第50回 極方程式で表された曲線の面積 [微分積分]
第50回 極方程式で表された曲線の面積
曲線Cが極座標を用いてr=f(θ)(α≦θ≦β)と表されていて、f(θ)は連続であるとする。このとき、曲線Cと半直線θ=α、θ=βで囲まれる部分の面積Sは
である。
【証明】
閉区間[α,β]の分割
をとり、曲線r=f(θ)と半直線に囲まれた微小部分を扇型で近似すると
仮定より、f(θ)は[α,β]で連続なので、も[α,β]で連続。
したがって、|Δ|→0のとき、
に収束する。
よって、
(証明終)
問題1 次の方程式で表される曲線の囲む面積を求めよ。
【解】
r≧0だから、a>0のとき−π/2≦θ≦π/2、a<0のときπ/2≦θ≦3π/2。
したがって、
a>0のとき、この曲線が囲む面積Sは
a<0のとき
よって、
(解答終)
この曲線は、点(a,0)を中心とする半径|a|>0の円だから面積S=πa²!!
また、この曲線は、x軸に関して対称なので、この曲線の第1象限における面積を2倍することによって面積を求めることもできる。
すなわち、a>0のとき、
また、a<0のときの曲線は、y軸に関してa>0のときの曲線に対称だから、その面積は等しい。
問題2 カージオイドの面積を求めよ。ただし、a>0とする。
【解】
r≧0だから、0≦θ≦2π。
よって、
(解答終)
カージオイドはx軸に関して対称なので、対称性に注目し、
と計算してもよい。
問題3 a>0とするとき、次の曲線(4葉線)の囲む面積を求めよ。
【解】
の両辺を2乗すると、
曲線の対称性から、第1象限で囲まれた図形の面積を4倍すればよい。
したがって、求める面積Sは
(解答終)
問題4 a>0とするとき、次の曲線(レムニスケート)の囲む面積を求めよ。
【解】
r²≧0より、cos2θ≧0。
よって、−π≦θ≦πとすると、。
図形の対称性から第1象限で囲まれた部分の面積を4倍すればよい)。
(解答終)
問題5 a>0とするとき、次の曲線(デカルトの葉線)の囲む面積を求めよ。
【解】
を代入すると、
よって、求める面積Sは
ここで、t=tanθとおくと、で、θ=0→t=0、θ=π/2→t→∞に対応するので、
(解答終)
デカルトの葉線は直線y=xに対称なので、
ここで、t=tanθとおくと、で、θ=0→t=0、θ=π/4→t=1に対応するので、
としたほうがいいのだろう。
問題5の解答では、
「θ=0→t=0、θ=π/2→t→∞に対応する」にすこし”やましさ”がある。
正しくは、「θ=0→t=0、θ=π/2−0→t→∞に対応する」とすべきところだから。
y=xに関して対称なのは、x³+y³=3axyのxとyをyとxに入れ換えても同じ式になることからわかる。
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