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ロンスキアンと2階線形非同次微分方程式の特殊解 [微分積分]

ロンスキアンと2階線形非同次微分方程式の特殊解

 

 

線形方程式

  toku-001.png

を非同次方程式、

  toku-002.png

を同次方程式という。

 

y₁y₂を(2)の解であるとすると、その1次結合を

  

とすると、

  

となるので、も(2)の解になる。

 

また、ある定数c₁c₂があって

  

であるとする――少なくとも、c₁=c₂=0が存在する――。

両辺を微分すると

  

よって、

  toku-004.png

行列で表すと

  toku-005.png

が成り立つ。

したがって、(ロンスキー)行列式

  toku-006.png

であるとき、行列の逆行列が存在し、

したがって、ロンスキーの行列式(ロンスキアンという)

  toku-007.png

が0でないならば、y₁y₂は1次独立である。

 

以上のことから、次の定理が成り立つことがわかるだろう。

 

定理1

y₁y₂が方程式(2)の解とする。

(ⅰ) その一次結合も解である。

(ⅱ) 方程式(2)の1次独立な解を基本解という。y₁y₂が(2)の基本解である必要十分な条件はロンスキアン

  toku-008.png

であることである。

(ⅲ) y₁y₂が(2)の基本解ならば、一般解はである。

 

 

例1 2階線形同次方程式

  

があるとすると、はこの微分方程式の解である。

また、

  toku-009.png  

なので、はこの微分方程式の基本解であり、一般解は

  

 

 

例2 2階線形同次方程式

  

があるとすると、はこの微分方程式の解。

また、

  

したがって、はこの微分方程式の基本解。

よって、一般解は

   

 

【注意1】

  

をロンスキー行列(ロンスキアン)と呼ぶ場合がある。こちらの方が主流派!!

 

【注意2】

2階線形同次方程式の基本解は1つ(1組)ではない。

たとえば、

  

の場合、もこの微分方程式の解で、しかも、このロンスキアンなので、も基本解である。

 

 

定理2

非同次の2階線形方程式

  toku-001.png

とその同次方程式(余関数)を

  toku-002.png

とするとき、次のことが成り立つ。

(ⅰ) (1)の一般解=同次方程式(2)の一般解+(1)の特殊解

(ⅱ) y₁y₂を同次方程式(2)の基本解、とするとき、

  toku-011.png

は(1)のⅰつの特殊解である。

したがって、に(3)を加えたものが同次方程式(1)の一般解である。

【証明】

(ⅰ) y₀を(1)の特殊解とすると

  

φを(2)の一般解とすると、

  

 

(ⅱ) この証明は問題にしますか(^^

(証明終)

 

問題 y₁y₂を同次方程式の基本解、とするとき、

  toku-013.png

が非同次の方程式の(特殊)解であることを確かめよ。

 


toku-014.pngとして、これをの左辺に代入し、真面目にコツコツと、途中で計算を間違えることなく、計算すれば左辺はR(x)になる。

 

 

定数変化法を用いた(ⅱ)の証明

【解】

が非同次方程式の解になるようにu₁u₂を定めることにする。

  

だから、

  

そこで、

  toku-017.png

となるようにu₁u₂を定める。

の両辺をxで微分すると、

  toku-018.png

よって、

  

となり、φは非同次方程式

  toku-001.png

の解である。

①の連立方程式をについて解くと、

  toku-019.png

したがって、

  toku-020.png

よって、

  toku-021.png

(証明終)

 

 


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