お前らに質問(12月13日 関数の微分可能性) [お前らに質問]
お前らに質問(12月13日 関数の微分可能性)
f(x)を点aの近傍で定義された関数とする。
ある定数Aが存在し、任意の正数ε>0に対し、あるδ>0が存在し、である任意のxに関して、
であるとき、関数f(x)は点aで微分可能という。
また、このとき、
で表し、を関数f(x)の点aにおける微分係数という。
これは、従来の微分可能と微分係数の定義
を、ε−δ論法(による関数の極限の定義)を用いて(より厳密に、より定量的に)言い換えたもの。
だから、(1)と(2)は同じもの。
xが限りなくaに近づくとき、xのaへの近づき方に無関係に
がある実数Aの値に限りなく近づくならば、
といった文学的な定義は、
「限りなく近づく」、「近づき方に無関係」ってどういうことよ、曖昧でよくわかんない!!
と、嫌うんだケロ。
具体的な例を上げ、図などを用いて感覚に訴えるといった手段を用いることなく、下線部を引いたところをキチンと説明することは極めて困難で、ほとんど不可能といっていいからね。
そして、そもそも感覚的で、曖昧なので、正確な議論ができない、正確な議論をしづらい、ということがあって、みんなが大好きなε−δ論法が生み出された。
例題 関数f(x)は実数全体の集合Rであるとする。このとき、次のことが成り立つことを、ε−δ論法を用いて、示せ。
(1) f(x)=C(定数)とするとき、任意のa∈Rに対して、である。
(2) f(x)=xとするとき、任意のa∈Rに対して、である。
(3) f(x)=x²とするとき、任意のa∈Rに対して、である。
【解】
(1) 任意のε>0に対して、δ=ε>0とおくと、
(2) 任意のε>0に対して、δ=ε>0とおくと、
(3) 任意のε>0に対して、δ=ε>0とおくと、
(解答終)
では、お前らに質問!!
問題 f(x)=x³を実数全体の集合Rで定義される関数とするとき、任意のa∈Rに対して
となることを、ε−δ論法を用いて証明せよ。
発展問題 とするとき、
となることを、ε−δ論法を用いて示せ。
コッチは、結構、手強いぜ。
回答、特に、発展問題の回答を、心よりお待ちしています。
発展問題の回答がひとつもネムネコのもとに届かない場合、ネムネコも、この対抗処置を発動し、発展問題の解答例の公開を、当分の間、留保するにゃ。
知りたければ、誠意を示すにゃ。
おまけ
命題 α、βを定数とする。関数f(x)、g(x)が点aで微分可能ならば、関数αf(x)+βg(x)も点aで微分可能である。
【証明】
α=β=0のとき、
任意のε>0に対し、δ=εとおくと、
が成立する。
αとβが同時に0でないとき。
関数f(x)、g(x)は点aで微分可能なのだから、任意の正数>0に対し、あるδ>0が存在し、
を満たす定数A、Bが存在する。
したがって、
ならば、
よって、
とおくと、
(証明終)
α=β=0のときは、「関数f(x)、g(x)は点aで微分可能」である必要がなく、「関数f(x)、g(x)は点aで微分可能」という条件は過剰だね(^^ゞ。
でも、この条件がないと、⑨³で表わせないから。
とし、
とすると、
とするべきだ、と。
そして、こういうことをなおざりにするから、ますます、ε−δ論法嫌いが増えるのだ、と…。
でも、いちいち、このように書くのは面倒なので、
この意味で、
「関数f(x)、g(x)は点aで微分可能なのだから、任意の正数>0に対し、あるδ>0が存在し、
を満たす定数A、Bが存在する」
と略記する。
ところで、
おどろおどろしいけれど、
関数αf(x)+βg(x)の点aにおける微分係数は、
と書くのが正しいんだケロよ。
ddt³さんならば、⑨³を見て、線形である、そして、「’」を線形演算子と言い出すかもしれない。
そして、
とか書いて、
とするんじゃないかな(^^ゞ。
さらに言うと、
「関数αf(x)+βg(x)」ではなく、「関数αf+βg」と書くのが正しいのだけれど、ここでは、高校数学流の表記にならって、「関数αf(x)+βg(x)」と書いているにゃ。
すっげぇ〜うるさいことを言うと、
f(x)は、関数fの点xにおける値であって、関数じゃ〜ないんだケロ。
だ・か・ら、
関数f(x)と書くのは、実は、ただしい書き方ではない。
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