と、いきなり質問しても、質問が曖昧すぎて答えられないかもしれないので、数列の収束に関する定義を記すにゃ。
ある実数αが存在し、任意の正数ε>0に対して、ある自然数Nが存在し、n≧Nを満たすすべての自然数nについて、
であるとき、数列はαに収束するといい、また、αをの極限値という。
実数全体の集合を、自然数全体の集合をとすると、
といった感じになりますか。
(1)が数列の収束の定義なのだから、これを否定すれば、収束しないの定義になるわな。
そして、それを日常事は著しく異なる数学語に翻訳すればよい。
翻訳した数学語を、自然な日本語――英語であろうが同じだが――に直そうとすると、意味が変わることが往々にして生じるので、やめたほうがいいケロよ。
日本語としてどんなに不自然であろうと、翻訳数学語に慣れるしかない!!
ところで、
「ある自然数Nがあって、どんな自然数nに対しても、N≧nである」
と
「どんな自然数nに対しても、ある自然数Nがあって、N≧nである」
は同じ意味ですか?
怪しげな記号を使うと、
と
とかになりますか。
違うとすれば、命題P1とP2のどちらが真の命題か、あるいは、どちらも真、ともに偽か、について考えるといいにゃ。
問題2 、かつ、α>0とするとき、ある自然数Nが存在し、n≧Nである全ての自然数nについて、
であることを示せ。
この極限値がαたとえ無量大数分の1という限りなく0に近い数であろうと、その極限値がα>0でありさえすれば、上のことは必ず成り立つ。
問題3 数列が収束するとき、は有界である、
すなわち、
である実数Mが存在する。
このことを利用して、極限の公式
を証明せよ。
ノーヒントじゃ辛いかもしれないので、心優しいネムネコはヒントを出してやるにゃ。
【ヒント】
とし、次のように変形せよ。
もう答を教えたようなものだけれど…。
お前らに質問(12月13日 関数の微分可能性) [お前らに質問]
お前らに質問(12月13日 関数の微分可能性)
f(x)を点aの近傍で定義された関数とする。
ある定数Aが存在し、任意の正数ε>0に対し、あるδ>0が存在し、である任意のxに関して、
であるとき、関数f(x)は点aで微分可能という。
また、このとき、
で表し、を関数f(x)の点aにおける微分係数という。
これは、従来の微分可能と微分係数の定義
を、ε−δ論法(による関数の極限の定義)を用いて(より厳密に、より定量的に)言い換えたもの。
だから、(1)と(2)は同じもの。
xが限りなくaに近づくとき、xのaへの近づき方に無関係に
がある実数Aの値に限りなく近づくならば、
といった文学的な定義は、
「限りなく近づく」、「近づき方に無関係」ってどういうことよ、曖昧でよくわかんない!!
と、嫌うんだケロ。
具体的な例を上げ、図などを用いて感覚に訴えるといった手段を用いることなく、下線部を引いたところをキチンと説明することは極めて困難で、ほとんど不可能といっていいからね。
そして、そもそも感覚的で、曖昧なので、正確な議論ができない、正確な議論をしづらい、ということがあって、みんなが大好きなε−δ論法が生み出された。
例題 関数f(x)は実数全体の集合Rであるとする。このとき、次のことが成り立つことを、ε−δ論法を用いて、示せ。
(1) f(x)=C(定数)とするとき、任意のa∈Rに対して、である。
(2) f(x)=xとするとき、任意のa∈Rに対して、である。
(3) f(x)=x²とするとき、任意のa∈Rに対して、である。
【解】
(1) 任意のε>0に対して、δ=ε>0とおくと、
(2) 任意のε>0に対して、δ=ε>0とおくと、
(3) 任意のε>0に対して、δ=ε>0とおくと、
(解答終)
では、お前らに質問!!
問題 f(x)=x³を実数全体の集合Rで定義される関数とするとき、任意のa∈Rに対して
となることを、ε−δ論法を用いて証明せよ。
発展問題 とするとき、
となることを、ε−δ論法を用いて示せ。
コッチは、結構、手強いぜ。
回答、特に、発展問題の回答を、心よりお待ちしています。
発展問題の回答がひとつもネムネコのもとに届かない場合、ネムネコも、この対抗処置を発動し、発展問題の解答例の公開を、当分の間、留保するにゃ。
知りたければ、誠意を示すにゃ。
お前らに質問(12月06日 微分)の解答例とランダウのO記号 [お前らに質問]
お前らに質問(12月06日 微分)の解答例とランダウのO記号
ddt³さんが提出した微分の定義をまず紹介。
関数f(x)が点xで
を満たす定数Aが存在するとき、関数f(x)は点xで微分可能という。
問題 次の定理を証明せよ。
定理 関数f(x)が点xで微分可能ならば、f(x)は点xで連続である。
【解答例】
関数fは点xで連続なので
となる定数Aが存在する。
h≠0とすると、
だから、
したがって、
(解答例終)
ddt³さんの記事の中でロピタルの定理が登場したので、ロピタルの話を少し…。
ロピタルの定理より、
とすると、文句をつけるヒトがいる。
「ロピタルの定理を使って計算するのがいけない」というわけではない。
じゃぁ、上の計算のどこがまずいのか、わかるかケロか?
何がいけないかというと、
ロピタルの定理の主張は、
「極限値
が存在するならば、
が成り立つ」であって、この右辺の極限が存在するかどうかわからないのに、いきなり、右辺と左辺を等号で結んでいいのかというところ。
そして、ロピタルの定理の誤用は、往々にして、こうした意識の欠如から生まれると…。
ズボラに書くけれど、
f(a)=g(a)=0で
は存在するけれど、
が存在しない例もある。
そして、が存在しないから、は存在しない、なんてことを平気でやらかすヒトが意外に多い。
さらに、こうしたことから、「ロピタルの定理を使うと減点される」という都市伝説が生まれ、まことしやかに語られるのであった。
例えば、次の問題
問題 次の極限があれば、求めよ。
【ロピタルの定理を使った典型的な迷解答】
これは、∞/∞のタイプの極限。
てなわけで、お決まりの呪文「ロピタルの定理より」を唱えて、
とやる。
そして、右辺の極限は存在しないので、
は存在しない…。
(迷解答終)
ところがどっこい、この極限は存在する。
−1≦sin x≦1だから、x≠0のとき、
そして、
だから、おなじみの「ハサミ打ちの定理」より
になる。
そもそも、xが十分に大きければ、−1≦sin x≦1なんだから、だから、こんな項なんて端から無視できる!!
話は前後するが、
ランダウの記号Oを用いた
の求め方を紹介しよう。
その前に、記号Oの簡単な説明。
x→aのとき、f(x)/g(x)が有界にとどまるならば、
と表す。
特に、x→aのときにf(x)/g(x)が極限をもてば
である。
だから、
これを代入すると、、
よって、
という極限が存在する保証はないけれど、
定義から、x→0のときは有界だから、
となる実数Mが存在し、これから
また、
だから、ハサミ打ちの定理より、
さて、⑨はどこから出てきたかというと、
cos xを3次までマクローリン展開すると、
となるので、この剰余項R₄
と、こっそり、おいた話なんだけどね。
だから、
この場合、
になる。
だったら、O(x⁴)なんて正体不明の薄気味悪いものを引っぱり出さず、マクローリン展開をつかって、直接、極限を求めればいいじゃないかって話にはなるんですが…。
問題2 次の極限を求めよ。
【ロピタルの定理を使う】
これは、0/0の不定形の極限。
ロピタルの定理より
このように2回ロピタルの定理を使うことによってこの極限を求めることができる。
したがって、
x≠0のとき、
よって、
謎の⑨²は何処から出てきたかというと、
というマクローリン展開!!
そして、
と、こっそり、置いたのであった。
だったら、最初から
とやれ!!って話ではあるわな。
それはそれとしまして、
もし、関数fが点xでC²級だとすると、
になるので、
と置こう!!ってのが、この記号の元々の発想。
そして、このとき、初めて、
と表せる理由がおぼろげながら見えてくるのであった。
問題3 次の極限が存在すれば、その値を求めよ。
【解答(?)】
これは、0/0の不定形の極限。
したがって、ロピタルの定理より
【解答(?)終】
0<|x|≪1のとき、
と近似できるのだから、
になるから、
問題3の極限値は存在しないはずなんですがね〜(^^)。
そして、お前らは、問題3の解答(?)の間違いを指摘し、この極限が存在しないことを示すように。
お前らに質問(12月8日 式の値を求める) [お前らに質問]
式の値を求める
問題1 a+b+c=0のとき、次の式の値を求めよ。
【解答】
a+b+c=0だからc=−a−bを代入すると、
(解答終)
【別解】
(別解終)
穴埋め問題ならば、
a+b=c=0になるように、a=b=1、c=−2とし、これを、こっそり、式に代入すると
でも、思ったほど、楽じゃないね(^^ゞ。
問題2 次の式の値を求めよ。
【解答】
とおくと、
①+②+③は
a+b+c=0のとき、b+c=−aを代入すると、
a=b=c(≠0)のとき、k=2になるので、k=2はOK。
よって、式の値は2、または、−1。
(解答終)
【別解】
だから
①と②の辺々を引くと
(1) a+b+c=0のとき
b+c=−aだから
(2) b=cのとき
にb=cを代入すると、
したがって、a=b=c、または、a+2b=a+b+c=0。
a+b+c=0のときは、式の値は−1。
a=b=cのときは、
よって、式の値は
a=b=cのとき、2。
a+b+c=0のとき、−1。
(別解終)
【別解2】
だから、a+b+c≠0のとき、
a+b+c=0のとき、b+c=−aを代入すると、
よって、式の値は2、または、−1である。
(別解2終)
上の解答では、
とすると、b=ak、d=ckだから、
となるので、
という比例式の性質、加比の理を使っている。
加比の理の図形的な意味は下図を参照。
この加比の理を使えば、次の問題はすぐに解けるんじゃないだろうか。
問題3 次の式の値を求めよ。
a+b+c=0のときの値も求めるんだケロよ。
ひょっとしたら、その時、値を持たないかもしれないけれど…。
を行列で書き直すと、
となり、行列の固有値問題になるな〜。
てなわけで、
方程式
a=b=c=0という自明の解以外の解を持つためには、
でなければならない。
単純に展開したほうが、どう考えても、楽なので、
と解くこともできるわな〜。
そこで、
お前らは、
行列(式)を使わずに、a,b,cに関する連立方程式
が(a,b,c)=(0,0,0)という(自明な)解以外の解を持つ(kの)条件とその時の解を高校の数学Ⅰレベルの知識を駆使して求めるにゃ。
3元1次連立方程式だと難しいというヒトは、次の2元1次連立方程式
が(a,b)=(0,0)以外の解を持つ条件とその時の解を求めるにゃ。
【行列を用いた解答】
方程式
が(a,b)=(0,0)以外の解を持つためには
でなければならない。
k=−1のとき
よって、
k=1のとき
よって、
(解答終)
いくら⑨のお前らでも、この問題くらいは解けるだろう。
たとえば、連立方程式の第1式から
これを第2式に代入すると…。
そして、あと、必要となる知識は、
A、Bを実数とするとき、
という中学生で習うであろう知識を使うだけなんだから。
まぁ、お前らが小学生や赤ちゃんならば、解けないのはしょうがないけど…。
お前らに質問(12月05日 定積分の近似値)の解答例 [お前らに質問]
お前らに質問(12月05日 定積分の近似値)の解答例
台形公式
問題 次の広義積分の近似値を台形公式を用いて求めよ。
【解答例】
とおくと、x=0にはt=0、x=∞にはt=1(正確にはt=1−0)が対応する。
また、
となるので、
そこで、
とおく。
[0,1]を4等分した分点0.1/4,1/2,3/4,1における被積分関数f(t)の値は
となるので、台形公式より
よって、
(解答例終)
なお、この広義積分の値は、
したがって、絶対誤差は約0.0208、相対誤差は0.013=1.3%で計算できていることがわかる。
分割数nを10倍のn=40にすると、絶対誤差は0.000208となり、誤差はn=4のときの1/10²=1/100になることがわかる。台形公式の誤差の程度はO(1/n²)だから、nを10倍にすると、誤差は1/10²=1/100になるんだケロよ。
お仕置き問題 次の広義積分の近似値を台形公式を用いて求めよ。
【解答1】
とおくと、x=0にはt=0、x=∞にはt=1(正確にはt=1−0)が対応する。
また、
となるので、
そこで、
とおき、[0,1]を4等分した分点0.1/4,1/2,3/4,1における被積分関数f(t)の値を求めると
よって、台形公式より
したがって、
(解答1終)
【解答2】
とおくと、x=0にはθ=0、x=∞にはθ=π/2が対応し、
なので、
そこで、
とおくケロ。
[0,π/2]を4等分した分点0.π/8,π/4,3π/8,π/2における被積分関数f(t)の値を求めると
よって、台形公式より
(解答2終)
ところで、
だから、解答例1の誤差は0.0109、解答例2の誤差は0.0253なので、解答例1による方法のほうが、精度よく計算できていることがわかる。
同じ分割数に対して、台形公式を使って定積分の近似値を求めているはずなのに、計算精度が違う。
これは何故ですか。
この理由を、お前らは考えるにゃ。
念のため、
(参考)
素性のいい(半)無限積分の近似値は、このように、分割数が少なくても、台形公式などを使って、意外に正確な値を求めることができたりする。
などは、問題、お仕置き問題のように変数変換することなく、
と考え、右辺の積分区間[0,4]を5等分し、台形公式を用いてその近似値を求めると、ほとんど一致してしまうのであった。
仰天の事実!!
これらの計算は、ネムネコが3年前に作ったスクリプトで計算しているにゃ。
http://nemneko.blogspot.com/2016/11/blog-post_14.html
それはそれとして、ネムネコが考えるに、
数値計算屋のddt³さんが、きっと、これに関係する記事を投稿してくれると思うので、楽しみにして待つにゃ。