第45回 広義積分 その4 ベータ関数 [微分積分]
第45回 広義積分 その4 ベータ関数
定理
(ⅰ) 関数f(x)は(a,b]で連続とする。ある0≦λ<1について、が収束するならば、広義積分は収束する。
(ⅱ) 関数f(x)は[a,b)で連続とする。ある0≦λ<1について、が収束するならば、広義積分は収束する。
【証明
0≦λ<1とする。
(ⅰ)とすると、
であるδ>0が存在する。
(ⅱ) とすると、
であるδ>0が存在する。
0≦λ<1だから、広義積分は収束し、したがって、も収束する。
(証明終)
【証明】
0<c<1とし、
とする。
(1) p≧1のとき、[0,c]では連続なので、は通常の定積分で存在する。
0<p<1のとき、だから、は広義積分。
また、このとき、0<p−1<1であり、
となるので、広義積分が存在する。
(2) q≧1のとき、[c,1]では連続なので、は存在する。
0<q<1のとき、だから、は広義積分。
このとき、0<q−1<1であり、
よって、広義積分は存在する。
(1)、(2)より、p>0、q>0のとき、が存在するので、は存在する。
(証明終)
定義 ベータ関数
p>0、q>0に対して、
とおき、これをベータ関数(Β関数)という。
定理 (ベータ関数の性質)
ベータ関数Β(p,q)は次の性質をみたす。
【解】
(1) x=1−tとおくと
(2) x+(1−x)=1
したがって、
また、
したがって、
(3) だから、
また、
したがって、
(証明終)
さて、m、nが自然数のとき、
が成り立つので、
が成立する。
証明はしないが、
この関係は、m,nが自然数の時だけでなく、p>0、q>0のときにも成立する。すなわち、
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